小論文とは?構成と書き方。大学入試での出題傾向、必勝法をスタサプ講師が解説!

小論文とは、与えらえたテーマに対して自分の意見・主張を論理的に述べた文章のこと。

一つの模範解答のある問題を解くタイプの他の科目とはそもそも性質が違うので、小論文が苦手、どう対策すればいいのかよくわからないという人も多いのではないだろうか。

小論文の効果的な対策について、スタディサプリの小論文講師、小柴大輔先生に教えてもらおう。

教えてくれるのは
小柴大輔先生

小論文の書き方完全マニュアル!構成、ルール、注意点とは?模範解答&減点対象ダメ答案例文つき

Z会東大進学教室で講師を務めるほか、ロースクール(法科大学院)受験の予備校においても一般教養小論文を指導。

感覚ではなく論理的に答えを導く指導に定評があり、「現代文に対するイメージが変わった」と受験生から圧倒的な支持を集めている。

スタディサプリでは、現代文の他、小論文やAO・推薦対策講座を担当。
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小論文とは

小論文とは、設問に対して自分の意見・主張とその理由を論述する文章のことで、論理的、客観的に伝えることが求められる。

自分の気持ち、感想を伝える作文や感想文とは根本的に異なるので、まずはその違いを明確に理解しよう。

小論文と作文・感想文との違い

基本中の基本。小論文は作文・感想文とは違う!

小論文と作文を比較すると違いがわかりやすくなる

前述したように、小論文と作文・感想文の違いは、作文・感想文が自分の気持ちや感想を伝える文章であるのに対して、小論文が自分の意見・主張とその理由を論理的・客観的に伝える文章であるということ。

そのほかにもいろいろと相違点があるので以下のリストで確認しよう。

小論文 項目 作文
自分の意見や主張 伝える
内容
自分の体験やそれを通して感じたこと
根拠や理由を示し、論理的、客観的に伝えることが求められる 求められる要素 一般論ではなく、自分の気持ち、感想を伝えることが求められる
基本的には使用しない
(多少の比喩表現などであればOK)
文学的な
表現技法
効果的であれば使用してOK
序論・本論・結論で構成する 文章の
構成
読みやすさが第一。細かな制限はない
「だ・である」が基本 文体 「だ・である」でも「です・ます」でもOK。どちらかに統一すること

  

「作文・感想文と小論文の違いを理解しておくことは基本中の基本です。

よく言われることではあるのですが、小論文なのに作文・感想文を書いてしまう受験生は多いんです。

独りよがりな思いだけを書いても誰も説得することはできず、それでは小論文として成立しません」(小柴先生)

大学入試の種類による違い

一般選抜で小論文が課されるかどうかは大学による。

国公立大学では比較的小論文を課す大学が目立つが、私立大学で小論文を課すのは少数派。

また、小論文は文系学部で課されるというイメージをもっている人も多いかもしれないが、医学部などの理系学部でも小論文が課されるので注意。

一方、総合型選抜は学力試験の比重が小さい、あるいは課されないケースが多いので、思考力・表現力などを測るために小論文を課す大学が多く、配点の比重も高いことが多い。

学校推薦型選抜でも小論文が課されることが多いが、学校推薦型選抜の評価は評定平均など高校時代の実績の比重が高いこともあり、一般選抜や総合型選抜と比べると相対的に小論文の重要度は小さいといえるだろう。

大学入試における小論文の出題傾向

大学入試の小論文には、主に、短い文章で書くべきテーマが提示されるテーマ型、長めの課題文を読ませて解釈させる課題文読解型、グラフや図表などの資料を分析させる資料分析型がある。

課題文読解型と資料分析型が融合したタイプの設問もある。

課題文読解型では、課題文の要約が求められるケースも多い。
「また、設問で提示されたテーマに関して、『賛成・反対の立場を明示して論じなさい』『反対の立場から論じなさい』『擁護論と批判論の両方を論じなさい』といった条件が設けられていることもあります」(小柴先生)
大学・学部ごとに出題傾向は例年踏襲されることが多いので、過去問の入手が可能な場合はしっかり確認しておきたい。

なお、一部の医学部などでは、写真を見て感じるところを書くといったユニークな出題をするところもあるので要注意。

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学校ごとの詳しい資料を取り寄せる

小論文で重要な「意見」とは

小論文で求められる「意見」は持論や思想とは違う

※小論文を書くのに大切な「意見」について理解しよう

小論文では意見を述べること、つまり、何を言いたいのか、主張が明確であることは必須だ。

小論文を書き始める前に、まずこの「意見」について理解を深めよう。

「意見」というと、出題されたテーマに賛成しないといけないのでは?と考える人もいるかもしれないが、そうではない。

なぜなら、賛成か反対かなど意見の方向が評価されるわけではないからだ。

小柴先生は次のように話す。
「注意してほしいのは、賛成か反対かなど意見の方向が評価されるわけではないということです。

採点者は自分と同じ意見だから得点を与えるわけではなく、どのような意見であれ、その意見に説得力があるかどうかどうかを見ています。

いくら意見としては正しそうに見えても、根拠が薄弱であれば評価はされません。

意見・主張に説得力を高めるには具体的な事実やデータ、考えられる反論などを盛り込み、文章に客観性をもたせているかどうかは重要な評価ポイントですね。

また、意見というと、自分の中にある『揺るぎない持論』を披露しないといけないと思い込んでいる受験生もいますが、そんなことはありません。

そもそも、課題文に対して賛成・反対の両方の立場から論じさせる設問だってありますから。

自分の本心とは違う意見を書くことだってあるのです」(小柴先生)
要するに、問われているのは、その人の本質的な考え方や思想ではなく、初めて見るテーマについても臨機応変に論理展開できる柔軟な思考力というわけだ。
ちなみに、意見と感想の違いがよくわからないという人もいるかもしれない。

感想とは、自分の中の「好き/嫌い」で終わってしまうもの、一方、意見とは自分の感情とは別に、論理的な根拠とともに主張されるものだ。

例えば、「とてもおいしいから納豆が大好きだ。だから毎日食べたい」は感想(あるいは自分の感情・感覚だけに基づいた考え)。

これに対して、「納豆には必須アミノ酸がバランス良く含まれており、人々の健康増進に貢献することが科学的にも証明されている。

だから、積極的に摂取すべき食物の一つである」は意見。

なお、後者の「意見」は、実は納豆が嫌いな人が書いている場合だってあるし、それでもまったく問題ないというわけだ。

また、一口に「意見」といってもいくつか種類がある。

分類すると次の通り。

①問題発見、問題の指摘
②問題の分析
③問題解決、対策案の提示
④希望や価値、可能性、重要性の指摘


例えば、少子高齢化や地球温暖化などの社会問題について意見を述べる場合、受験生は、つい対策まで書かなければいけないと考えがちだ。

しかし、このような複雑な問題に対して、限られた時間、文字量で説得力があるレベルの対策を提案するのは、受験生にとっては至難の業。
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小論文の基本的な構成

小論文の基本的な構成

※小論文の基本的な構成をおさえよう

小論文では、相手を説得するためのわかりやすい「構成」も重要となる。

基本的な流れは、「序論→本論→結論」という形式で、文章が論理的に「構成」されていることが欠かせない要素となる。

STEP1:序論を書く

なかでも重要なのが序論だ。
「序論では、自分の立場・関心・目の付け所を明らかにするのがポイントです。

2~3行の序論形成がしっかりできていると、小論文の方向性が決まりますから、書く側も書き進めやすいし、読む側にとってもわかりやすい文章になります」(小柴先生)
なお、意見は「結論」で書くものと思っている人も多いはずだが、実は「序論」で早々に意見を書いてしまってもまったく問題ない。

STEP2:本論を書く

本論は自分の意見に対する理由や根拠を中心に展開する。

根拠として使えるのが統計データ。

数字で裏付けることにより、意見の説得力はグンと高まる。

ただし、課題文や図表から引用する場合を除けば、数字を覚えておく必要があるので、受験生にとってややハードルは高め。

あくまでできる範囲で盛り込めばOKだ。

より意識してほしいのが、文中で自分の意見に対する反論を示して、それを乗り越えること。
「これは小論文を書くうえで非常に重要なポイントなんです。

どんな意見にも反対意見はあります。

文中で反対意見を明示し、比較上自分側の意見の方がより重要である、あるいは反論側にはこんな大きな問題があるなどを指摘することで、説得力が大きくアップします。

もう一人の自分とディベートするイメージですね」(小柴先生)
本論を書く

STEP3:結論を書く

結論で全体を締めくくる役割をする。

しかし、小柴先生によれば、意外にも「結論」はそこまで重視しなくてもいいのだとか。
「序論で書いた意見の繰り返しになる場合もありますし、時間切れで結論まで書けないケースもありますからね。

結論は省いて、序論→本論という構成にしてしまっても、実は問題ないんです」(小柴先生)
小論文の書き方を詳しく学びたいなら

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序論、本論、結論の書き方についてより詳しく解説されているので、基礎に不安がある人は必ずチェックしよう。
 
模範答案と減点対象の答案が比較して解説されているので、合格に必要なレベルの答案とはどんなのか理解しやすいはず!

小論文のどんなところが見られる?評価基準

小論文の評価は、通常、「理解力」「構成力」「発想力」「表現力」の4つが重視される。

理解力とは、設問や課題文、資料の内容を正しく理解できているかどうか、構成力とは、序論→本論→結論の構成がしっかりとできているかどうか、発想力とは自分なりの意見がしっかりと示されているか、表現力とは、正しい日本語表現で記述されているかどうかということだ。

それらを踏まえ、重要な評価基準となるものを3つ紹介しよう。

序論→本論→結論の構成がしっかりとできているか

「構成力」「発想力」に関わるポイントとしては、以下のようなものがある。
「序論、本論、結論がきちんと段落分けされていて、各段落の役割が明瞭であることは大きな加点要素になりますね」(小柴先生)
前述のように鍵を握るのは序論。

序論でその小論文の方向性をしっかり提示できているかが問われることを意識しよう。

なお、序論で結論まで言ってしまっている場合は、最後の結論がなくても減点にはならない。

設問の趣旨にしっかりと答えているか

「理解力」に関わるポイントと重要なのは、設問の趣旨にしっかりと答えているかどうか。
「どんなに立派な意見でも、設問条件を満たしていないと大幅減点は免れないので要注意です。

例えば、『Aという問題について、賛成の立場から論じなさい』という設問条件に対して、『いや、自分は反対なので、その立場から論じたい』というのはNG。

問われているのは、自分の持論や思想ではなく、あくまで設問条件に応える柔軟な思考力なのです」(小柴先生)

誤字・脱字、表現の誤用などがないか

「表現力」に関わる部分では、誤字・脱字や表現の誤用などは一つ一つが減点対象になる。

例えば、本来は否定的な表現で使う「美辞麗句」という言葉を肯定的な意味で使う、あるいは、「汚名挽回」(正しくは汚名返上)など間違った表現を使うといったミスで減点を重ねるのは避けたいところ。

自信がなければ無理して難しい表現を使わないほうが無難だ。

<小論文の評価基準チェックリスト>

小論文の評価基準について、主なものは前述した通りであるが、それ以外にも細かな評価基準が存在する。

ここでは、それらをまとめて紹介するので、推敲の際になどに活用してほしい。

表記・表現に関する評価基準

文字量

・規定の文字量を満たしているか。

規定の8割以上を満たしていれば問題なし。
8割より多少少ない程度なら問題なし。

大幅に少ない(5割程度など)場合は大幅減点の可能性あり。

文体

・「だ・である」に統一されているか。

「です・ます」が混在していると小幅減点。

表現

・「話し言葉」「略字」「漢字間違い」「誤字・脱字」「ら抜き言葉」などがないか。

それぞれ小幅減点の対象となる。

文字の
丁寧さ

・読みやすいきれいな文字で書かれているか。

判読が難しいほど極端に汚い字などは大幅減点の可能性あり。

主語
・
述語

・文章の主語・述語が明確か。

主語・述語が不明確な文が多いと、トータルな表現力の評価で大幅減点の可能性あり。

文の長さ

・一文が長すぎないか。

読みにくさや主語・述語関係の不明確さにつながる場合、大幅減点の可能性あり。

原稿用紙の
使い方

・段落の冒頭で一マス空けるなど、基本ルールが守られているか。

小幅減点の可能性あり。

指定外の記述

・指定されていないのに本文スペースにタイトルや名前を記入していないか。

小幅減点の可能性あり。

全体に関する評価基準

答案の
趣旨

・設問の趣旨にきちんと応えているか。

例えば、「課題文に対して反論しなさい」という出題に対して、答案が反論になっていない場合などは大幅減点。

意見

・全体を通して一貫した自分の意見・主張を展開できているか。

何が言いたいのかわからない場合、一般論なのか自分の意見なのかが不明瞭な場合、論文としての妥当性を欠く暴論などは大幅減点。

構成

・序論・本論・結論が明確に段落分けされているか。

各段落の役割が不明瞭な場合、序論が明確でない場合などは大幅減点。

論理性
・
客観性

・意見・主張に対する根拠や理由が示されているか。

意見・主張だけで裏付けとなる客観的事実や統計データ、または考えられる反論などが盛り込まれていない場合は大幅減点。

基礎教養

・受験する学部の学問に関する基礎教養があるか。

その学部を志望するなら当然知っているべき基礎知識、あるいは社会常識と言えるレベルの知識がないことが読み取れてしまうと減点対象。

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小論文の対策・必勝法は?

小論文の対策・必勝法は?

※小論文はトレーニングを重ねることで上達する

小論文の対策で重要なのは、実際に書いて添削してもらうトレーニングを重ねること。

また、現代文用語集を使って語彙力を増やすこと、よい評論に数多く触れることなども大切だ。

とにかく書くトレーニングが大切

小論文は、いくら書き方やポイントを理解しても、実際に書くトレーニングを重ねないと実力は上がらない。

志望大学の過去問、あるいは似たような出題傾向の大学・学部の過去問を中心に、とにかく書いてみることが大切だ。
「その際に重要なのが、規定の文字数で書くことはもちろん、実際の試験時間に合わせて時間内で書くこと。

全体の構想を練るためにどのくらい時間をかけられるか、800字、1000字といった文字数の文章を原稿用紙に書くのにどのくらい時間がかかるかを体感で理解しておくと、本番で」慌てることがなくなります」(小柴先生)
また、書いた答案は高校や予備校の先生などに読んでもらい、添削してもらうことが大切。

構成のわかりにくさや表現ミスなど指摘されたことをそのつど修正していけば、自分の苦手な部分もよく理解でき、全体のクオリティも上がっていく。

語彙力を高めることで思考力もアップ!

小論文に求められる思考力を高めるために有効なことの一つは語彙力の強化。
なぜ語彙力が重要かというと、『最初に思考があって、後からふさわしい言葉を探す』こともありますが、『言葉で思考する』『言葉が先導して思考が進む』ということもあるからです。

例えば、『実証』『反証』『体系化』『パラダイム』などの言葉を知ることではじめて開かれる知的世界があります。

具体的には、現代文用語集を買って、一日5分、歯磨きする習慣と同じように、評論用語を仕入れるのが有効です」(小柴先生)
現代文用語集はいくつかの出版社から出ているが、小柴先生も『読み解くための現代文単語〔評論・小説〕改訂版』(文英堂)を出している。

モデルになるよい文章を読む

モデルになるよい文章を読むことはきわめて重要。
「大切なのは小論文のモデルになる素材かどうかということ。

読む素材として、新聞の記事や社説、『天声人語』などの巻頭エッセイは、時事ネタとして現代社会を知る素材としては有効ですが、論文のモデルではありません。

新聞で役立つのは、大学教授などが寄稿した文章です」(小柴先生)
そのほか、高校によっては副読本や補助教材にも採用されている『高校生のための批評入門』(筑摩書房)などもオススメ。

1本あたり3ページ、50本の評論が収録されており、テーマや筆者の専門範囲も広範(基本的に大学教授・研究者が筆者)で、図や写真も多く、語句解説もついている。

興味がもてそうなところから拾い読みができるのもいい。
「現代文問題集を良質な文章素材として読むのも有効です。

設問に解答して終わりではなく、内容と文の進め方を意識して読むこと、筆者は何と何を対比して自説を述べようとしているのか意識することが大切です」(小柴先生)
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小論文についてよくあるQ&A

小論文についてよくあるQ&A

※小論文についてみんなが疑問にもつことを小柴先生に答えてもらった

最後に、ここまで触れてきたこと以外で、よくある小論文のギモンをピックアップ。

Q&A形式でまとめて紹介しよう。

Q.小論文と論文の違いは?

A. 小論文は入試などに採用される800字以内、1000字以内などの文字数制限がある短い論文で、決められた時間内に何も見ないで書くのが基本。

一方、大学の卒業論文などの学術論文は、文字数の制限はなく、資料や文献を参照しながら、研究テーマに関する独自の見解を表明するもの。

必要なデータに関しては、自分で調査・収集・分析することも多い。

Q.書き出しが思いつきません。どうしたらいい?

A. 序論では、2~3行の短い文章で、その小論文の方向性を明確に示すことがポイント。

よい答案の書き出しの文例をいくつも読み込んで、序論のパターンを頭に叩き込もう。

より詳細なアドバイスや文例は以下のリンクを参考に!

Q.学部によって出題内容や出題されるテーマに違いはあるの?

A.  学部に合わせて出題される内容やテーマに違いがある。

経済学部なら経済、国際教養学部なら国際情勢や国際関係など、学部の内容に関するテーマが出題されることも多いので、志望学部に関連する基礎的な教養や時事的な知識はしっかり身につけておきたい。

そのほか、学部系統ごとの詳細な解説は以下のリンクから!
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取材・文/伊藤敬太郎 監修/小柴大輔 構成/寺崎彩乃(本誌)※2024年10月更新
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