専門学校の奨学金制度。給付型とは?毎月いくら?JASOO、教育ローン等もまとめて解説!
専門学校も奨学金制度は使える?利用できるとしたら毎月いくら?返還不要なものはある?など、「専門学校の奨学金」についてのギモンはさまざま。そこで今回は、奨学金に関する著作もあるファイナンシャル・プランナーの竹下さくらさんに、「専門学校の奨学金」について聞いてみた。
専門学校への進学を考えている人はぜひチェックしてみよう。
目次
なごみFP事務所 竹下さくら
損害保険会社、生命保険会社を経て、1998年にファイナンシャル・プランナー(FP)として独立。
個人を対象としたライフプランニングや保険の見直し・住宅購入に関するコンサルティングを中心に、講師や執筆などでも活躍。千葉商科大学大学院会計ファイナンス研究科客員教授。
保有資格はCFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士など多数。
「著書に『緊急対応版「奨学金」上手な借り方新常識』(青春新書プレイブックス)、『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)、『親と子の夢をかなえる! “私立"を目指す家庭の教育資金の育てかた(共著)』(近代セールス社)など。」
奨学金とは?
奨学金とは、学習意欲や能力のある学生の学業を支援するため、貸与または給付されるお金や、その制度のこと。
学生が経済的なことを理由に学びたい気持ちをあきらめることがないよう、支援を目的につくられた制度で、国や地方公共団体のほか学校独自の制度など、さまざまな種類の奨学金がある。
なかでも代表的な機関であり、多くの専門学校生が利用しているのが、独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金。
JASSOの奨学金には、大きく分けて、返還の必要がない「給付型」と卒業後に返還が必要となる「貸与型」(利子ありor利子なし)がある。
専門学校にも奨学金制度って使えるの?
専門学校も大学などと同様に奨学金の利用は可能なことが多い。
公的な奨学金の利用で学費の負担を抑えたり、学校独自の奨学金制度によって学費そのものが安くなったりと、学力基準や家計基準などの条件をクリアしていれば大学と同じように奨学金を受けることができる。
家庭の収入などの条件が緩和されたほか、奨学金を受け取る高校生本人の現状の成績にとらわれず、進学先で学ぶ意欲があれば対象になり得ます。
内容としては、『給付型奨学金の支給』と『授業料・入学金の免除または減額』がセットになっているというのが大きなポイントです。
さらに、2024年4月に制度の改正が行われ、世帯年収600万円程度の層にも授業料減免などの支援が拡大されました。
その一つが理工農系支援。私立の理工農系に通う学生が対象となっており、専門学校生も対象に含まれます。
これは、私立学校の人文社会科学系などの授業料との差額に注目して、対象となる理工農系学部・学科において授業料などの減免が行われるという内容です。
2024年8月30日時点で1000以上の専門学校の学部・学科が対象となっていますので、理学・工学・農学を学びたい人にはぜひ注目してほしい制度です。
もう一つが子育て支援の観点から生まれた、扶養する子どもが3人以上の世帯を対象にしたもので、給付型奨学金と授業料等の減免を受けることができます。
また、2025年4月からは扶養する子どもが3人以上いる世帯は、所得制限なく、大学や専門学校などの授業料・入学金において国が定める一定額まで無償になります。
支援の対象となる要件を満たすかどうか、JASSOのホームページで調べることができるのでぜひチェックしてみてください」(竹下さん)
●理工農系学部学科の対象機関リスト(文部科学省)
●進学資金シミュレーター(JASSO)
専門学校の奨学金は毎月いくら?
専門学校の奨学金の毎月の金額は、利用する制度によってさまざま。例えば、JASSOの給付型奨学金では国公立の専門学校に進学する場合、自宅通学なら2万9200円、自宅外通学なら6万6700円が原則として毎月振り込まれる。
私立の専門学校は、自宅通学なら月額3万8300円、自宅外通学なら7万5800円。
世帯構成や収入などに基づいて決められる区分に応じて給付額が異なるが、この金額は第1区分(生活保護世帯ではない)の場合。
そのほか、同じJASSOの奨学金でも、貸与型奨学金の利子あり・なしでもそれぞれ毎月の金額が異なる。
一般的に奨学金は入学後にお金が支給されるので、入学前にまとまったお金を用意したい場合は教育ローンも視野に入れてみよう。
専門学校で利用できる支援制度の種類は?
国や地方公共団体のほか、学校独自の制度など、さまざまな種類の奨学金がある。また、奨学金は学生本人がお金を借りる一方で、保護者が借りる教育ローンという選択肢もある。
それぞれどんな特徴があるのか、主な支援制度を見ていこう。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)とは、文部科学省が管理する団体。多くの専門学校生が利用している奨学金なので、奨学金を検討するならまずチェックをしておきたい。
JASSOの奨学金には大きく分けて、返還の必要がない給付型と卒業後に返還が必要となる貸与型がある。
さらに貸与型には無利子の第一種と、利子が付く第二種の2タイプが用意されている。
利用するためには、学力基準や家計基準などの条件をクリアする必要がある。
給付型より貸与型のほうが収入の基準は緩やかで、第一種よりも第二種のほうがより緩やかになっている。
地方公共団体の奨学金
都道府県や市区町村が設けている奨学金。その地域の出身者、もしくは保護者がその地域に住んでいることが条件の一つになる場合が多い。
専門学校生が利用できるものは貸与型がほとんどだが、貸与型でも無利子タイプが多いようだ。
JASSOの奨学金とは併用できないことも多いので、今住んでいる地域に奨学金制度があるか、どんな条件かを調べてみよう。
民間団体の奨学金
民間企業や公益法人などが独自に設けている奨学金もある。給付型と貸与型があり、進学後に学校の窓口から申し込むケースのほか、自分で直接応募する場合も。
成績優秀者や特定の能力に長けた人を対象にした給付型の奨学金や無利子で貸与する奨学金もあるが、成績などの条件のハードルが高く、専門学校生向けのものは少ない傾向にある。
ただ、特定の学校や、医療系や福祉系など特定の分野を専攻する学生を対象にしたもの、ひとり親家庭を対象にしたものなどさまざまな種類があるので、応募条件に当てはまる奨学金があるかどうか、情報収集する価値は十分にある。
専門学校の奨学金
学校によっては、奨学生用の試験を受けてその成績結果によって奨学金が支給されたり、専門分野に関連した特定の資格をもっている人は授業料などの一定額が免除されたりする奨学金制度を設けている。ほかにも看護系の専門学校への進学を考えている人に注目してほしい情報も。
この制度は、在学中、月数万円の奨学金を受給できます。卒業後、指定の病院に勤務することにより返還免除になる場合も!
看護師を目指すなら、そうした制度も視野に入れておきたいところです」(竹下さん)
国の教育ローン
政府の金融機関である日本政策金融公庫の「国の教育ローン」。原則として、中学校卒業以上の人を対象にした修業年限6カ月以上の教育施設に進学・在学する場合に融資が受けられ、専門学校もその対象となる。
融資を受けることができるのは、世帯年収あるいは世帯所得が一定額を下回る世帯で、融資限度額は進学・在学する子ども1人あたり原則として350万円まで。
融資資金は進学・在学にあたって必要になるさまざまな費用に使うことができ、金利が低いのが特徴だ。
そのほか、地方銀行や労働金庫(ろうきん)などが取り扱っている民間の教育ローンもある。
多くの学生が利用する日本学生支援機構(JASSO)の奨学金とは?
専門学校生も多くの人が利用しているJASSOの奨学金。申し込みの仕方やどんな種類があるのか、毎月いくら利用できるのかなど、ここではJASSOの奨学金について詳しく説明していくよ。
JASSO奨学金の種類と申し込みの流れ
上で紹介したように、JASSOの奨学金には返還の必要がない給付型と卒業後に返還が必要となる貸与型があり、貸与型には無利子の第一種と利子が付く第二種の2タイプがある。また、申し込みの方法は、高校在学中に申し込む「予約採用」と、専門学校に進学してから申し込む「在学採用」の2種類。
もし、今の時点で奨学金が必要なことがわかっているのであれば、「予約採用」に申し込んでおきたい。
「予約採用」のスケジュールは高校3年生の4月ごろに説明会があり、4~6月に申し込みをするのが一般的。
「予約採用」は高校を通じて申し込みを行うため、高校によって説明会の時期や説明会後の申し込み期間は異なる。
早い段階で先生にスケジュールを確認しておくと安心だ。
意外と知らない人もいますが、すべて同時に申し込むことが可能ですし、仮にすべて申請が通ったとしても、不要な分は後からキャンセルすることができます。
貸与型より給付型、貸与型でも第二種より第一種のほうが絶対にいいですから、受かる確率が高いからという理由で最初から第二種に絞って申し込むのはもったいないですね」(竹下さん)
●進学資金シミュレーター(JASSO)
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「給付型、貸与型第一種・第二種は原則として併用もできます。
学費だけでなく生活費もかかるので、可能であれば、少し余裕をもった額を借りておくといいですね。
実際、申請が通ったとしても『こんなに借りる必要がない』とわかれば、入学後、進学届を出す際に、借りる金額を減額したり辞退したりすることもできます」(竹下さん)
給付型だけ、貸与型第一種だけでは足りないようであれば、給付型と貸与型第一種・第二種、貸与型第一種と第二種といった併用も検討しよう。
貸与型奨学金で毎月利用できる金額
貸与型奨学金を利用する場合、無利子の第一種なら毎月2万円~6万円、利子付きの第二種なら2万円~12万円までの貸与が受けられ、毎月いくら借りるかを申し込み時や進学時に選択することができる。無利子の場合は、国公立か私立、自宅通学者か自宅外通学者によって選択できる月額の設定が異なり、それぞれの最高月額の利用には定められている家計基準を満たす必要がある。
給付型奨学金で毎月利用できる金額
給付型奨学金で毎月利用できる金額は、国公立の専門学校に進学する場合は自宅通学なら2万9200円、自宅外通学なら6万6700円。私立の専門学校は、自宅通学なら月額3万8300円、自宅外通学なら7万5800円となっている。
給付奨学金は世帯年収に応じて4段階の基準で支援額が決まっており、この金額は第1区分(生活保護世帯ではない)の場合だ。
家族構成や共働きかどうかなどで収入の条件は変わってくるが、例えば、保護者A、保護者B、本人、中学生の4人家族で保護者Bが給与所得者の場合の年収目安を見てみよう(予約採用の給付奨学金の家計基準。年収の上限額はいずれも目安。世帯構成や障がい者の有無、各種保険料の支払い状況などにより変わる)。
・第2区分:保護者Aが242万円以下、保護者Bが155万円以下
・第3区分:保護者Aが320万円以下、保護者Bが155万円以下
・第4区分:保護者Aが587万円以下、保護者Bが155万円以下
区分ごとの給付型奨学金の支給金額は下記のとおり。
支給される月額は、第1区分を基準に、第2区分は約2/3、第3区分は約1/3、第4区分(扶養する子どもが3人以上いる世帯)は約1/4となっている。
第1区分に当てはまるなら、年額にすると国公立の場合は自宅通学なら約35万円、自宅外通学なら約80万円。
私立の場合は自宅通学なら約46万円、自宅外通学なら約91万円の支給が受けられることになる。
また、給付型奨学金の対象者は、専門学校の授業料と入学金の免除・減税も受けることができる。
入学金・授業料の減免額について、第1区分を例に見てみよう。
上限額は以下のとおり。
入学金・授業料の減免の上限額も給付型奨学金と同様に、第1区分を基準に、第2区分は約2/3、第3区分は約1/3、第4区分(扶養する子どもが3人以上いる世帯)は約1/4となる。
また、世帯年収が第4区分に当てはまり、対象となる私立の理工農系の学部・学科に通う学生には、私立の文系との授業料の差額分が給付される。
詳細は、JASSOのホームページで確認を。
兄弟姉妹の数や年齢などの家族構成や共働きかどうかといった条件によって変わってくるので、どの奨学金が対象になるのか、給付や貸与の金額はいくらになるかなど、JASSOのホームページのシミュレーターで確認してみよう。
●進学資金シミュレーター
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を利用する際の注意点
JASSOの奨学金についていろいろわかってきた一方で、利用する場合に気をつけることもきちんと確認しておこう。全ての専門学校が対象になるわけではない
専門学校生がJASSOの奨学金制度を利用するにあたり、気をつけたいのが、すべての専門学校が対象ではないということ。『高等教育の修学支援新制度』の対象機関となるための申請を行い、認定を受けた大学・短期大学の割合は94.9%であるのに対し、専門学校は78.3%(※)。
認定の条件が厳しく、専門学校は大学や短期大学に比べて対象となる学校数が限られているのです。
また、貸与型奨学金を利用する場合も、対象となる専門学校が決まっています。
そのため、専門学校への進学&奨学金の利用を検討するなら、まずは最初に、希望する専門学校が支援の対象となるかどうかを調べることが重要です。
せっかく学力基準や家計基準を満たしていたとしても、進学先の専門学校が対象校でなければ意味がありません。
まずは、JASSOの奨学金を利用できる専門学校かを確認し、対象校であれば学力基準や家計基準を自分が満たしているかチェックしていくようにしましょう」(竹下さん)
※参考:文部科学省「高等教育の修学支援新制度の対象機関数」
以下の一覧で対象校かどうか確認してみよう。
★給付型奨学金の対象となる学校一覧(文部科学省)
★貸与型奨学金の対象となる学校一覧(JASSO)
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「希望する専門学校が『高等教育の修学支援新制度』の対象校ではない場合、同じ分野の大学への進学を検討する選択肢も検討してみましょう。
給付型奨学金や『授業料・入学金の免除または減額』の対象外の専門学校へ進むより、奨学金を利用して対象校の大学に進学するほうが金額的に安くすむケースもあります。
先ほどお伝えしたように、大学であれば94.9%の学校が『高等教育の修学支援新制度』の対象です。
さらに、『授業料・入学金の免除または減額』に関しては、専門学校よりも大学のほうが上限額は高いのです」(竹下さん)
第1区分を例にとると上限額は以下のとおり。
専門学校と大学の上限額を比較すると、国公立では入学金は約21万円、授業料は約37万円、専門学校より大学のほうが高い。
私立でも入学金は約10万円、授業料は約11万円、大学の上限額のほうが高いことがわかる。
また、教育内容や設備などが充実している専門学校が増えており、1年目の学費(初年度納付金)においても専門学校と大学を比較してもどちらが高い・安いといったことが一概には言えなくなってきている。
すでに専門分野で学んでいる高校生の場合、その分野の大学で学校推薦型選抜が実施されているケースもあるので、視野を広げて大学入学にチャレンジする選択肢も考えてみてください」(竹下さん)
貸与型は返還計画次第では卒業後の生活に影響する
将来返還する義務のある貸与型の奨学金。就職後の生活が大変にならないよう、あらかじめ返還の計画をきちんと立てておこう。
また、社会人2年目からは住民税の納税も必要となるので、1年目よりも手取りが減ってしまうこともありがちです。
返還シミュレーションを使って、事前に毎月の返還額を把握して計画を立てておきたいですね。
返還に対して受け身でいると苦しくなってしまうものです。自分から情報を集めて行動するなど攻めの姿勢でいることも大切です」(竹下さん)
●奨学金貸与・返還シミュレーション(JASSO)
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「学生生活上継続して奨学金を必要とする場合には、貸与を受けている途中で月額を変えることができるので、実際に学校生活を始めてみてから、後々の負担を考えて適切な金額に変更することも可能です。
また、例えば、返還をしている期間に病気になったり、失業や被災をしたりして返還が難しい場合の救済制度も整っています。
利子のある第二種奨学金の場合、一定期間、毎月の返還額を減らす、または、先送りにするなどが可能です。
その分、返還期間が長くなったり、返還終了が遅くなったりしますが、利子は増えません。
つまり返還予定総額が変わらないということです」(竹下さん)
給付型は成績不振の場合、打ち切られることもある
給付型奨学金は、進学先できちんと勉強し続けていないと給付が打ち切られることも。
そのため、成績不振の場合は、奨学金の支給が打ち切られることもありますので、気をつけましょう」(竹下さん)
専門学校の支援制度についてのQ&A
専門学校に進学するうえで、奨学金に関しての気になる質問を集めてみたよ。
Q.専門学校生の何割が奨学金をもらっている?
JASSOの調査によると、専門学校生の60.6%、つまり約6割が奨学金を受給している(※)。この数字は、JASSOの奨学金(給付・貸与)とそれ以外の奨学金(給付・貸与)の両方を含んでおり、半数以上の人が何かしらの制度を利用しているほど、奨学金は身近な存在といえる。
実験や実習、設備が充実し、専門学校の年間の学費は私立大学とあまり変わらないこともあり、奨学金の利用は増加傾向にあるようだ。
※参考:日本学生支援機構 令和4年度専門学校生生活調査結果
Q.入学金など入学前に必要となる費用はどうする?
入学金、初年度授業料、実験・実習費、施設・設備費など、初年度納付金と呼ばれる入学1年目に支払う学費の納付締め切りは入学前。JASSOの奨学金を利用する場合、給付が始まるのは入学後であるため、奨学金を直接使うことはできないのだ。
専門学校によって初年度納付金を支払うタイミングは異なるが、合格発表が出てからだいたい1週間以内に支払うことが多い。
そのほか、受験料に加え、もし一人暮らしをするならその費用も入学前にかかることになる。
竹下さんによると、「入学前に必要になるお金をトータルすると少なくても130万円、多いと200万円を超えることもあります」とのこと。
そこで入学金など入学前に必要となる費用については、以下の利用を検討してみよう。
◆日本政策金融公庫の「国の教育ローン」
入学前に必要となる費用が心配であれば、まず検討したいのが、上でも紹介した「国の教育ローン」。
◆JASSOの入学時特別増額貸与奨学金
「国の教育ローン」の審査に落ちた時、次の手段として検討したいのがJASSOの入学時特別増額貸与奨学金。
こちらは日本政策金融公庫の『国の教育ローン』に落ちていることが利用条件の一つになっています。
そのため、JASSOの入学時特別増額貸与奨学金にまず申し込んだうえで、『国の教育ローン』にも申し込んでおくといいでしょう」(竹下さん)
そこで次に紹介する方法もあわせて検討しておきたい。
◆労働金庫(ろうきん)の入学時必要資金融資
このお金は入学時特別増額貸与奨学金が振り込まれたら、利子を付けてすぐに返すことになります」(竹下さん)
直前に焦ることがないように入学前に必要となる費用も早めにシミュレーションをし、「国の教育ローン」や入学時特別増額貸与奨学金を利用するほうがいいか、保護者ときちんと話し合っておこう。
●奨学金貸与・返還シミュレーション(JASSO)
Q.貸与型の奨学金の賢い返還方法は?
JASSOの貸与型奨学金を利用する場合、専門学校を卒業して貸与期間が終わったら分割で毎月返還しなくてはならないが、少しでも損することなく返還したいもの。そこで、例として利子のある第二種を利用する場合の賢い返還方法を竹下さんに教えてもらった。
就職先が早めに決まるのであれば、少し余裕が出てきたタイミングでアルバイトに励み、お金を貯めて3月中に一部もしくは全額をまとめて返還するという方法もおすすめです」
また、卒業後であっても、ボーナスなどを利用して一部でも繰上返還することで、トータルで支払う利子を減らし、返還期間を短くすることができるので、覚えておこう。
制度を上手に利用して希望の進学を叶えよう
2020年に給付型奨学金の条件が大幅に緩和され、さらに2024年にも対象が拡大されたように、国の「高等教育の修学支援新制度」は頻繁に改正が行われている。
また、奨学金は新設されることも多く、最新の情報を調べることが何より大切になる。
知っている人が得をすることになるので、奨学金の利用を検討するなら自分から積極的に情報を集めるようにしましょう」(竹下さん)
上手に利用して希望の進学を叶えよう。
※本原稿では奨学金を返すことを「返済」ではなく「返還」で統一して記載しています
※2024年11月時点での情報になります。
取材・文/ミューズ・コミュニティー 監修/なごみFP事務所 竹下さくら 構成/編集部
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