【リーダー育成-第4回】「成長し続けられた」関西大学BLSP

今、全国各地の大学で、日本の将来を担う、新しいタイプのリーダーを育てようという気運が高まっている。

 

今回紹介するのは、そんな大学のリーダー育成プログラムの中の1つ、関西大学商学部の「ビジネスリーダー特別プログラム(以下BLSP:Business Leader Special Program)」だ。

 

BLSPは、少人数で勉強するなかで、自ら率先して行動する力をつけると同時に、TOEIC(R)800点以上の英語力をもつリーダーの育成を目指している。

 

■BLSPの参加者に、参加したきっかけを聞いた

堀口優太さん(23歳)は、志望校のひとつとして関西大学について調べていたとき、BLSPの存在を知った。「大学ではたくさんの経験を積み、成長したい」と考えていた堀口さんは、入学する前から「絶対このBLSPに挑戦しよう」と決めていたそうだ。

 

大学入学後、「英語だけでなく他の人がもっていない強みを身につけたい」と考えるようになり、留学を決意。交換留学制度を利用し、2年生の夏休みから、台湾に留学した。

 

通常、BLSPは2年次の秋学期に75名でスタートし、3年次に面接でさらに45名に絞られる。

 

しかし2年生の冬まで台湾に留学していた堀口さんは、現地からBSLPにかける熱い思いを志望理由書に託して送り、3年次からの受講を認められた。

 

■BLSPの活動の具体的な内容とは?

BLSPの活動の中心は、3年次の少数精鋭のゼミナール。

 

夏にアメリカ・シアトルのワシントン大学ビジネススクールで成果をプレゼンテーションするために、連日のように議論を繰り返し、研究を進める。これと並行して、週1回はゼミナール形式でビジネス英語を学び、英語でのプレゼンテーションに備える。

 

もちろんゼミのメンバー内でうまくいかないこともあったそうだ。その際、リーダーシップ論などの講義が役立ったという。

 

夏、無事にアメリカのシアトルにあるワシントン大学ビジネススクールとマイクロソフト本社で研究成果を発表し、現地の社員や学生とディスカッションしたことも印象深い。

 

「自分たちの研究がそれだけの価値があると誇りをもてました。大学生の段階で、研究が社会と結びつくイメージができたのは、BLSPのプログラムのおかげだと感謝しています」

 

■身につけた力は、社会人になっても生きている

現在は、大手ネット通販企業に就職し、コンサルタントとして働く堀口さん。担当する店舗の売り上げを上げるために、さまざまなアドバイスを行っている。

 

「今の仕事は、各店舗がどうすれば今より売り上げを上げられるかについて、仮説を立て、実行し、結果を検証し、新しい仕組みを作るというサイクルをできるだけ早く回すことが基本です。これはBLSP で学んだことそのもの。毎日のなかで鍛えられた思考力や実践力がそのまま生かせています。また、会社は英語を公用語としているため、頑張った英語も日常的に使っています」

 

大学で成長したいと考える高校生には、ぜひこうしたリーダー育成プログラムに挑戦してほしいと言う堀口さん。

 

「リスクを負わずにたくさん失敗し、たくさん成長するチャンスをもてるのは学生時代だけ。BLSPのように、ハイレベルな挑戦ができる環境に身を置けば、成長するチャンスは飛躍的に増えます。ぜひ学生時代だけの特権をフル活用してください」