共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?

2025年の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)で英語リーディングの大問数が6問から8問に変更されました。時間配分はどうすればいいの?

大問数が8問になって、どう対策すればよいの?と思っている高校生も多いかもしれません。
 
今回はスタサプ英語講師の肘井先生に、大幅変更があった共通テストの英語リーディングの時間配分についてアドバイスを聞いてきました。
 
時間が足りなくなってしまって最後まで解けなかった!

実力を出せなかったということがないように共通テストを受ける高校生はぜひ、チェックしてみてくださいね。


プロフィール文 

肘井 学先生
慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。
さまざまな予備校の教壇に立ち、現在はリクルート運営のネット講義サービス「スタディサプリ」で講師を務める。その授業は、高校生から英語を学び直す社会人まで、圧倒的な満足度を誇る。特に、「英文読解」の講座は年間約25万人が受講する盛況ぶり。また、全国各地の高校で講演活動も行う。
著書に、『改訂版 大学入試 肘井学の ゼロから英文法が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)、『大学入試 肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』(KADOKAWA)などがある。

共通テストの英語の特徴は?

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語の特徴は?

従来のセンター試験に比べて、難易度がかなり上がりました。

簡単な問題もありますが、リーディング、リスニングともに、難しい問題は、難関大学で出題される問題と同じレベルにあると言ってよいでしょう。

リーディングは第7問、第8問、リスニングは第5問が難問になります。

共通テストの英語の配点は?

共通テストの英語は「リーディング」と「リスニング」から作られている(配点は?)

 配点はリーディング100点、リスニング100点の合計200点になります。

試験時間は?

リーディングが80分、リスニングが60分です。

共通テストの英語のおすすめの時間配分とポイントは?

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語のおすすめの時間配分は?


これから提示するおすすめの時間配分は、第7問と新傾向で問題数の多い第8問に、しっかりと解答時間を残すパターンです。

もっとも、年度や個人の英語力によって、解答時間は変わってくるので、あくまで目安としてください。

共通テストのリーディングのおすすめ時間配分

大問 目安の時間配分
第1問  5分
第2問 6分
第3問 5分
第4問 6分
第5問 12分
第6問 16分
第7問 14分
第8問 16分

第1問は5分で解こう!

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語の第1問は5分で解こう!

あくまで目安ですが、第1問は5分前後で解くことをおすすめします。

第1問はイベントの広告・掲示などの身近で実用的なものから出題されるので、比較的簡単な問題が多いと言えるでしょう。

よって、あまり時間をかけずに解くことをおすすめします。

選択肢がイラストの問題がやや難しいですが、消去法を使って本文を忠実に反映しているイラストを正解に選ぶようにしましょう。

第2問は6分で解こう!

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語の第2問は6分で解こう!

第2問は6分で解くことをおすすめします。

第2問は、記事やレポートなどの本格的な英文になります。

共通テスト特有のfact-opinion問題が出題されますが、factは客観、opinionは主観で選択肢を判別しましょう。

第3問は5分で解こう!

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語の第3問は5分で解こう!

第3問は5分で解くことをおすすめします。

本格的な長文になりますが、いずれも問題数が少なくて、解きやすい問題が多いでしょう。

あまり時間をかけずに先に進みましょう。

時系列把握問題といって、できごとを起こった順番に並び替える問題が出題されますが、本文に登場した順番に並べるのではなく、しっかりと前後関係を把握して並び替えるようにしましょう。

第4問は6分で解こう!

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語の第4問は6分で解こう!

第4問は6分で解くことをおすすめします。

論理把握・文章構成問題といって、大学入試センターが公表した試作問題の形式になります。

前後の論理から接続詞・文を挿入する問題が出題されます。

前後の論理展開から、適切な英文に修正する問題が出題されます。

第5問は12分で解こう!

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語の第5問は12分で解こう!

第5問は12分で解くことをおすすめします。

マルチパッセージ問題といって、複数の長文からヒントを得て、解答していく形式になります。

よって、すべての文章に目を通す時間はないので、解答に必要な部分に絞って、文章を読んでいくことをおすすめします。

第6問は16分で解こう!

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語の第6問は16分で解こう!

第6問は16分で解くことをおすすめします。

伝記や物語文が出題されます。時系列把握問題といって、できごとを起こった順番に並び替える問題が出題されますが、本文に登場した順番に並べるのではなく、しっかりと前後関係を把握して並び替えるようにしましょう。

最後に出題されることのある推測問題は、消去法で解くと時間短縮になります。


第7問は14分で解こう!

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語の第7問は14分で解こう!

第7問は14分で解くことをおすすめします。

以前はリーディングの最大の難所でしたが、直近の試験では少しやさしくなりました。問1が最初の2段落程度では解けないことがあるので、おさえておきましょう。

少し長い文章になりますが、最後に出題されることのある推測問題は、消去法で解くと時間短縮になります。

第8問は16分で解こう!

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
共通テストの英語の第8問は16分で解こう!


第8問は16分で解くことをおすすめします。

内容整理・要約問題といって、大学入試センターが公表した試作問題の形式になります。

発言内容を要約する力、共通点を見抜く力、資料から情報を読み取る力などが求められています。

リスニングに関しては音声なので時間配分はないよ

リスニングに関しては、決められた時間内に音声が読み上げられるので、時間配分はありません。

説明が流れているうちに、問題を先読みして設問ごとに、解き方をおさえるのが大事になります。

時間切れを防ぐための対策6選

共通テスト英語の時間配分方法を伝授!リーディングの大問数の変更にどう対応する?
時間切れを防ぐための対策6選


共通テストの英語リーディングは、時間との戦いになります。

前半の簡単な問題に時間をかけずに、いかに後半の問題に時間を残せるかにかかっています。

その中でも、時間切れを防ぐための対策を6つ紹介します。

時間配分に沿って解く!

腕時計を見ながら、大問ごとの時間配分に沿って解答しましょう。

目安の時間を2分過ぎたら、そのときに選べる最善の解答を選んで、先に進みます。

9割超えの高得点を狙うにしても、落としてもよい問題もあるので、1つの問題に時間をかけすぎないことが重要です。

スキャニングを使う!

スキャニングとは、設問のキーワードを拾って、本文からその該当箇所を探し出す技術です。

英語が得意な人は、誰でもこの解き方を無意識に行っています。

それにより、本文を漫然と読むのではなくて、メリハリをつけて読むことができて、解答時間の短縮につながります。

筆者の主張をつかむ!

問題を解くという意識に加えて、本文を理解するという意識も重要になります。

本文を理解するとは、すなわち筆者の主張をつかむということです。

butやhoweverなどの逆接の後ろに筆者の主張が来る という視点に加えて、さまざまな論理展開があるので、ぜひ参考書などで理解を深めてください。

筆者の主張をつかむことで、解答時間も短くなります。

他の選択肢を見ないで先に進む!

正解の確信度が高い問題は、他の選択肢を吟味せずに次の問題に進みましょう。

これも大きな時間短縮になります。

一方で、解答に自信がない問題は、他の選択肢もしっかり吟味したうえで、消去法や選択肢の比較をして、解答に時間をかけましょう。

長文を毎日音読する!

長文を毎日音読することで、速読につながります。10回を目安に音読してみてください。

1回めは、ゆっくりしか音読できないのが、回数を重ねるごとに音読のスピードが上がってくるはずです。

10回めに読んで理解したスピードが、いわゆる速読の状態です。

語彙力を増やす!

解答に時間がかかる原因として、語彙力が不足していることが挙げられます。

単語や熟語の意味がわからなかったり曖昧だったりして、正解を選ぶのに時間がかかってしまいます。

試験直前まで、語彙力を増やすことは怠らないでください。

実際の問題に触れながら練習しよう

共通テストの対策には、過去問と予想問題があります。

まずは、過去問を徹底して演習することをおすすめします。大問別の対策をしっかりとやってから、予想問題で全体を通して解答力を高めていきます。

予想問題の際には、時間をはかって演習すると良いでしょう。

共通テストを受験する高校生へメッセージ

共通テストの英語は、リーディング、リスニングともに難しい試験と言えるでしょう。

しかし、試験とよばれるものには必ず対策法・解き方のコツがあります。

参考書で対策法を学ぶこと、あるいは、過去問を自ら分析して、時間をかけてその対策を正しく行えば、必ず道は開けてくると思ってください。

まとめ

今回は、大問数が6問から8問に変更された共通テストの英語について、時間配分や解くコツを肘井先生に教えてもらいました。

実際に、時間を計りながら過去問を繰り返し解いて練習してみてください。

今回の記事では問題例を掲載できませんでしたが、「実際にどんな問題が出題されるのか知りたい」という人は、この本をチェックしてみてください。

また、「志望校のパンフレットがあると勉強のモチベーションが上がる」という声も多いので、資料請求を検討してみるのもおすすめです!


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文/肘井学 (スタディサプリ英語講師) 構成/編集部
「決める! 共通テスト英語 リーディング 改訂版(Gakken)」
『決める! 共通テスト英語 リーディング 改訂版』(Gakken)
「決める!共通テスト英語 リスニング 改訂版(Gakken)」
『決める! 共通テスト英語 リスニング 改訂版』(Gakken)

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