大学の図書館に「新しい学びの場」が続々出現!

「ラーニングコモンズ」という言葉をご存じだろうか?
おもに図書館の中に新しく作られているスペースで、グループディスカッションやプレゼンテーション、話しながらの勉強、パソコンを使った勉強などができる総合的な学びの場のことを指す。

 

数年前から北米を中心に広がってきたが、日本でも最近急速に普及し、各大学で設置され始めている。「ラーニングコモンズ」の充実に力を入れているいくつかの大学を紹介しよう。

 

●テニスコート6面分の広い学習スペース―名古屋大学(2009年オープン)
グループディスカッションやプレゼンの練習ができるエリアは、人数や目的にあわせてホワイトボードや机、椅子を自由にレイアウトできる。無線LANの設備や66台の自由に使えるパソコンもうれしい。自分の学習スタイルに合ったエリアを選べ、大学院生スタッフによる幅広い学習支援が受けられる。

 

ラーニングコモンズ_名古屋大学

 
 
●大学院スタッフがきめ細かく学習を支援 ―上智大学(2009年オープン)
グループ学習席では、ホワイトボードを備え、ノートパソコンの持ち込みや、貸し出しも可能。プレゼンテーションエリアでは、スクリーンや電子黒板を利用できる。学習支援席では大学院スタッフが授業期間中の午後に常駐。「プレゼンの方法」「論文の書き方」「資料の探し方」まで幅広い相談にのってくれる。

 

ラーニングコモンズ_上智大学

 
 
●飲物片手にリラックスして学べるスペースも ― お茶の水女子大学(2007年オープン)
70台のパソコン、スキャナー機能つきカラープリンタを備え、ノートパソコンの持ち込みも可能な開放的な空間。隣接するキャリアカフェも注目。飲物の持ち込みOKで、リラックスした雰囲気で、少人数のグループ学習ができる。
ラーニングコモンズを開設する動きが増えている背景には、大学での学習スタイルや学習環境の変化がある。

 

今までは、先生に指定された課題図書を読んだり、レポートを書くなど、一人で完結する学習の仕方が一般的だった。しかし最近では仲間同士で話し合ったり、発表し合ったりする協同学習が広がっている。また本や雑誌だけでなく、インターネットを通じて情報収集することが多くなった。レポートを書く際も、ほとんどがパソコン。このためパソコンは学習に欠かせないツールとなっている。

 

こうした変化に対応して、図書館も変化させ、図書館を今まで以上に価値のある施設に再生させようとするねらいがあるのだ。

 

今までなら本や雑誌を探すなら図書館へ、
パソコンを使うならパソコンルームへ、
グループ学習やディスカッションをするなら教室や会議室へ…、

 

と別々の場所へ行かなければならなかった。それが1ヵ所にまとまり、格段に便利になった。

 

それだけでなく、開放的でリラックスした雰囲気のスペースが多いので、主体的に、クリエイティブに学ぶ意欲が高まる効果もありそうだ。

 

入学後、勉強を進めるうえで強い味方になってくれそうな、ラーニングコモンズ。志望大学にあるかどうかチェックしてみては?

 

●リクナビ進学「オープンキャンパスに行こう!」コーナー