大学での海外留学、いつから、どんな準備が必要?
大学に入ったら海外留学をしてみたいと考えている人も多いのでは? 語学の習得はもちろん、グローバル化に伴い海外で学ぶことはこれまで以上に重要になってくるはず。ただひと言で“海外留学”といっても行先や期間も様々。どうやって準備を進めればいいのかなど分からないことが満載ですよね。そこで、留学ジャーナリストの若松さんに海外留学の最新事情と準備のポイントについて教えてもらいました!
「海外留学には大きく分けて、語学習得を主な目的とした短期留学と、海外大学進学を含めた長期留学があります。割合としては圧倒的に短期留学が多く、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏が人気です。ただ最近は、費用が安いアジア圏の注目も高まってきています。特に今、日本からの短期語学留学生が増えているのがフィリピン。フィリピンでは、クラス単位の授業ではなくマンツーマン指導が受けられるところがメインなので、短期集中で英語の習得をしたいなどと言う場合には検討してみるのもいいかもしれません」
なるほど! アジアで英語を習うというのは不思議な感じですが、限られた予算の中で効率よく勉強できるという意味では魅力的かも。さらに、若松さんのお話をもとにそれぞれの特徴と準備期間、予算についてまとめてみました。
短期留学
特徴:
夏休みなどを利用し、現地の語学学校に通いながら語学習得をメインに行く場合が多い。ホームステイで滞在する人が多いが、語学学校に寮などがある場合も。
準備期間:
3~4か月前から
予算の目安:
欧米1か月40万円~、アジア1か月25万円~(シーズン・為替等で変動あり)
長期留学
特徴:
日本の大学を休学し留学する場合が多いが、直接海外の大学に進学・編入する人も。語学習得ののち、心理学、経済学、演劇など興味のある専門分野を勉強する人が多い。滞在スタイルはホームステイ、寮、賃貸など期間や大学によって様々。
準備期間:
1年くらい前から
予算の目安:
アメリカ州立大学の場合、年間250~300万円
「ただ海外の大学への進学を希望する場合は、少し注意が必要です。留学先がアメリカ、カナダの場合は、入学時期こそ異なりますが日本とほぼ同じ教育制度なので、高校卒業すると大学の入学資格が得られます。それがイギリスやオーストラリアの場合は、日本の高校卒業では教育期間が不足しているので、専門のファウンデーションコースなどがある学校に通い勉強することが必要。また前者・後者ともにTOEFLやIELTSなどで、各国の決めた基準点を取る必要があります。海外進学の際はこれらをクリアしてはじめて、大学に願書を出すことができるのです」
このように期間も行先もたくさんの選択肢がある海外留学ですが、行先や学校はどのように選べばいいのでしょう?
「まずは、自分が“留学で何を叶えたいのか?”を考えてみてください。それは、勉強だけでなく『旅行で行った憧れの国に住んでみたい』『各国の人と友だちになりたい』など、何でもいいと思います。それを決めた上で、それが叶えられる国や期間を具体的に考えていきましょう。もしあなたが日本の大学に進学後に短期や長期の留学をしたいなら、大学の留学相談窓口でまず相談してみるのがよいでしょう。海外でやりたいことや今の語学力を踏まえて国や大学選びから手続きまで、様々な相談にのってもらえるはず。海外の大学に進学したい場合は、専門の留学エージェントに相談しましょう。エージェントやカウンセラーによって得意分野があったり、相性も重要ですので、いくつかのエージェントに話を聞いて絞り込むようにするのがおすすめです」
さらに若松さん曰く「今は海外に留学したい学生を応援する制度もたくさんありますので、上手に利用するといいと思います」とのこと。「文部科学省が行っている『トビタテ!留学JAPAN』をはじめ、各自治体が奨学金制度を設けている場合が多いので、調べてどんどん活用してほしいと思います」
たくさんの可能性が広がる海外留学。興味があれば一度ぜひ調べてみてくださいね。
取材協力
留学ジャーナリスト 若松千枝加さん
株式会社ウィッシュ・ウッド 代表取締役。女性のための留学ウェブマガジン「女子Ryu」(http://www.joshiryu.com/)の編集長。留学・ワーキングホリデーの社会への普及のため雑誌、ウェブサイトなどへ記事を寄稿するほか、留学カウンセラー育成のため日本認定留学カウンセラー協会で幹事として活動。