企業は人材不足に悩んでる!? 足りない職種1位はエンジニア

これだけ世の中で「就職難」が叫ばれていると、「企業はもう人が十分に足りているんだろう」とついつい考えてしまいがち。しかし、実態はどうも違うようだ。

 

総合人材サービス会社のマンパワーグループが2012年6月、1011社を対象に実施した調査によると、「人材不足」を感じている企業は81%に上った。この割合は2009年には55%だったが、3年間でなんと26ポイントも上昇している。

 

人材不足を感じている企業の割合の推移

 

高校生としては、「人が不足しているなら何でもっと積極的に採らないの?」という疑問が当然湧いてくるところ。その理由についてリクナビ編集長の岡崎仁美さんに聞いてみた。

 

「今は就職難と採用難が同時に進行している状況なんです。かつて企業は人材補充を新卒採用に頼る傾向があったため、採用予定数を満たす採用をしていました。しかし今は人材調達手段が多様化。数合わせの採用はしなくなっています。『“いい人”がいない』という企業の声は非常によく聞きますね」

 

事実、リクルートが2012年度大卒者の採用に関して実施した調査によると、採用数が当初の計画より「若干少ない」(31.7%)、「かなり少ない」(4.4%)と回答した企業はトータルで36.1%。結果として約7万人分の空席が発生したとみられている。「量より質」へのシフトが急速に進んでいる証拠だ。

 

なお、マンパワーグループの調査では、不足している職種に関して、調査開始以来、「営業/販売職」がずっと1位を占めていたが、今回の調査では前回3位の「エンジニア」がトップとなった。

 

「IT系のエンジニアに関していうと、スマホ関連のニーズが大きい」(岡崎さん)という背景もあるが、高度な専門性が求められる職種への不足感が高まっていることは注目するべきポイントと言えそうだ。

 

※出典/マンパワーグループ「マンパワー雇用予測調査・『人材不足』に関する追加調査結果」

 
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