意外と多い「大学→専門学校」の進路変更。その理由って?
高校生にとって、進路選択は悩みや迷いが尽きないもの。高校1年の段階と、3年の段階とでは、進路を考える真剣さにも進路に関する知識にも違いがある。途中で、当初考えていた進路を変える高校生もたくさんいるのだ。
そこで、今回注目したいのが、大学志望から専門学校志望に変更するパターン。リクルート進学総研が2013年度の進学者を対象に行った調査によると、最終的に専門学校に進学した人のうち、高校入学当初からずっと専門学校志望だった人は25.3%だった。
これに対して、最終的に専門学校に進学した人のうち、当初は大学志望だった人の割合は34.3%。つまり、3割以上が大学志望からの路線変更組というわけだ。そこで、気になるのがいつごろ、どんな理由で変更したのかということ。それぞれの調査結果を見てみよう。
●大学から専門学校への進路変更時期
高1前半 9.4%
高1後半 15.2%
高2前半 15.6%
高2後半 20.5%
高3前半 19.7%
高3後半 22.7%
※前半は夏休み後くらいまでを指す。
出典:「進学センサス2013」2013年7月
さすがに最終的な決断を迫られる高3の後半が最も多いものの、どこかの時期が突出している印象はない。高1の後半で早くも進路変更を決めている高校生も意外と少なくないのだ。
次に、進路変更した理由について。こちらは時期によって大きく違いが出る。高3の後半は、時期的に「自分の学力に合わせた」「大学などの受験の結果が不合格だった」といった理由が上位にきているが、それ以前は違う理由が上位。では、高1前半から高3前半まで、それぞれトップの変更理由を見てみよう。
●大学から専門学校へ進路変更した理由
高1前半 → 新しい分野に興味をもった 29.5%
仕事に役立つ知識や技術が身につくと思った 29.5%
高1後半 → 就職が有利になると思った 31.0%
高2前半 → 仕事に役立つ知識や技術が身につくと思った 38.4%
高2後半 → 仕事に役立つ知識や技術が身につくと思った 35.4%
高3前半 → 仕事に役立つ知識や技術が身につくと思った 37.0%
参考までに「大学志望→短大志望」に変更した人たちの理由も紹介しておこう。
●【参考】大学から短大へ進路変更した理由
高1前半 → 学生生活は短くていいと思った 30.4%
高1後半 → 自分の学力に合わせた 29.2%
高2前半 → 自分の学力に合わせた 27.3%
高2後半 → 経済的な事情があった 31.0%
高3前半 → 仕事に役立つ知識や技術が身につくと思った 28.1%
比べてみると、「大学志望→専門学校志望」の人たちの変更理由は、明らかに就職や仕事を強く意識していることがわかる。それも高1の早い時期からその傾向が強いのが特色だ。
この結果について、リクルート進学総研は次のように分析している。
「2008年のリーマンショックの影響で家計状況が厳しくなり、2010年以降大学進学率は低下。一方で、専門学校進学率は増加しています。専門学校を選んだ人たちは、将来の職業や業界と直結していることをメリットと感じており、不況のなかで専門学校への関心は高まる傾向にありますね」
実際、将来就きたい仕事や行きたい業界によっては専門学校進学が近道になる場合もある。今まで「専門学校は考えてなかった」というキミも、選択肢に加えてみてはどうだろうか?