食費は35年前と同じ!? 大学生一人暮らしの生活実態調査
大学進学後に一人暮らしを始める場合、自分の家計の管理もし始めなければならないが、自宅で暮らす高校生にとってはなかなか想像しづらいもの。
そこで全国大学生活協同組合連合会(以下、大学生協連)が行った「第47回学生生活実態調査」の結果をチェックし、大学生の生活の実態をのぞいてみよう。
まず下宿生の1ヵ月の生活費(平均額)を見てみよう。
収入の合計は11万8900円で、支出合計は11万4760円。貯金・繰越額は1万290円となっており、うまくやりくりできている人が案外多いようだ。
ただ、収入のメインである仕送りや、奨学金、アルバイト収入は軒並み減少している。その結果、2011年の平均収入額は約12万円となり、この24年間で最低額を記録。長引く日本経済の低迷が学生の生活にも直接影響していることがわかる。
支出で注目したいのは、食費が年々減り続けていること。弁当を持参するなどして外食を控え、食費を抑えようとする学生が増えているためで、2011年の1ヵ月の食費は2万2590円に落ち込んでいる。この金額は1976年並みだという。
また、支出のメインとなる住居費は、住む地域によって差が出ることにも注目したい。
例えば最も高い地域は1都3県で、月の住居費は6万730円。かたや最も安い北海道では月4万7520円となっている。さらに、食費や交通費なども含めた1ヵ月の生活費をみると、1都3県は12万7770円で、北海道は10万3070円。その差額は年間で30万円近くにのぼる。
食費を切り詰めながら、限られた収入で上手に生活している今の大学生。志望大学を決める際にはその生活実態を参考にして、自分の収入見込み額や大学のある地域の支出額を調べ、検討材料のひとつにしてみては。
出典:全国大学生活協同組合連合会「第47回学生生活実態調査」(実施期間:2011年10~11月、対象:全国の国公立および私立大学の学部学生、回収数:8498)※表内の金額は平均値。