真心こめて育てた野菜でみんなをハッピーに!農業ガールに注目!
美容にスポットをあてたレシピの発信や、安心・安全にこだわった野菜づくりなど、女性ならではの視点で農業を盛り上げる「農業ガール」が、今全国的に注目を集めている。
愛媛県松山市に住む三浦ひかりさんも農業ガールの一人。現在、愛媛の農業を全国に発信する「愛の葉(えのは)ガールズ」の一員として、ナスやケールなどの野菜を育てている。
■きっかけは「宝探しのようだったサツマイモ掘り」
三浦さんが農業と出合ったのは、中学2年生のころ。学校行事のサツマイモ掘りが運命を変えた。「土の中にあるイモを探し当てる、宝探しのような感覚が楽しかった」と振り返る。
一緒に作業した幼稚園児の生き生きとした姿、その姿を見守る農家の方の笑顔を見て「農業をやってみたい。自分が作った野菜をみんなに食べてもらって、喜んでもらいたい」と農業の道に進むことを決意。志望していた商業高校から農業高校へと進路を変えた。
農業の経験がまったくない三浦さんが、農業高校に進学。高校には、野菜・果樹・畜産などのコースがあったが、たくさんの種類の野菜を同時に育てることができ、種や苗から作ることのできる野菜を選択した。クワを使って土を掘り起こすことも、種をまくこともすべて初めての体験で、何もかも新鮮に感じた。
■「野菜のことを考えない日はない」ほど農業に夢中
高校卒業後の進路を考えたとき、真っ先に頭に浮かんだのが農業だったという。高校では先生のサポートがあって野菜を育てることができたけれど、一人ですべて育てる自信はなかった。「すべての作業を自分一人でできるようにしたい」と考え、愛媛県内にある農業大学校に進学した。
大学校では、トマトを育てるにあたり、畑の準備から苗植え、収穫、販売まで、一連の流れを学んだ。三浦さんは、「『甘くておいしいから』と私が作ったトマトを繰り返し買ってくださるリピーターのお客さまがいらっしゃって、ますます頑張ろうという気持ちになりました」と話す。
卒業後は、「美容・健康・美味しい」をテーマにした農業を展開する「hプロジェクト」に入社。ナスやケール、落花生などこれまで栽培したことのない野菜にチャレンジしている。農業に打ち込む気持ちは変わらず、仕事を終えて帰宅した後や、休みの日でも、「野菜は順調に育っているかな」と畑のことが気になってしまうほどだという。
今年、愛媛を直撃した台風では、ナスにキズが付き商品価値が下がるなどの被害があり、農業の厳しさも経験した。「作っている野菜は、私の大事な子ども。守ってあげたかったけれど、自然の前では無力だと感じた」とショックを受けた。しかしそれでも、「少しでも被害が少なくなるような方法はないかと考えたり、多くの人に食べてもらいやすい野菜を育てる技術を勉強したり、常に課題があるので楽しい」と話す。
将来は、農業に関心のない若い人たちにも農業の魅力を知ってもらいたいと意気込む。「太陽の下で適度に体を動かしていると、ストレスも感じない。それに、手をかけたらかけた分だけ野菜は応えてくれる。それが農業のおもしろいところ」。自分が愛情をこめて作った野菜が、食卓に並び、多くの人をハッピーにする。農業は、「幸せの芽を育てる職業」といえるかもしれない。
もっと知りたい人はコチラ→
◆お米や野菜などさまざまな作物を生産する【農業】
◆効率的な農業経営のため、農機具や農薬、肥料、種などの開発・研究を行い、技術指導や生産相談にのる【農業技術者・研究者】
◆農業に関わる理論と技術を研究し、環境保全に寄与する【農学】
◆生き物の行動や生態から、そのメカニズムを探る【生物学】
◆分子レベルで生命現象を解明する【バイオ・生命科学】
◆森林や水産生物資源の保護・育成、有効な利用法を研究する【森林科学・水産学】