防災が学べる学部・学科に注目!2014年度も新設学科が登場
●神戸学院大学が2014年度に「社会防災学科」を新設
この4月、神戸学院大学現代社会学部社会防災学科が開設される(同学部にはほかに現代社会学科もある)。
地震や自然災害、防災建築などについて専門的に研究する理系の学科はすでにたくさんあるが、この新学科は、社会学、心理学などさまざまな観点から防災や社会貢献について総合的・実践的に学ぶことができるのが特色。
例えば、「震災の経験をどう生かし、防災意識の向上に結び付けていくか?」「ボランティアを根付かせるにはどのような取り組みが必要か?」といった現実の社会にある問題について、実際に地域に入って考え、解決することができる人材を育てるのがねらいだ。
実は今、防災の分野で求められているのが、このような問題解決や新しい仕組み作りができる人材なのだ。
●行政、ビジネスなどの分野で防災への取り組みが活発化
東日本大震災による大きな被害は言うまでもなく、首都直下型地震・東海地震の脅威などで、人々の災害への意識が高まるなか、政府や自治体によるさまざまな防災対策、民間企業の防災ビジネス、NPO(非営利特定法人)による防災教育などの動きも活発化。そういった場で活躍できる専門知識・能力をもったスペシャリストへのニーズはどんどん広がっている。
そのため、「防災」を主なテーマとしている大学の学部・学科はここ数年の間に少しずつ増えてきている。
静岡県富士市にある常葉大学社会環境学部もその一つ。環境や防災について学ぶことができる学部で、「人と社会の安全を守るコース」では、防災教育、過去の災害から得た教訓の体系化、起こりうる危険の予測・分析やその結果を受けた対応などについて理解を深めることができる。
●文系・理系の分野を超えて幅広く学ぶのが防災系学部・学科の特色
大阪府高槻市にある関西大学安全社会学部は、法学、政治学、経済学、経営学、心理学、社会学、理学、情報学、工学、社会医学などを幅広く学んで、災害などの危険を防いだり、被害を最小限に抑えたりするための方法を考える学部。このようにさまざまな分野を横断して多角的・総合的に学ぶことが防災系学部・学科の特色だ。
ちなみに、防災の専門家育成は高校でも行われている。兵庫県立舞子高校は、普通科のほかに全国の高校で唯一の環境防災科を2002年に設置。阪神・淡路大震災の被災体験を未来に伝え、地域防災の担い手を育てるための教育に取り組み、全国的にも注目されている。
大学に話を戻すと、土木・建築など理系の分野でも幅広い観点から防災について研究する学部・学科が増加傾向。防災の専門家を育てる動きは今後も広がっていきそうだ。
東日本大震災や自分自身の災害ボランティア経験などを通して防災に関心をもつようになった高校生はきっと少なくないはず。興味が湧いたら関連する学部・学科について詳しく調べてみよう。