勉強のやる気を出す方法12選!やる気の前にまず行動!すぐに試せる方法を専門家に聞きました

勉強しなければならないのに、やる気が出ない、集中力が続かない…。

高校生なら誰もが悩んだことがあるのでは?

ここでは編集部が高校生のみんなに聞いた「勉強のやる気が出ない・続かない」原因と理由、やる気が出る名言を紹介。

さらに言語学が専門で心理学や脳科学などにも精通する堀田秀吾先生に、勉強したくないときにすぐに試せる、やる気をコントロールする方法を聞いた。

参考にして、切実な悩みから解放されよう!

【今回教えてくれたのは…】

堀田秀吾(ほったしゅうご)先生

明治大学法学部教授。シカゴ大学言語学部修了(言語学博士)。

ヨーク大学修士課程修了(法学修士)・同博士課程単位取得退学。

専門は社会言語学、理論言語学、心理言語学、法言語学、コミュニケーション論。

言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学から脳科学まで、さまざまな分野を融合した研究を展開。

熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。

テレビ番組『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)の元レギュラーコメンテーター、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)などにも出演。

著書に『科学的に自分を思い通りに動かす セルフコントロール大全 』(ディスカバー)『図解ストレス解消大全』(SBクリエイティブ)、『科学的に元気になる方法集めました』(文響社)、など34冊、累計64万部。WEB連載も多数。

高校生に聞いた勉強するやる気が出ない、続かない理由・原因

はじめに、高校生のみんながどんなときにやる気が出ないのか、リアルな声を聞いてみよう。

・スマホやテレビなど、誘惑があるとき(みゅな  高校2 女子・東京都 )

・苦手な教科を勉強するとき(一升瓶 高校 3 女子・東京都)

・悩み事があるとき(あや  高校1 女子・滋賀県)

・学校行事が詰まっているとき(stars5  高校1 男子・福岡県)

・いろいろ頑張って工夫しても結果に繋がらないとき(みぃな 高校3 女子・東京都)

・家で勉強しているとき(テテペン 高校2 女子・東京都)

・部活が忙しくて疲れているとき(もりち 高校1 男子・新潟県)

・お腹が空いているとき、糖分を欲しているとき(ぱせり 高校2 女子・宮城県)

・雨が降っているとき(Nozomi 高校2女子・福岡県)

・いつも(カメレオン  高校1 男子・青森県)

勉強のやる気を引き出す【環境設定】をアドバイス

みんながやる気が出ないのは、人それぞれの理由によるようだ。

毎日の生活では学校だけでない。なにかと予定があったり、元気がなかったりするときもある。

そんななかでもしっかりと勉強を進める方法は?

まずは「環境作り」から


勉強しようと思っていてもなかなかやる気が出ず、そんな自分を責めてしまう。

そんなことの繰り返しに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

しかし実は、驚くべきことに人間という生き物は、それほど自分自身の意志で行動を決定しているわけではありません。

人間は環境と状況に合わせて、最小限の力でラクをして生きようとする生き物で、その限定的な選択をあたかも自分の意思決定と錯覚しているのです。

ですから勉強のやる気が出ないのは皆さんの意志が弱いからではなく、やる気を引き出す環境作りができていないということになります。

この環境作りでおすすめの方法は、勉強をするしかない状況を作り出すこと。

部屋に勉強道具以外は置かない、スマホは家族に預けるなどして遠ざける、塾や自習室、カフェなど人目がある環境に身を置くなどいろいろな方法がありますね。

また、部屋を勉強がしたくなるような空間にするのもおすすめです。

早稲田大学の斎藤らの研究によれば自分の好きな香りに囲まれているとやる気が出るという研究があります。

ですから好きな香りのアロマを焚いたり、ルームフレグランスを置いたりして、部屋を居心地のいい空間にしてみるのもいいでしょう。

勉強するしかない、勉強したくなるような環境を試行錯誤して見つけることが大切です。(堀田先生)
なんと、やる気が出ないのは意志が弱いせいではない!

そうとわかったら、さっそく環境作りを始めよう。

SNSやゲームが気になる人は、勉強部屋から遠ざけたり、香りやインテリアを工夫するなどして部屋を勉強したくなる空間にしよう。


※自分にとっての良い環境が勉強のやる気を引き出す

意志より行動が先!

もうひとつお伝えしたいのは、人間が行動を起こすとき、「体の動きが先で、脳の指令が後」というのが現在の科学の定説です。

脳と体なら、脳が先に指令を出すとイメージする人が多いと思いますが、科学の進歩によって、人間は体が動き、その動きに合わせて脳が考えるという順番であることが判明しています。

また、脳のやる気スイッチである「淡蒼球」と「側坐核」を刺激するには、体を動かして行動するしかありません。

「淡蒼球」と「側坐核」と呼ばれる脳の部位が体から送られた信号を受け取って、「あ、今自分は行動しているな。

じゃあもっとガソリンを入れてあげよう」とやる気のエンジンを動かしてくれます。

ですから、やる気がなくても無理矢理勉強を始めてしまう。そうするといつの間にかやる気が出ています。

やる気は待っていても湧いてきません。

勉強しやすい環境を作って、そこでとりあえず勉強を始めてしまうことがポイントです。(堀田先生)

※勉強のやる気が出ないときは体を動かすことで、脳が動く!

なるほど! とにかく行動が先。体を動かして脳に信号を送って、やる気を引き出してもらおう。


とにかくやる、をルーティン化する

勉強のための環境作りと、まずは勉強を始めるということの重要性がわかったら、あとは勉強をルーティン化することです。

毎日、何時から何時までは必ず勉強すると決め、その時間はやる気や意志とは無関係に机に向かいます。

以前、直接うかがったのですが、作家の村上春樹さんは起床後軽くランニングをしてから朝食を食べ、その後は午前中いっぱい机に向かうというルーティンを毎日実行しているそうです。

書くことがないときでも必ず毎日実行する。

そうすると勝手に筆が進んでいくそうです。

とにかく机に向かうのが大事なのだとおっしゃっていました。

ルーティン化の効果を体現されていますね。(堀田先生)
環境設定し、とにかく行動する。そしてその行動を、ルーティン化する。

やる気を出すノウハウがわかってきた!

勉強のやる気を持続させる【勉強方法】をアドバイス

目標は細かく区切る

皆さんは大学受験に合格することを目標に日々勉強していますが、大学受験という遠い未来をゴールにしていると、やる気を持続させるのは難しいものです。

そこでおすすめなのが目標をスモールステップに分けること。

要するに、目標を細かく区切って、小さな成功体験を積み重ねるのです。

難易度に関係なく、自分で「やる」と決めた目標を達成すると、脳の「報酬系」という組織が活性化され、やる気がでたり幸福感を覚えたりします。

目標を細かく設定することで何百回も「報酬系」を刺激できるので、受験までの長い期間のやる気の維持に効果絶大です。

教科書や参考書の何ページから何ページまでやる、次のテストで何点取るなど、大学受験までの長い道のりを細かなステップに分けてゴールを短く設定してあげることでやる気を持続させましょう。

また、日々の成果をノートなどに記録して「見える化」することで目標を達成しやすくなるという研究結果もあります。

ぜひノートなどに今日進んだページやテストの結果などを記録することをおすすめします。(堀田先生)
小さな目標でも達成したらうれしいのは、脳の「報酬系」が活性化していたんだ!

勉強する科目はローテーションで

また、得意科目と苦手で嫌いな科目とではどうしても勉強時間に差がつきがちです。

苦手科目があるままだと受験でも不利ですね。

そこでオススメなのが好きな科目と嫌いな科目をセットで交互に学習する方法です。

脳はいつも新しい刺激を求めています。

得意科目の勉強に疲れたら苦手科目で脳を刺激し、疲れたら再度得意科目に戻るこのやり方は脳科学的にとても効率的です。

記憶力についても複数科目をローテーションするほうが、効率が良いことがわかっています。(堀田先生)
新しい刺激を脳に与えて、嫌いな科目も乗り切ろう。

※上手くローテーションさせてやる気を持続させよう

目標は周りに宣言しよう

目標を周りの友達や家族に宣言してしまうのもやる気の持続には効果的です。

心理学でパブリックコミットメントと言いますが、目標を周囲に宣言することで責任が生まれ、やる気や努力する気持ちが強まるのです。

この場合、最終目標だけでなく、その取り組みや進捗状況なども合わせて報告することでより高い効果が期待できます。(堀田先生)

できる友達を真似しよう

成績のいい優秀な友達の真似をするのもよいですね。

できる友達の勉強の仕方や毎日の過ごし方を真似して、自分のなかに取り入れましょう。

私もこの方法を実践し結果を出しました。

大学院時代に目標であり憧れであった優等生の先輩がいて、食事の時間から図書館に出入りする時間まで、先輩のスケジュールに合わせたおかげで、怠けグセを克服して勉強に打ち込むことができました。

その結果、博士号取得に必要な大きな2つの試験を学年最速で終わらせることができたのです。(堀田先生)

悪い未来の想像も大事

大学受験までの長い道のりの途中、気持ちが折れそうになったり、誘惑に負けそうになったりして、なかなか勉強が捗らないこともあります。

皆さんは大学に合格するポジティブな未来を思い浮かべて日々頑張っていることでしょう。

それもとても大事なことですが、やる気の持続には実は「こんな未来は嫌だ、こんな将来にはしたくない」というようなネガティブな未来のイメージがとても大事です。

「今頑張らないとネガティブな未来になってしまう」と、常に意識することでやる気を持続させるわけです。

頑張った場合の良い未来と同時に、頑張らなかった場合の悪い未来の両方を、リアルに想像できれば、つらい受験勉強を継続する原動力になるわけです。(堀田先生)
「なりたい」イメージは自然と湧いてくるものだけど、「なりたくない」も具体的にイメージすると、やる気をコントロールするのに使える!

やる気を持続させるための【気分転換】をアドバイス

かわいい写真を眺めよう

やる気の持続には気分転換もとても大事です。

同じことを長時間続けていると脳は疲れ、気持ちがだらけてしまうのは自然なことです。

そんなときは例えば、子犬や子猫などのかわいい写真を眺めることをおすすめします。

かわいい写真には集中力や作業効率を上げる効果があり、また、「かわいい」と思うと、それをより味わうべく、物事の細部に注目する機能が高まるという広島大学の入戸野 宏らによる研究があります。

集中力や理解力を手軽にアップできるので、お気に入りのかわいい写真や画像をいつも手元に持っておくとよいかもしれません。(堀田先生)

※勉強のやる気がでない、疲れたとき、眺めてみよう

かわいいものを眺めたときの癒しの気持ちが勉強の役に立つとは!

ペットの写真とかも良いかも。

クラシック音楽を聴く

また、音楽にも脳のリフレッシュ効果があるとされ、なかでも有名なヴィヴァルディ「四季」の「春」には注意力や集中力、さらに記憶力までも上げる効果があるというノーサンブリア大学の研究結果があります。

必ずしもこの曲でなければならないわけではなく、情緒的で高揚感を高める曲ならば同様の効果があるでしょう。勉強に疲れたら適度にクラシック音楽を聴いてみるのも良案です。(堀田先生)
音楽にはリフレッシュ効果がある。

効果が実証されている有名なヴィヴァルディ「四季」の「春」でも、また自分が好きな音楽でもいい。

気分転換に効果的な音楽を探してみよう。

場所を変えて勉強する

勉強する場所を変えるというのもいい方法です。

脳は同じ刺激を受け続けると効率的に脳を働かせるために、刺激を刺激と感じないように勝手にオフモードにします。

これを避けるため、自分の部屋での勉強に疲れたら、居間に行って、疲れたら今度はベランダにでて勉強する。

自分の勉強ステーションを複数用意しておいて、適度に場所を変えることで気分転換しながらやる気を持続させることができます。(堀田先生)

※場所が変わるとリフレッシュできる!

家の中でも、外のカフェや自習室でもいい。いくつかの勉強向きの場所を作ってみよう。

酸素とブドウ糖を取り入れる

さらに脳は酸素とブドウ糖をエネルギー源としているのでこれらを上手に取り入れることで脳はリフレッシュされます。

酸素の補給には深呼吸、腹式呼吸がよいですが、酸素は血液に乗って脳に運ばれるので、血流を良くする散歩や踏み台昇降、短時間のなわとびなどの軽い運動、さらには入浴などもよいでしょう。

入浴が面倒なら手浴もおすすめです。

40℃ぐらいのお湯に何分か手を浸けることで血行を促進できます。ホットな濡れタオルで顔を拭くのもよいですよ。

ブドウ糖の補給にはラムネが最適です。

ポイントは砂糖原料ではなく、ブドウ糖と明記されているものを選ぶこと。

ブドウ糖原料のラムネなら糖の最小単位であるブドウ糖だけを摂れるので吸収効率がいいうえに脂肪分もありません。
(堀田先生)

※脳をリフレッシュさせて気分転換させれば勉強のやる気もアップ

手浴やラムネを食べることなら、いつでも試すことができそうだ。

気軽に取り入れられそうな、たくさんのリフレッシュ方法をさっそく実践してみよう!

堀田先生から高校生へ熱いメッセージ

皆さんはやる気が出ないことで自分を責めたり、罪悪感を感じたりすると思いますが、先に触れたとおり、人間の意思決定というのはほとんどの場合、置かれた環境で決まります。

だからやる気が出ないなんていうのはナンセンスで、やる気は環境で設定するんです。

いかにやる気を引き出す環境作りができるか、そのアクションが全て。

ぜひ、この記事を参考にやる気をコントロールできるようになりましょう。

階段は一歩一歩登っていけば、少しずつ景色が変わっていきます。

一段一段着実に上に行くことで、登る前の自分とは違う風景を見ることができる。

登ることを怠れば、目に見える世界に変化はありません。

しかも高い方へ行けば行くほど、見晴らしは豊かで、登る前には想像もできないすばらしい眺望が広がっています。

だから日々の努力が大切なのです。

長い階段を一気に踏破することはできませんが、毎日着実に一段一段登って行けばやがて頂上に到達できます。

皆さんは高校生。一心不乱に目標に専念できるのは若者の特権です。

若いころに必死に頑張れなかった人は、大人になっても努力できません。

逆にある時期、脇目も振らず懸命に物事に取り組んだことがある人は、大人になっても同じように頑張れます。


がむしゃらに努力することには、もう一つメリットがあります。

若いころはとかく不安や悩みが多いものですが、ひたむきになって努力していると、そんなことを考えている暇がありません。

逆にいうと不安や悩みなど考えている暇がないほど努力してください。

その頑張りは必ず未来に役立つ経験になります。

高校生のみんなに聞いたやる気が出る名言!

ラストは高校生のみんなから教えてもらった、やる気の出る名言を紹介。

みんなそれぞれに、良い言葉を知っているね!

やる気があるときなら、誰でもできる。本当の成功者は、やる気がないときでもやる。(りかこ  高校1女子・三重県)

うまく始められたものは、半分できたも同然。(ゆゆ 高校1 女子・京都府)

明日死ぬかのように生きろ。永遠に生きるかのように学べ。〈ガンジー〉(ひい 高校 2女子・大阪府)

夢は空高く、努力は足元に。(あん  高校3女子・神奈川県)

大変なときこそ"大きく変わる"とき。(もりち 高校1 男子・新潟県)

努力は嘘をつく。でも無駄にはならない。〈羽生結弦〉(なごを 高校2女子・鳥取県)(りんご 高校1女子・愛知県)

勉強した3分の1しか発揮できないので、思った3倍やってください。(ややや 高校1 女子・神奈川県)

怠る者は不満を語り、努力する者は夢を語る。(くろまめ  高校1 女子・和歌山県)

10分だけやってみよ。(いなめ 高校 2 女子・京都府)

繰り返し行っていることが、われわれ人間の本質である。ゆえに優秀さとはひとつの行為ではなく、習慣によって決まる。〈アリストテレス〉(しょこら  高校2 女子・東京都)

いつやるの?今でしょ! (あやめ  高校1 女子・東京都)

一度でも諦めてしまうとそれが癖になる。絶対に諦めるな。<マイケル・ジョーダン>(ひい  高校2 女子・大阪府)

先生の「あなたならできると思う」「期待してるよ」という言葉。(ゆきんこ  高校2 女子・岡山県)

誰だって主人公になれます。だって僕がなれたんだから。<ころんくん/すとぷり>(とまと  高校1 女子・新潟県)

天才とは努力する凡才のことである。 <チャップリン>(ラスベガスのカラス  高校1 男子・京都府)

夢なんて見なければ苦しまない。それでもこうしてもがいて行くしかない。<creepy nuts・菅田将暉/サントラ>(みーちき 高校2 女子・大阪府)

ところで平凡な俺よ 下を向いている暇は あるのか。 <田中龍之介/ハイキュー>(ミスエッグ  高校1 女子・富山県)

努力は一生の宝。(ピーナッツ  高校1 女子・埼玉県)

特別じゃない。天才にはなれない。やった分しか上手くならない。だったら、天才と見分けがつかなくなるまでやればいい。<矢口八虎/ブルーピリオド>(るー☆りん 高校2 女子・愛知県)

環境より学ぶ意志があればいい。< 津田梅子>(蓮花 高校2 女子・岡山県)

やるしかない。前を向いていこう。<桜木建二/ドラゴン桜>(マキ 高校2 女子・愛知県)

失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる。<松下幸之介>(あき 高校3 女子・沖縄県)

実らない努力があっても意味のない努力はない。(あん 高校3 女子・神奈川県)

小さなことを重ねることがとんでもないところに行く ただひとつの道。 <イチロー>(さくらんぼ 高校2 女子・千葉県)

彼氏に言われる「頑張れ」。(りん 高校2 女子・長野県)

逃げることは簡単だよ。大切なのは逃げないこと。<伊野尾慧>(当落前日のオタク 高校2 女子・大分県)
この記事を読む前と読んだ今では、考え方や行動に大きな違いが出ているはず。

堀田先生から教えてもらった方法を実践・継続させて、実りある未来を手に入れよう!


取材・文/蜂谷智子 監修/堀田秀吾 構成/寺崎彩乃(本誌)


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