高校生25人が東京・青山の結婚式場でオリジナルウエディングを企画!
ハピネスを企画しよう。
人気の職業「ウエディングプランナー」の仕事を体験したい!
そんな夢をかなえてくれるイベント「ハピネスを企画しよう。」が東京・青山で開かれた。
主催したのは桜美林大学。
同大学には観光・ホスピタリティ・エンターテイメントビジネスを学べるビジネスマネジメント学群があり、将来ウエディング関連の仕事を目指す学生も多い。
そして、会場を提供するなど高校生を応援してくれたのが、一組一組にオリジナルウェディングを創る、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ。
同社のもつ結婚式場のひとつが青山迎賓館で、プールのある邸宅風の式場だ。
ウエディングプランナーってどんな仕事?
まずは自己紹介や、お互いにインタビューをし合うアイスブレイクでリラックスしたあと、桜美林大学ビジネスマネジメント学群の五十嵐元一教授による模擬講義や、学生プレゼンを聴講。ウエディングにおけるマーケティング(販売戦略)の大切さについて知った。
その後、モデルや女優など、有名人のウエディングプランニングも多く手がけるカリスマウエディングプランナー、有賀明美さんによる業界案内。
「ウエディングの企画では、ドレスやブーケなど、きれいなものやおしゃれなものももちろん大事だけれど、新郎新婦や家族の心の奥にあるものを引き出して、ストーリーを作るお手伝いをすることがいかに大事であるか」ということを訴えるスピーチに、高校生一同がうなずいていた。
特に、実際にあった小学校の同級生同士の挙式の様子を映像で紹介した際には、感動で泣いてしまう高校生も続出!
有賀さんが新郎新婦と打ち合せをする際、相手をより深く知るためにスマホの待ち受けを見せてもらうことがあるという話を披露。その後、会場ではスマホを見せ合う時間が設けられ、同じグループの人たちと一気に距離が縮まった。
という有賀さんの熱い言葉に、「何となくウエディング業界ものぞいてみたい」という気持ちで訪れていた高校生も、ぐいっと心をつかまれたようだった。
ウエディング業界へのあこがれ
休憩タイムに、参加している高校生に、なぜこのイベントに興味をもったのかを聞いてみた。
「ブライダルの生花デザイナーにあこがれています。専門学校に行こうと思っていたけれど、大学についても知りたいと思って参加しました」
「旅行に行ったとき旅館のおもてなしに感動。サービス業について経営から学びたいと思いました。ホテルに就職したいのですが、同じサービス業としてウエディングのことも知りたくて参加しました」
「テレビでサプライズ挙式を見て、こんな幸せな空間があることに感動! 大学で心理学やコミュニケーション学を学んだうえでウエディングの仕事に就きたい。今日はブライダル業界のお話を聞きたくて来ました」
「人とかかわることが大好きでサービス業志望です。専門学校か大学か悩んだ末、経営など幅広く学びながらブライダルについて知りたいと思い、大学進学を決めました。今日は新しい挑戦としてプランナー体験をしたくて参加しました」
「人と話をしたり、人をよろこばせたりすることが大好き。まだ進路は決めかねているけれど、ウエディングの仕事にも興味をもっているので参加しました」
プランニングでは斬新なアイデアが続々誕生
昼食を終えて午後からは、桜美林大学の学生も1人ずつ加わり、5つのグループがいよいよ実際にプランニング。これまで学んだことを生かして、「どんな人がどんな思いで挙げる式なのか」を意識してストーリーのあるウエディングを企画していく。
テーブルに『ゼクシィ』などの結婚情報誌を広げながら、アイデアを出し合うのに、みんな夢中。
そして、それぞれのグループで、将来の夢への思いがつまったプランができあがった。
ボランティアで出会った二人のためのウエディング。夜から日が昇って明るくなる演出をして、最後に自然にかえる素材で作った風船を飛ばす。風船の中には植物の種。植物と一緒に愛を育んでいく。
テーマは国際結婚。日本とアメリカの遠距離恋愛で愛を育んだ二人にとって、手紙は重要なアイテム。ドレスの裾に手紙の文面の一部を入れ、会場はそれぞれの国のモチーフを用いて演出。
最初は反対にあったけれどやっと結ばれる新郎と新婦を、彦星と織姫に例えた演出。誓いのキャンドルすべてに火をつけて、幻想的なミルキーウェイが完成。
学校で同じ時間を共有した、または共有したかったカップルのためのウエディング。黒板にはゲストのメッセージ、掲示板には二人のストーリー、フラワーシャワーは桜の花びら…細かいところまでスクールアイテムで演出。
海のそばで、写真をたくさん使ったウエディング。ヴァージンロードには砂や貝、そして子どものころからの新郎新婦の写真を飾り、手作りの指輪のケースも貝殻で。撮った写真はその場でゲストに渡し、ゲストからは1輪ずつ花をもらいブーケに。
オリジナルウエディングのプランが出揃い、グループ2 がT&G賞、グループ4 が桜美林大学賞を受賞した。
進路を考えるうえで貴重な経験に!
「どのようにプランニングすればよろこんでもらえるかを聞けて、それを実際にやってみることができたのは貴重な経験。マーケティングを学んでみたくなりました」
「こんな経験、めったにできないと思います。大学のHPで見て思い切って参加してよかったです」
「ほかの高校の生徒や大学生とも知り合えてすごく楽しかったし、業界へのあこがれがますます強まりました。ジェンダーフリーや同性婚にも興味があるので、いろいろ勉強したいです」
「友達に誘われてフラリと来てみたんですが、ブライダルの世界観に感動しました。本当に来てよかった」
「知らない人と意見を出し合いまとめていく作業は初めて。いい経験だったし、ホスピタリティ、マーケティング、流通と、学びたいことが見えてきました」
「ウエディングって、人の人生の重要な部分に立ち会える仕事、やりがい、達成感のある仕事なのだと感じました。来てよかったです」
参加者のほとんどが、キラキラしている面だけではない、もっと奥深いウエディングの世界を知ることができた貴重な体験だったと語ってくれた。
ウエディング業界に興味のある高校生のなかには、大学か専門学校かで進路を迷っている人もいるかもしれない。
大学は、経営やマーケティング、プランニングを考える際に必要なアイデアの源泉となる教養や経験を幅広く身につけるという点が特徴で、今回のイベントでもそのことを実感した高校生が多かったようだ。
それぞれのメリットがあるので、よく考えて進路を決めよう。