京大は一般教養科目の半数を英語化予定。英語で学ぶ大学が増加中

大学のグローバル化に向けた取り組みはここにきて急ピッチで進行中。そのうちの一つが、「英語による授業」の拡充だ。

 

グローバル教育を推進している大学では「英語を学ぶ授業」も当然充実させているが、それに留まらず、例えば経営学、会計学、心理学といった語学以外の科目も英語で講義する動きが広がってきている。

 

英語のみで卒業可能な大学としては、すべての授業を英語で行っている国際教養大学、上智大学国際教養学部、ほぼすべての授業を英語で行う早稲田大学国際教養学部、授業の8割を英語と日本語の2言語で開講している立命館アジア太平洋大学などが有名なところ。このほか、国際基督教大学も英語と日本語によるバイリンガリズムを重視した教育で知られる。英語による授業だけで学位が取得できるコースも年々増加傾向にある。

 

これらの大学・学部・学科・コースは積極的に留学生を受け入れているのが共通する特色。当然ながらネイティブの教員も多く、国際色豊かな教育環境が大きなウリとなっている。一般的には「もともと英語が好きで、グローバル感覚を磨きたいと考えている人のための大学」というイメージもあり、「英語は苦手だから…」と最初から敬遠している高校生もいるかもしれない。

 

しかし、ここに来て新しい流れも生まれている。文部科学省によれば、京都大学は、今後5年ほどの間に外国人教員を100人規模で新規採用し、1、2年生が履修する一般教養科目の約半数を英語で行うことを目指すという。特定のコースや一部の科目ではなく、一般教養科目にここまで英語による授業を取り入れるのは国立大学としては初。九州大学も学部の専任教員として外国人教員約30人の新規採用を推し進める。

 

京都大学の取り組みに関しては議論もあり、今後こうした動きが他大学にどこまで波及していくかは現段階では不透明。とはいえ、グローバル色の強い一部の大学、英語で学びたい一部の学生限定というイメージもあった「英語による授業」が、誰にとっても身近なものになっていく流れは今の社会背景を考えれば自然だ。大学に進学した以上、英語で学ぶのは当たり前という時代がすぐそこに来ているのかもしれない。