GLIM SPANKYから迷える高校生へ「ワイルド・サイドを行け」Part2
進路を決めたけど、それが正解なのか自信がない。
自分の進むべき道がなかなかみつからない。
そんな悩める高校生たちにGLIM SPANKYからのメッセージ第2弾。
原作者・尾田栄一郎さんが歌声にホレて激推したことから、映画『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌に大抜擢されたGLIM SPANKYの松尾レミさんと亀本寛貴さんの大学時代からメジャーデビューまでを聞いてみた。
デザインを学んだことがバンド活動に生かされた。
日本大学藝術学部デザイン学科に入学したレミさんは、どんな大学生活を送っていたのか?
「入学してすぐに、映画学科や演劇学科の学生たちがサークルとは別にイベントを企画する集団を発足させたんですよ。ダンスを披露したり、映画をつくったり、イベントをやりたい人たちが集まってくる中に私も加わって、歌を歌っていた。
そういう活動をすることで、他学科の友達がどんどん増えていったんです。この仲間たちは、私にとってかなり大事な存在。
例えば、インディーズ時代のCDジャケットは、写真学科の友達に撮影してもらって、自分でデザイン。バンド活動をしていくうえで、仲間と一緒に作りあげていったことは多く、それって日藝じゃなきゃできなかったこと。
卒業後いろいろな方面で活躍している友達とは今でも仲が良くて、たまに会って情報共有したり、語り合って、『一緒に頑張ろうね』なんて励まされることも。日藝に行ったからこそ今の自分があるって実感しますね」(レミさん)
大学で、音楽ではなくデザインを学んだことは、バンド活動にどう生かされたのか?
「それまでの私は油絵やアクリル画を描いていましたが、バンド活動に必要な美術は何だろうって考えたときに、絵画は『好き』ってだけでも描けるけど、デザインは理論や技法を身につけないと制作できないと思ったんです。
デザインの組み立て方、色彩の作り方、印刷所への入稿のしかたという実務的なことまで学べたことが、バンドのグッズ制作などに役立っています。
音楽や絵画は独学でも自分なりの表現ができればいいと思うけど、デザインは教えてもらわなければできなかったことが多かったので、私にとってはデザイン学科を選んで正解でした」(レミさん)
レミさんとは対照的に、大学は親との約束だと割りきって経済学部へ入学した亀本さん。
「親から普通の会社に就職するよう言われていたけど、4年以内に音楽で結果を出して認めてもらおうと決心。
『音楽で食っていけなかったら死ぬぞ』という気持ちで、退路を断って、必死でギターを弾き、曲を作っていました。絶対に音楽で生き残らなくちゃって状況だから、妥協できないですよね。
経済学部へ通って良かったと思うのは、いわゆる『普通の人』がたくさんいたこと。バンドやってる人って、偏った考え方が多いから(笑)。
でも、『有名になりたい』『たくさんの人の心に届く音楽をやりたい』と考えたとき、普通の価値観をもっている人はこう考えているし、普通の女子大生はこういう曲を聴いているんだなって、世間を知ることは大事だった。
大学の軽音サークルにも所属してましたが、アマチュアでバンドをやっている子とライブハウスに出ているバンドマンでは考え方が全然違う。
大学生としてバンド活動をしたからこそわかったことも多く、絶対必要な経験だったと思うので、そういう意味では大学へ行って良かったですね」(亀本さん)
大きな目標達成に向かって小さな目標を立ててきた。
インディーズ時代を経て、2014年の6月にメジャーデビュー。8月のツアーファイナルでは、初のワンマンライブでライブハウスを超満員に。
「私は中学2年から人生設計を紙に書いているんです。
地元でブルースマンをやっている人に『目標は紙に書くことが大事だよ。紙に書くと自分で気づくから』と言われて、中学3年から大学4年まで、一年単位の目標を書きました。大きな目標を定めると、今、自分が何をすればいいのか逆算できる。
今の自分に何が足りないのか、何をやるべきかって、小さな目標が作れる。もし目標計画がなかったら、自分は何をしたらいいんだろうって、ずっと悩みながら、ゆらゆらって感じに生きていたかも。
実は、その中学2年で立てた目標に『大学4年でメジャーデビュー』って書いたんです。書いたからには絶対やってやるって気持ちで、すべてそのとおりになりましたね。
今は5年計画を紙に書いてベッドの前に貼っています。大きな目標のための小さな目標を立てることで、ちゃんとそれを乗り越えてる自分ってのがわかる。
成長を実感できると目標達成に向かって突き進める糧になるので、ホント、オススメですよ」(レミさん)
やりたいことがあるなら、ワイルド・サイドを行け!
「日本語の楽曲で世界に打って出ること」という野望に向かって突き進んでいるGLIM SPANKY。アルバム「Next One」の中から、悩み多き高校生たちに1曲贈るとしたら?
「やはり『ワイルド・サイドを行け』ですね。
この歌には『決められた道を行くんじゃなくて、自分が行きたい方を定めて行けば、例え目の前が見えない道だとしても、想像できる未来よりも、もしかしたらもっと大きな未来が開けているかもしれない』というメッセージを込めているんです。
答えが見える道だけ行っても、おもしろくないし、見えるゴールしか待っていない。それよりも、自分がやりたいことに覚悟と責任をもって、ワイルド・サイドを突っ走ってほしい。
安全な道じゃなくてもドキドキする方を選ぶ。やらない後悔はしてほしくない。
ワイルド・サイドを行けば、自分が想像できないくらい大きなゴールが待っているかもしれない。その『かも』にかける情熱は、自分が生きていく糧になるってことを伝えたいですね。
私も高校生の時に『美術大学へ入って、音楽活動を続けたいです』と言ったら、大人たちに無理だと嘲笑された。
でも、誰に何を言われようと、どこ吹く風というか、私は、いろいろな人に届く曲を書いて、人を幸せにできる歌を歌いたい、って覚悟を決めて突き進んできましたから。
本当にやりたいことがあったら、それを貫き通せば、必ず何か答えが出ると信じています」(レミさん)
自分のやりたいことがみつからない、どうやって探せばいいのかわからないという高校生も多いのですが…。
「今はそれでもいいんじゃないかな。何かひとつのことをみつけて、それに向かって頑張ることだけが正しいとは限りませんよ。
いろいろなものを見て、聞いて、ふれて、知って、いろいろなところへ行ってみること。自分の将来を学生のうちに決めなきゃいけないってことはなくて、例えば40歳になって運命の道に出合う人もいます。
自分は何だってできるんだってくらいの心意気で、好きなものを探せばいいと思いますよ。学生のうちは、いろいろなことを自由に経験して吸収した自分の土台を広げることが勝負。
土台が広ければ広いほど、そこに積み上げていく柱は太く大きくなるから、好奇心をもって何でも挑戦してほしいですね」(亀本さん)
「それと『人とのつながり』も大事。
いろいろなところに顔を出したり、アルバイトをしたりして、違う高校や大学の子、いろいろな職業の人、大人とも話をして、たくさんの人とつながると、どこかに出会いが転がっているかもしれない。
5年後、10年後に一緒に仕事をすることになるかもしれない。まずは、たくさんの仲間が待っている学生生活を夢見て、受験を楽しんでほしいと思いますね」(レミさん)
夢がある人も、まだ先が見えない人も、自分で覚悟をもって決めたワイルド・サイドを行けば、きっと絶景の未来がまっているはず。
GLIM SPANKY
松尾レミ(ボーカル/ギター)&亀本寛貴(ギター)の男女二人組新世代ロックユニット。松尾レミの日本人離れしたハスキーな歌声が多くのクリエイターを夢中にさせ、数々の映画やアニメの主題歌を手がけたり、CMの歌唱を担当。映画『ONE PIECE FILM GOLD』主題歌『怒りをくれよ』、映画『少女』主題歌『闇に目を凝らせば』、NHK Eテレアニメ『境界のRINNE』第2シリーズエンディングテーマ『話をしよう』などが収録されたアルバム『Next One』が大好評。
GLIM SPANKY公式サイト
http://www.glimspanky.com/