患者さんを最高のスマイルへ導く!「歯科衛生士」

子どもからお年寄りまで、どの世代にも重要なお口の中のケア。

 

口の健康をサポートする重要な役目を担うのが「歯科衛生士」だ。コンビニエンスストア並みに数が多いと言われている歯科医院では、歯科衛生士の不足が叫ばれている。そのため、国家資格を取得したあと、すぐに現場で活躍しやすいことが歯科衛生士の魅力だ。

 

福井県にある「スマイル歯科クリニック」で働く吉田佳美さんも短大の歯科衛生士学科を卒業し、現場で活躍している歯科衛生士の一人。

 

「国家資格だし、かっこいい」という気持ちで志した歯科衛生士だったが、短大で専門的な知識を学び、実習などで経験を積んでいく中で、仕事の難しさを学ぶと同時にやりがいを感じた。そこから、必死に勉強し、国家試験に一発で合格した。

 
 

■歯科衛生士と歯科助手の違いとは?

 

患者として歯科医院を訪れると、働く人ほとんどが白衣姿でわかりにくいが、歯科医師、歯科衛生士、歯科助手で仕事内容は異なる。歯科衛生士は、口の中のクリーニング全般をはじめ、歯科診療の補助、虫歯にならないための指導、老人ホームなどに訪問しての訪問診療などを担当。

 

口の中を触ることができない歯科助手に対して、歯科衛生士は口の中を触れることができる。ただし、医師のように歯を削ることはできない。

 
 

【歯科衛生士と歯科助手の違い】

 

■歯科衛生士
資格:歯科衛生士(国家資格) 法第204号
資格取得方法:厚生労働省指定の養成所等を卒業し、国家試験に合格
修業年数:3ヵ年
卒業単位数:93単位(2570時間以上)うち臨床実習20単位(900時間)
具体的な仕事内容:(1)歯科診療補助 (2)歯科予防処置 (3)歯科保健指導
採用された場合の給料(関東・リクルート調べ):月給201,281円、時給1,178円

 

■歯科助手
資格:公的資格なし。民間資格が数種類あるが、特に必要ではない。
資格取得方法:各資格が定める
修業年数:数ヶ月~1年制
卒業単位数:法的定めなし
具体的な仕事内容:受付・事務・片付け・掃除等の歯科医療業務以外の業務
採用された場合の給料(関東・リクルート調べ):月給168,360円、時給895円

出典:新東京歯科衛生士学校 「歯科衛生士と歯科助手の違い」

 
 

国家資格であるため、資格を取得するためには国が定めた歯科衛生士養成機関で学ぶ必要がある。専門的な知識を学ぶこともあり、「教科書の量に驚いた」という吉田さん。入学時に配布された分厚い教科書は約15冊。とにかく不安だったが、実習が始まり、患者さんの満足そうな顔を見ると資格を取得したいという思いがさらに強まったという。

 

患者さんを最高のスマイルへ導く!「歯科衛生士」

 
 

■歯を通して人と時間を共有する仕事

 

歯科衛生士になり歯科医院に就職してからもやりがいのある毎日に満足している。「患者さんのお口の中をクリーニングして、きれいになって帰ってもらったときは一番うれしい」。治療に数年間かかる矯正も「矯正を始めたころは小学生だった患者さまが何回か通院して中学生に成長している姿を見ると、歯というものを通して、人と時間を共有できる、人とつながれる」という仕事に大きなやりがいを感じている。

 

患者さんを最高のスマイルへ導く!「歯科衛生士」

 

その一方で、やりがいを感じるがゆえに悩むときもある。「先生と以心伝心できていないと、患者様にご迷惑をおかけすることになるので、先生とのコミュニケーションがうまくとれないときは悩みます」。そんなときは同僚や学生時代一緒に学んだ同期と意見を交換するなどしてスキルアップをはかるという。

 

なかなか足が向きにくい歯医者。吉田さんはその気持ちを理解し「また、足を運びたくなる環境を作りたい」と話す。男性も女性も基本的に関係なく働けて、これからも需要が高まる歯科衛生士。吉田さんは「決して楽な仕事ではないが、国家資格なので日本のどこにいても働ける。興味がある方は、ぜひ目指してほしい」と未来の歯科衛生士にエールを送る。

 
 

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