どちらも髪を切るけれど…美容師と理容師、その違いって何?

髪をカットする時、街のおしゃれな美容室に行く人もいれば、小さい頃から通う行きつけの理容室に行く人もいるだろう。

 

美容室にいるのは「美容師」で、理容室にいるのは「理容師」。両者とも資格が必要となる仕事だが、その違いは何だろう?

 

実はこの両者、「できること」が微妙に異なり、仕事の範囲が違うのだ。

 
 

■「カミソリを使えない」美容師
 「女性にパーマをあてられない」理容師

 

美容師法によると、美容師の仕事は「パーマネントウエーブ、結髪、化粧などの方法により、容姿を美しくすること」。一方、理容師の仕事は「頭髪の刈り込み、顔剃りなどの方法により、容姿を整えること」と理容師法に定められている。

 

どちらも髪を切るけれど…美容師と理容師、その違いって何?

 

美容師は「美しくする」で、理容師は「整える」。両者とも髪をカットすることに変わりはないものの、美容師は「メイクをするにあたって必要な施術」のときにしかカミソリを使った顔剃りができない。

 

一方、理容師は、女性客にパーマをあてることができない。当然、理容師養成スクールでは顔剃りの実習があり、美容師養成スクールではメイクの講座があるなど、学ぶカリキュラムも変わってくるのだ。いずれも厚生労働大臣が指定するスクールを修了したのち、国家試験に合格することで、晴れて美容師・理容師デビューとなる。

 

なお、厚生労働省の衛生行政報告例によると、平成25年3月末現在の美容所(美容室)数は23万1134施設で、理容所(理容室)数は13万210施設。前年度比は美容所が1.2%増、理容所が1.1%減少となっている。

 

■「美」を追求する美容師と、「技」を磨く理容師

 

美容師と理容師の違いを、もう少し具体的に見てみよう。

 

近ごろ、美容室でもパーマやカット、カラーリングだけでなく、メイク、着付け、ネイルケア、ボディートリートメントなどのサービスを行うお店も増えてきた。美容師も、こうしたスキルを身につける必要がある。

 

主な就職先は美容室だが、ウェディング関係の会社に就職して花嫁の髪のカットやセット、メイクを担当するという選択もできる。また、美容室で経験を積んだあとに独立したり、ヘアメイクアーティストを派遣する事務所に所属して、映画やテレビなどの撮影現場やファッションショーの場で活躍することもできる。「美」と「流行」に敏感で、アイデアが豊富な人に向いている仕事といえそうだ。

 

どちらも髪を切るけれど…美容師と理容師、その違いって何?

 

一方、理容師の主なお客は男性。カットやパーマ、顔剃りだけでなく、髪の傷みや頭皮・毛根のチェックをして、適切なシャンプーの仕方などをアドバイスするサービスを行うお店も多く、人工毛髪の手入れ等を手がけているところもある。

 

また、駅前などで「1000円カット」を行う格安の理容チェーン店も登場する一方、「ココって美容室じゃないの?」と思わせるようなオシャレな理容室も登場し、レディースカットやレディースシェービングを目当てに通う女性客も増えている状況だ。エステサロンでシェービング担当として働くケースもある。美容師に比べ、職人気質で技術にこだわるタイプの人に向いているだろう。

 

どちらも髪を切るけれど…美容師と理容師、その違いって何?

 

美容師と理容師、双方の仕事に共通しているのは、手先の器用さや細やかな気遣いが大切になるということ。加えて、お客の「こんな髪形にしたい!」というイメージを聞き出すコミュニケーション能力も備えておきたい。

 

そして、キッチリと仕事をこなせば「イメージどおりになった!ありがとう!」「さっぱりしたよ!」とお客から言ってもらえる喜び・やりがいがあることも、双方の仕事の共通項だ。

 
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