かわいい・おしゃれを発信し届ける、“ガールズクリエイター”が活躍中!
インスタでかわいい写真やおしゃれなものを探している高校生のみんなの中には、将来、おしゃれを生み出すクリエイターに興味を持っている人もいるはず。
SNSでかわいいものをみつけられる今、イラストレーター、写真家、アーティストなど、新しいネットワークで作品を創造する若い世代の女性クリエイターが活躍する場がたくさんある。
女性クリエイターの新しい発想で、女の子が「好き」と共感するモノを生み出すガールズクリエイタープロジェクト「Re:LIKE!(リライク)」も、そのひとつ。
ドン・キホーテで発売して話題になったインスタ映えグッズの開発に、ガールズクリエイターの感性が生かされている。
そんな、ガールズクリエイタープロジェクト「Re:LIKE!」に参加したクリエイターの中から、イラストレーターitabamoeさんにお話を聞いてみた。
かわいいもの、おしゃれなものを生み出すお仕事には、どんな楽しさや苦労があるんだろう?
itabamoeさんがRe:LIKE!で手がけた紙皿、紙コップ、ランチョンマットなどのパーティーグッズを、自身のインスタグラムで告知した際のイラスト
文化服装学院卒業。
アパレルブランドのデザイナーとして3年ほど勤務した後、イラストレーターとして独立。雑誌、ウェブ、広告、グッズなど幅広い商材のイラストを手がける。
<<目次>>
ファッションデザイナーからイラストレーターという意外な経歴
ガールズクリエイタープロジェクト「Re:LIKE!」でも活躍中のイラストレーターitabamoeさん
実は、itabamoeさんの前職はファッションデザイナー。
服飾専門学校卒業後、アパレルメーカーに就職し、3年ほどアパレル業界で働いていた。
そんなitabamoeさんがイラストレーターを目指すには、いくつかの要因があったみたい!
多くのメーカーでは、その時の流行や売れ筋、競合ブランドの傾向をつかむための市場の分析が大事な仕事。
そのため、ファッションデザイナーだったitabamoeさんも、仕事で日常的にファッション雑誌をチェックしていたんだそう。
それがきっかけで、服のデザインだけでなく、誌面のデザインやイラストなどにも興味をもつようになっていった。
そのうち、商品自体のデザインだけでなく、商品に縫い付けるブランドタグや、ブランドのホームページなど、商品以外のデザインもやらせてほしいと上司に申し出て、業務時間外にこなしていたんだとか。
一方、本業のファッションデザインのほうはというと、理想と現実のギャップに苦戦していたと振り返る。
また、デザインが決まると、服の材料である生地、ファスナーやボタンなどの材料を仕入れるんですが、それらを発注するのに、売れ残らないよう計算し、たくさんの部署や上司の承認が必要だったりして…。
自分の好きなものや自分の個性を自由に追求してきた学生時代と違って、流行や利益を追求する社会とのギャップを感じるようになっていきました。利益を追求したり、売れるものを生み出すことはとっても大変なことだし、やりがいのあることだと思います。
でも、私には、大きな会社の中で働くよりも、個人でやっていくほうが性に合ってるなと思うようになっていったんです」
イラストレーターを目指してインスタグラムアカウントをひそかに開設!
ガールズクリエイタープロジェクトでも活躍中のイラストレーターitabamoeさん
そして、近い将来退職することを決意したitabamoeさんは、もともとイラストが得意だったことから、イラストレーターとして独立することを視野にある活動を始める。それは、イラストを描きためて、インスタグラムにアップすること。
そんな活動を始めて7カ月後、勤めていた会社に倒産のウワサが流れる。
itabamoeさんが入社してから3年の月日が流れたころだった。
少しの間、仕事をしなくても大丈夫なくらいの貯金があったitabamoeさんは、そのタイミングで、フリーランス(無所属)のイラストレーターとしてやっていく決意を固める。
インスタグラムをきっかけにイラストレーターデビュー
作品発表の場としてインスタグラムを活用!
転機になったのは、在職中から続けていた作品発表のインスタグラム。
当時、読者モデルやインスタグラマーとして注目を集めていたある人から、自身のスタイルブックにイラストを描いてほしいとダイレクトメッセージでオファーがあったのだ。それは、当時まったくの無名だったitabamoeさんにとって、初めての仕事の依頼。
そのスタイルブックが出版されると、いろいろな編集部から徐々に仕事の依頼がくるようになり、現在では雑誌をはじめ、ウェブ、広告、グッズ、商品パッケージなど、幅広いジャンルの依頼を受ける人気イラストレーターに。
でもなかなか手応えがなく、あまりたくさんの仕事には結びつきませんでした。
個人的に続けていたインスタグラムは、私が作品を持って会いに行った人数より、想像できないくらいたくさんの人の目に触れていたんだと感じました。
SNSが自分を売り込むツールになったんです」
イラストレーターとして初めてお仕事をしたるうこさんのスタイルブック「R RUKO IS ME.」
女性ファッション誌sweetの星占いの連載ページ。itabamoeさんお得意のおしゃれでセクシーな女の子。12星座の占いイラストは他誌でも起用されている
中学のころから服作り。服飾系の学校は、毎日楽しかった
幼いころからファッションに興味のあったitabamoeさんは、手芸や編み物などの創作も大好きだったそう。
そして中学生のころは、Zipperという個性派ファッション誌や、服飾系の専門学校生が主人公の漫画『ご近所物語』に影響を受け、高校生になると自分で作った服をネット販売するほどだったというから驚き!
夏休みは、服飾系と、美容系の学校のオープンキャンパスに参加して、授業の内容で服飾系に決めました。
実際入学してみたら、趣味の合う友達がたくさんできて、すごく楽しかったです。
よく、技能系の学校は課題が多くて大変って言われるけど、好きなことや興味のあることだから大変とは思わなかったですね。
実は、私は高校の先生に進路をすごく反対されたんです。
でも、本当に好きなことだったからちっとも苦にならなかった」
ガールズクリエイタープロジェクト「Re:LIKE!」でも活躍中のイラストレーターitabamoeさん
すべての経験が今につながっているから、遠まわりじゃなかった
専門学校を卒業してすぐにイラストレーターを目指していたら、そのぶん、早くイラストレーターとしてのキャリアを築くことができたかもしれない。
けれどitabamoeさんは、ファッションデザイナーとして働いた3年間がとても大事だったと振り返る。
それに、アパレル業界にいたことで、ファッションの流行や、女の子のファッションのいろんなテイストが自然と身についたので、髪型やファッションも含めて、いろんな女の子のタイプを描き分けることができていると思います。
それに、もっとさかのぼれば、服飾の専門学校で学んだデザイン画の勉強も、今のイラストの基礎になっていると思う。
どんな職業や経験も、無駄なことは何ひとつないと思います」
自分のイラストで人がよろこんでくれることが何よりのやりがい
イラストレーターの仕事は、オファーを受けると、発注者と打ち合せをしたり、イメージ資料をもらったりして、どんなイラストを描くのかをすり合わせるところから始まる。
簡単なイラストなら、電話やメールで打ち合せ、大きなプロジェクトの時や初対面の相手の場合、会って打ち合せをすることも。
その後、下絵の段階で一度提出して気になるところがあれば意見をもらい、修正して着色や本描き作業に進む。
下絵の提出の時には、よろこんでもらえるか、相手がイメージする内容になっているか、毎回、緊張するそう。その緊張感があるからこそ、発注者がイメージしていることや商材の特徴、消費者や読者の特性などまで想像し、より良い提案をするための努力を惜しまない。
だから、反応が良かった時には、本当にうれしいんですよ」
ロクシタン渋谷店ブーケ・ド・プロヴァンスがリニューアルした際に、渋谷店限定のハンドクリームのラベルやショッパーがitabamoeさんのイラストに!(数量限定のため、なくなり次第終了)
ドン・キホーテで販売しているガールズクリエイタープロジェクト「Re:LIKE!」の商品でイラストを担当。パーティーをテーマにしたかわいらしい世界観(現在は販売終了)
ゆうこすこと菅本裕子さんが手がけるスキンケアブランド「youange」の挿し絵を手がけることに。イラストは、記念に描いてインスタで発表したゆうこすの似顔絵
将来、イラストレーターになりたい人は、とにかく描くこと
大好きなファッションの世界からイラストレーターの道を切り開いたitabamoeさんは、なんのコネクションもないままフリーランスになり、みごと現在の活躍を手に入れた!
仕事がくる保証のない中で頑張れたのはなぜだったんだろう?
イラストレーターを目指し始めたころは、描きたいものや自分のテイストがわからないとか、いろいろ悩むことも多いんですけど、悩むひまがあったらとにかく描く!
描くことで見えてくるものがあります。
学生のうちは、好きなイラストの真似でもいいので、いろんな人の絵を見て、試行錯誤するうちに、自分の得意なことや自分の好きなことが見えてくると思いますよ」
悩むひまがあったらとにかくやってみる!
そして遠まわりは無駄じゃない!
将来の目標があってもそれに向かって突き進む時は、不安や疑問がつきもの。
けれど、itabamoeさんの言うように、いつからでもキャリアをスタートできるなら、自分の気持ちが本当なのか、焦らずじっくり考えて答えを出せるはず!
★★★ガールズクリエイター直伝! おしゃれ部屋アイデア★★★
最後に、itabamoeさんから、自分の部屋をちょっとだけかわいくするための簡単なアイデアを教えてもらったよ。
itabamoeさんの自宅の本棚
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Instagram :@itabamoe
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撮影:古本麻由未