\フリーランス・自営業U29大調査/仕事選びの不安をワクワクに変えるポジチェン法
興味のある進路が見つかっても、「自分に向いているのかなぁ」「将来就職できる?就職した後も続けられる?」と、先のことをあれこれ考えてしまうJKDKも多いのでは?
そこで、企業などの組織に属さず独立して働くフリーランスや自営業など20代の社会人194名にアンケート調査を実施。
フリーランスや自営業といえば、魅力はやっぱり圧倒的に自由な働き方。でもそれと隣り合わせで大変さもある。
そんな「ピリ辛」な状況を社会人たちはどんなふうに乗り越えたか聞いてみたところ、先が見えない不安や、大変さがあったからこそ、奮起できた、今も前向きに仕事ができている、先が予想できないから頑張れる、といったポジティブチェンジ思考が判明。
社会人の先輩たちのアドバイスから、「将来の仕事を決める時のピリ辛不安をポジティブに乗り越えるヒント」をつかんで!
目次
フリーランス・自営業を選んだ理由は?
きっかけの5割は「好きなことを生かしたい」
フリーランスや自営業で働く社会人に、今の働き方を選んだ理由を聞くと、「好きなことや強みが生かせる」(49%)という声が半数近くに上った。
次に多かったのが「場所や時間、休みが自由」(37%)という声。組織に属さないからこそルールに縛られず働けるのはたしかに魅力。
また、仕事でうれしかった体験を聞いてみたところ、自分を直接評価してもらえるよろこびがあるよう。
「電車に乗らずに済む!好きなタイミングで生活リズムを作って作業できるときが幸せ。」(イラストレーター・Ylm・28歳・政治経済学部卒)
「会社に属していたら絶対に出会えなかったであろうあこがれの人と一緒に仕事ができました。」(WEBライター・n・26歳・英米文学専攻卒)
「お仕事をいただくたび、自分の仕事や人となりを見てもらっているのを実感できます。」(WEBデザイナー・かも・28歳・Webクリエイター科卒)
一方、収入が不安定、忙しくてパンクしても誰も助けてくれないなどといった、何かあっても一人でどうにかしないといけない辛さもある。
「フリーランスになりたてのころはまったく稼げなかった。収入が2万円という月もありました。」(WEBサイト運営・yumi・26歳・経済学部卒)
「自営業では当たり前のことですが、プロジェクトが重なり多忙になっても残業代はありません。」(エンジニア・アマミ・26歳・工学部生命環境化学科卒)
「作業量を自己管理しなければならないし、確定申告もある。作業が増えてプレッシャーです。」(編集者・きららん・28歳・医学部卒)
”ピリ辛な不安”をポジチェンする達人
良いところも、ちょっとピリ辛な部分も、両方を持ち合わせたフリーランスや自営業という働き方。
それでも頑張れるのはなぜ?と聞いてみたところ、ピリ辛な要素があるからこそ「先が読めないけれどワクワクしておもしろい」「緊張感があっていいかも」「さまざまな技術・知識が身につく」という声が多く聞かれた。
実際に、7割以上の人が「ピリ辛をポジチェンした」と回答。
不安などのピリ辛も、ポジティブに楽しんじゃう姿勢には、進路選びの不安を乗り越えるヒントがありそう。
それでは、仕事を選ぶときに抱えていた不安タイプ別に、“ピリ辛ポジチェン”の体験談を見てみよう。
"先が読めない…"のピリ辛ポジチェン法
みんなもその仕事を選ぶときに、「将来は大丈夫かな?」「ずっとその仕事で食べていけるのかな」などと考えてしまうことはない?
そんな「先が読めないピリ辛」を乗り越えた先輩のエピソードを見てみよう。
【Real Voice】\先が読めない…ピリ辛ポジチェン法/
Q どんなお仕事?
オリジナルデザインの服をネットショップで販売しています。
Q 仕事を選んだきっかけは?
自分のやりたかったこと、得意なことを迷いなく楽しめると思って。
Q 仕事を選ぶとき、どんな不安があった?
服のデザイン、制作、販売……自分でゼロからやっていくことなので、どれだけの需要があるか不安でした。
Q どんなふうにピリ辛ポジチェンした?
人生は人脈で成り立っていると思うので、人脈づくりを着々と続けて備えようと思った。
Qピリ辛ポジチェンしてよかったことは?
実際に一人の拡散力のある人に繋がったことで、仕事が大きく広がりました。
Q どんなお仕事?
ペット系のネットサイトで、犬に関する情報を執筆しています。
Q 仕事を選んだきっかけは?
子どもがおり、もともと体が弱いこともあって、自分で時間管理ができるフリーランスに。
Q 仕事を選ぶとき、どんな不安があった?
会社員のように毎月決まったお給料の保証がない。自分で売り込みをかけなければいけないことも不安。
Q どんなふうにピリ辛ポジチェンした?
とにかく頑張って場数を踏むうちに、徐々に腹をくくることができました。
Q ピリ辛ポジチェンしてよかったことは?
徐々にアピール方法が身についてきた。仕事に迷わず応募する勢いも出ました。
先が読めないからこそ、周りの人を大切にしたり、自分が先回りして動くことで、思いもよらなかった力が身についたりすることもあるんだね。
"責任は全部自分…"のピリ辛ポジチェン法
「あこがれるけど、難しそう」「自分にできるのかな」という不安がよぎることってない?
実はフリーランスや自営業の人たちも、組織に属さず働く分、プロとしての仕事が求められたり、トラブルが発生しても、自分一人で解決しなければいけないなど、プレッシャーや責任の重さを感じた経験が多い様子。
そんな「責任は全部自分」なピリ辛をどんなふうにポジチェンしたんだろう。
【Real Voice】\責任は全部自分…ピリ辛ポジチェン法/
Q どんなお仕事?
アニメ制作会社に、画面づくりの基盤となる絵を提供しています。
Q 仕事を選んだきっかけは?
一人で仕事をすることが好きなので、作業に集中できるのがいいです。
Q 仕事を選ぶとき、どんな不安があった?
ミスはないか、タブーを犯してないか。すべてに気を配らなくてはいけない重圧がハンパなかったです。
Q どんなふうにピリ辛ポジチェンした?
フリーランスの身で、仕事をしながら経験を積むことができるのはありがたいと考えました。
Q ピリ辛ポジチェンしてよかったことは?
同じ職種のフリーランスの先輩に基礎を教えてもらうことに。一人で挑戦する心構えや、相手の都合に合わせた仕事のしかたが身につきました。
Q どんなお仕事?
個人で経営をしているお店などに、経営や運営のアドバイスをしています。
Q 仕事を選んだきっかけは?
コンサルタントという職業は、自分の強みや好きなことを生かせると思って。
Q 仕事を選ぶとき、どんな不安があった?
お客さまのニーズに合わなかったらどうしよう。トラブル発生時に自力で解決できないかも。
Q どんなふうにピリ辛ポジチェンした?
それも経験。さまざまな人と交流して経験を重ねることで、技術や知識が身につくと、考えを切り替えました。
Q ピリ辛ポジチェンしてよかったことは?
お客さまからの信頼度が増しました。わからないことは、その分野の人に相談することもできるように。
責任の重さやプレッシャーにひるみそうになったら、経験を通して技術や知識が身につくから大丈夫、と切り替えることが一歩踏み出すコツになりそう。
そしてこの責任感が大きいからこそ、仕事での成長もきっと早いのかも。
"自己管理、ムリ…"なピリ辛ポジチェン法
「興味はあるけれど、大変そうな仕事。自分に続けられるのかな…」なんて不安、みんなも多いはず。
上司や先輩などがおらず、自分一人で自分を管理していく必要があるフリーランス・自営業の人も、仕事を始める前に同じような不安を抱えていたみたい。
そんな先輩たちのポジチェン法を見てみよう。
【Real Voice】"自己管理、ムリ…"なピリ辛ポジチェン法/
Q どんなお仕事?
音楽系の関係者に、音楽ビジネス関連の海外ニュースを提供しています。
Q 仕事を選んだきっかけは?
英語力を生かして、日本の音楽業界の知識レベル向上に役立つことができます。
Q 仕事を選ぶとき、どんな不安があった?
基本的に自宅作業なので、煮詰まることもありそう…。
Q どんなふうにピリ辛ポジチェンした?
常に最先端の知識を身につけようと意識するように。すぐに役立たなくてもいつか役に立つと思うようにした。
Q ピリ辛ポジチェンしてよかったことは?
新しい知識を取り入れることで、気持ちの切り替えがスムーズにできるようになりました。
Q どんなお仕事?
自分のサロンで、お客さまにネイルの施術をしています。
Q 仕事を選んだきっかけは?
自分の思い描いているコンセプトのお店作りがしたいと思ったからです。
Q 仕事を選ぶとき、どんな不安があった?
急な体調不良で予約に穴を空けてしまったら…と常に不安です。
Q どんなふうにピリ辛ポジチェンした?
自己管理をしっかりしなきゃといい意味で緊張感があると捉えるようにしました。
Q ピリ辛ポジチェンしてよかったことは?
自分でこなせるタスク量を見極め、予約をキャンセルすることなく仕事を続けられています。
自己管理はたしかに大変。
でもその分、情報収集に敏感になったり普段から緊張感をもって過ごすことでメリハリが生まれるなど、ポジティブな仕事につながる可能性があることを知っておくと、「あこがれの遠い仕事」が「目指したい仕事」に変わるかも⁉
まだまだある!仕事選びのピリ辛ポジチェン法
目標を決めて進むのは怖いけれど、その不安はのびしろでもある。
苦手なもの、足りないものを自覚しながら進んで、成功したときのアドレナリンはもはややみつき⁉
まだまだある「ピリ辛ポジチェン法」を見てみよう。
「毎月の収入が不安定になるが、自分が頑張った分だけ給料が上がるとポジティブ変換。」(ピアノ講師・まあこ・27歳・音楽学部ピアノ科卒)
「この仕事の出来が次の仕事につながるのだと、毎回試験のようなつもりで気持ちを引き締めています。」(校正者・えびまよ・28歳・文学部演劇学専修卒)
「人気作家にならない限り収入は不安定と聞いていましたが、トレンドの先読み力がつきそうでおもしろさを感じました。」(アクセサリーのネット販売・あかもも・29歳・服飾科卒)
「トラブルが起きたとしても、問題解決は勉強の機会だととらえています。」(エンジニア・さけまる・28歳・経営情報学部卒)
「売り先との交渉のしかたがつかめませんが、成功イメージで挑戦。失敗に終わっても自分の経験値になる。」(農業・ゆっち・27歳・生物資源科学部卒)
「実は接客が苦手。でも緊張感をもって自分を追い込んだときほど、真の力を発揮できると思う。」(飲食店経営・ユウスケ・26歳・調理師科卒)
「経理の知識が乏しく確定申告が不安でしたが、やるしかない状況にすればできることが増える!」(WEBライター・n・26歳・英米文学専攻卒)
ピリ辛ポジチェンするために!U29社会人からの応援メッセージ
「この仕事、おもしろそうだけど、自分に向いていないかも…」とブレーキをかけてしまいそうになったときこそ読んでほしい、先輩たちの応援メッセージ。自分らしい進路を決めるヒントにしてみて。
「まずは、やってみることが大事。問題が出てきても、一つひとつ解決していけば、必ず自分にとって何かしらの答えが出る。」(翻訳家・LHR19さん・29歳・国際教養学部卒)
「何事も経験と考え、わからないことはその分野の人に相談しよう!」(コンサルタント・まろさん・29歳・経営学部卒)
「思い切って踏み出してみると、新しいものが見えてくる。」(イラストレーター・1242・29歳・文学部卒)
「人の意見をたくさん聞いて不安な気持ちを解消する。あとは、自分で行動することが大事。不安な点は自分が納得するまで調べ尽くして、勇気を持って乗り越えて。」(ピアノ講師・まあこ・27歳・音楽学部ピアノ科卒)
興味のある仕事が本当に自分に向いているのか、続けられるのかという不安だけで、その仕事をあきらめてしまうのはもったいなさすぎる…!
フリーランスや自営業の先輩のように、ピリ辛ポジチェンでとりあえず動いてみるってとても大切。
一歩踏み出してみると、新しい情報が飛び込んできたり、近づくためのヒントを得られることもある。
自分の進路や適性について、頭で考えすぎたりぐるぐる迷ってしまったら"ピリ辛ポジチェン"を合言葉にしてみよう!
デザイン/桜田もも 構成・文/中尾美幸(本誌)
※記事内のデータとコメントは2021年3月に実施した社会人194名が回答したアンケート調査によるものです。