「服が好き♡」なら必見! ファッション×マーケティングの仕事とは
「服が好き」「ファッション業界で働きたい」という人の仕事といえば、デザイナーやショップ店員が一般的。
でも、実は「ファッションビジネス」業界には、さまざまな仕事がある。「服が好き」という気持ちさえあれば、デザインやセンスに自信がなくても、ファッションを仕事にすることができる。
その夢を実現させてくれるキーワードが「ファッション×マーケティング」。
そこで、経営学部の中でファッションビジネスの講義を設ける東京成徳大学の織田晃客員教授と三枝康雄准教授に、「ファッションビジネス」の仕事について聞いてみた。
時代とともに、ファッション業界の職種が増えている
最近、ガウチョパンツやスカンツなど、ゆったりしたボトムスが人気だけど、その前はスキニーやスリムジーンズの時代が10年くらい続いていたとか。
ファッションは、毎シーズン流行が変わった時代から、3年、5年、10年サイクルへ、流行がゆっくりと変化する時代に。
さらに、海外の超有名ブランドでは半世紀以上も定番として続いているデザインがある。こうした「流行の変化が遅くなった」ことで、今、「服が売れない」という問題が起きているという。
「衣服は年間111万トン作られていますが、売れるのはわずか17万トン。実に毎年94万トンもの衣服が捨てられているのです。
食品・衣服・家電・家具などの消費財の中でも最も廃棄量の多いのが衣服。流行の変化が遅くなった、かつ若者の流行離れが、大量の衣服の売れ残りを引き起こしています。
そこで、ファッション業界では、安いプレタポルテ(既製服)の大量生産ではなく、クオリティーが高いオートクチュール(オーダーメイド)を競い始めています。
『良いもの』だけを作って売る。そのために、ファッション業界の職種も細分化されるようになってきました。
ただ、『デザインして』『作って』『売る』だけでなく、『どんな服が求められているか』というニーズを分析したり、新たな流行を発信したり、ブランドの宣伝をしたり、服を売るための『ファッションビジネスの仕掛け人』として、さまざまな職種が増えているのです」
(経営学部・織田晃客員教授/研究テーマ:ファッション近現代史・現代ファッションデザイナー論・ユニバーサルデザイン)
マーケティングを学べばファッションが仕事になる!
「服は大好きだけど、デザインなんてムリだし、かといってショップ店員も接客に自信がない」という人は多いのでは?
たしかに服が好きなだけでは仕事にならないが、「マーケティング」を学ぶことで、「ファッションビジネス」の仕事ができるようになるという。
「ファッションの世界に限らず、作れば売れていた時代から、現代は消費者の望むものを作らなければ売れない時代になっています。
当たり前と言えば当たり前の話です。最近は商品を購入する際に、環境保全や健康への影響、あるいは人権への配慮といった社会性を問う消費者も増えています。
例えばいくらデザインが良くて安い洋服であっても、環境汚染を引き起こしているような企業の製品は買いませんよね。これが現代のマーケティングにかかわる大きな流れで、消費者の価値観の多様化ということにも関連すると思います。
『どんな服が売れるのか?』『どうやって売ればいいのか?』、消費者のニーズやその変化を多くのデータから読み取り把握する。
消費者のニーズを分析できれば、例えば、アパレル商品の企画・開発から仕入れ、販売促進までトータルでコーディネートする『マーチャンダイザー』の仕事が目指せます。
ファッションが好きで、「どんな商品を」「いつ」「どこで」「どのように」提供すればよいかということに関心があれば、プロデューサーやプランナー、広報など、ファッション業界で活躍するさまざまな道がありますよ」
(経営学部・三枝康雄准教授/研究テーマ:マーケティング・地域経営)
実は奥が深い「ファッションビジネス」の業界。
「服が好き」という気持ちさえあれば、自分の得意分野を生かしたアプローチでファッションリーダーになれるかも。
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ファッション×マーケティングをはじめ、他にもファッションビジネスの仕事はこんなにある!
●流行を発信する仕事
アパレルマーチャンダイザー/ファッションバイヤー/ファッション雑誌記者・編集者/ファッションショープランナー/ファッションデザイナー/ファッションスタイリスト/ファッションプレス/ファッションコーディネーター
●ブランドを有名にする仕事
店舗開発・店舗プロデューサー/ファッションコーディネーター/ファッション雑誌記者・編集者/ファッションプレス
●ショップを人気店にする仕事
店舗開発・店舗プロデューサー/ファッションアドバイザー/アパレルマーチャンダイザー/ファッションバイヤー/ファッション店員・店長
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