「野菜ガール・牛ガール」が急増中!女子に人気の農学系に取材!

■近年、農学系学部が女子に人気!

 

近年、農学系の学部の志願者が増えている。特に女子の割合が増加。
「農学系」とひとくくりに言っても、最近は「食」「造園」「森林」「バイオ」「環境」などさまざまな学部が増えて裾野が広がり、将来の仕事に直結する勉強をしたいという女子に人気なのだ。

 

さらに、男の分野と思われていた「農業」「畜産」といった昔ながらの学部にも女子が進出中。作業も機械化されているし、昔のような泥くさいイメージはなく、男女の力の差によるハンデもほとんどないそうだ。

 

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■東京農大では学生の4割以上が女子


東京農業大学(私立・東京)でも学生の4割以上が女子。実はほとんどの総合大学と比べても女子の割合が高い。

「農学を学ぶ学生といえば昔は農家の跡取りというイメージでしたが、今はサラリーマン家庭など95%が農家とは関係ない学生たちです。卒業後は国家公務員の総合職や技術系公務員、食品関係や商社などへの就職も多いですね」

と、同大学戦略室室長の上田勉さん。なかには、農家の跡取り息子と恋愛をして、卒業後に結婚という女子学生もいるそうだ。
 
 
■野菜をこよなく愛する「野菜ガール」


さて、実際、東京農業大学で学んでいる女子に話を聞いてみると、自然や生き物が好きでこの道にという人も多い。応用生物科学部生物応用化学科4年の金子絵里さんもその一人。植物を愛でることがきっかけで農業に興味をもち、今では立派な「野菜ガール」になった。

「子どものときから、おばあちゃんの家の庭で植物の手入れを手伝うのが大好きで、農大への進学を決めました。1、2年のときは化学の授業が多くてちょっと大変でしたが、3年になったら農業実習や研究など、あこがれのフィールドワークに。作業着を着て体を動かして学ぶのは楽しいです」

 

金子さんが所属する研究室は「生産環境化学研究室(後藤逸男教授)」で、卒論のテーマは「バイオマス資源を活用した野菜栽培試験」。写真のように畑を10ブロックに分けた畑でさまざまなリサイクル肥料を与えチンゲンサイを栽培し、成長などを比較した。

 

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「栽培したのはチンゲンサイ。実際に栽培して初めて机上で学んだことが理解できます。例えば、葉が枯れた原因を突き止めることができたりすると、モヤモヤが晴れてスッキリ! 収穫は研究室の仲間にも手伝ってもらい連帯感も感じられたし、家族と一緒においしくいただいて、農業っていいなと実感できました」

就職は地元のJA(農協)に決定。仕事でも農業に携わっていきたいという夢がかなった。
 
 
■ 牛をこよなく愛する「牛ガール」
 

女子に人気の「食」に関する学問のなかでも、食の生産に近いところで学ぶのが「畜産」学。フィールドワークでは、写真のようにたくさんの「牛ガール」たちが広大な農場で、牛の世話をし、アイスクリーム作りなどの実習を行っている。こちらも、生殖・加工・流通といった畜産業だけでなく、遺伝子機能を追究したバイオテクノロジーなど動物生命科学全般まで学ぶ幅広い学問だ。

 

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とにかく取材をしてみて感じたのは、『農学』という学問の幅広さ。そして、キャンパスを歩いていて感じるのは、学生同士の仲がよく、みんなイキイキと学んでいるということ。東京・世田谷のキャンパスに畑や田んぼがあるというのも楽しい。ただし、「生き物」を扱う学問だから、まじめに通える学生じゃないと向かない。夏休み中もキャンパスには学生がいっぱいだそうだ。
 

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最近は、総合大学でも農学系の学部を増設する動きが加速。興味がある人はぜひチェックを。