大学受験の面接マナーはこれで完璧!入室から退室までをシミュレート!服装チェックリスト付き
大学受験では、多くの学校で面接試験が行われるため、その対策が必要になる。面接は学力試験では測れない能力や適性を見極める場であり、話す内容はもちろん、節度ある態度で臨むこともとても大切だ。
ここでは、本番の流れに沿って、入退室の仕方などの面接マナーや服装のポイントを紹介していく。
正しいマナーを身につけ、面接試験を突破しよう。

Z会東大進学教室やZ会東大進学教室や巣鴨にある大学受験塾ワークショップで講師。司法試験受験の予備校において一般教養小論文を指導。スタディサプリでは、現代文のほか、小論文や総合型選抜・学校推薦型選抜対策講座を担当している。
また、『話し方のコツがよくわかる人文・教育系面接』『~社会科学系~』(発行:Kadokawa)の執筆も手掛け、大学面接の分野にも精通し多方面で活躍するプロ。
大学受験の面接とは
大学受験では面接が合否を左右することもあり、第一印象は重要なポイントとなる。入退室のマナーを守った行動、清潔感ある服装や身だしなみは、面接官に好印象を与え、評価を高めることにもつながる。
しっかり評価してもらうためにも、「失敗しない 大学受験の面接マナー」を学んでいこう。
面接マナーを知ることは
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そもそも、マナーとは相手に敬意や感謝の気持ちを表す際の行動ルールです。
特に大学受験の面接は、「この大学・学部のどれくらい熱意をもっているか」をプレゼンする場です。
面接マナーを守って面接に臨めば、「自分のプレゼンを聞いていただき、ありがとうございます」の気持ちが、面接官にスムーズに伝わります。
そもそもマナーはモラル(倫理)と語源が同じということも知っておこう(小柴先生)
本番をシミュレート!面接の流れとマナー
大学面接の流れは「控え室、入室、着席、面接中、退室」の順となる。ここでは、入室の仕方やドアのノック回数といった基本マナーから「失礼します」と言うタイミングまで細かく紹介。
本番さながらにシミュレートしていく。
控え室
控え室に入ったらまずスマホの電源を切って鞄の中へしまうこと。待機中は無駄話をせず、指示された場所に静かに座り、自分の順番が来るまで待とう。

順番が来て名前を呼ばれたら、元気よく返事をして面接室へ向かおう。
スマホは必ず電源オフ!
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マナーモードでは震動音が響くため、電源オフにしておくのが面接時のマナーです。
また、電源オンのままだと無意識にスマホを触ってしまいがちですが、控え室での過度なスマホは禁物です。
面接官がどこかで見ているかもしれません。面接が終了するまでは電源はオフにしておきましょう。(小柴先生)
Q.何分前に着くべき?
A.30分前です。30分前なら、想定外のトラブルがあっても対処できるはずです。
電車遅延や急な体調不良、忘れ物など不安な人は、1時間前を目安にしてもOK。
場所や天候によっては駅からタクシーも視野に入れ、余裕をもって到着するようにしましょう。(小柴先生)
入室
軽く3回ドアノックする。「どうぞお入りください」の返事を待ち、静かにドアを開ける。
Q.何回ノックする?
A.原則3回です。日本のビジネスシーンではノック3回が一般的で大学受験の面接時もこれにならいます。
海外のプロトコルマナー(国際標準ルール)では4回が正式とも言われますが、乱打したりモールス信号のようにならなければ大丈夫です。
ちなみに、ノック2回はトイレの空室確認など、カジュアルな場面で使われるものですので避けておきましょう。(小柴先生)
(面接官にお尻を向けないよう)ドアに対してやや横向きで静かに扉を閉める。
後ろ手でドアを閉めたり、乱暴に閉めたりしないよう注意を。

扉の前で面接官へ45度の角度でお辞儀をする。
お辞儀の後、「受験番号・学校名・名前」を名乗る。
続いて「本日はよろしくお願いします」とあいさつする。

Q.お辞儀の角度は?
A.45度(最敬礼)を心がけましょう。面接官など目上の人に対しては最上級の45度(最敬礼)を心がけましょう。
尚、30度(敬礼)もマナー違反ではありませんが、大学受験の面接では最敬礼がより丁寧です。(小柴先生)
お辞儀の種類
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最も丁寧なお辞儀は45度(最敬礼)とされています。
お辞儀には3つの種類があり、相手に対する敬意や感謝の度合はその角度で示されます。
お辞儀の角度と意味を覚えておくと、本番でも慌てることなく安心です。(小柴先生)

15度(会釈)/廊下ですれ違ったときなど、軽いあいさつに使われます。
30度(敬礼)/一般的なお辞儀で、お礼や相手への敬意を表します。
45度(最敬礼)/もっとも丁寧なお辞儀で、深い敬意や感謝を表します。
着席
■入室したら椅子まで進み、椅子の左側に立ち面接官に一礼する。「お座りください」と言われたら、「失礼します」または「ありがとうございます」と答えた後に着席する。

Q.椅子のどちら側に立つべき?
A.左側です。(※原則マナー)面接官から特に指示がない場合は「椅子の左側に立つ」と覚えておきましょう。
もし左側に立つことができない場合は右側でも大丈夫ですし、部屋スペースの都合で左右どちらにも立つことができない場合は前に立つこともあります。また、ドアに近い位置(下座)に立つ場合もあります。(小柴先生)
男子は両足を肩幅程度に開き、手は握り太ももに。
女子は両ひざをくっつけて座り、左手を上に手を重ね太ももに置こう。
Q.鞄を置くタイミングは?
A.着席を促された後です。面接室に入室し、着席を促されてから椅子の横の床に立てかけるようにしておきましょう。
鞄が倒れそうなら椅子の脚に立てかけても問題ありません。
注意点としては、鞄は椅子の上に置かないことです。
資料などを取り出す必要がある場合は、鞄を膝の上に置いて取り出すようにしましょう。(小柴先生)
Q.リュックの置き方は?
A.リュックは床に置きます。リュックは椅子の横に自立するように丁寧に置きましょう。
もし自立が厳しいリュックなら、椅子の脚に軽く立てかけるようにしてもかまいません。
ただし必要な資料を取り出す時にリュックを膝の上に置くのはマナー違反です。
リュックは床に置いたまま出し入れするようにしましょう。(小柴先生)
大学面接には基本スクールバッグを
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きちんとした印象が大切な大学面接ではリュックよりもスクールバッグの方が適切です。
学校指定がある場合はスクールバッグで面接に臨みましょう。
もちろんリュックでもNGではありませんが、その場合は気を付けるべきことがあります。
■リュック選びのポイント
・無地・シンプルなデザインを選ぶ(派手なロゴや柄、キャラクターものは避ける)
・色は黒や紺などを選ぶ
なお、リュックを背負ったまま部屋に入るのはマナー違反です。面接室に入る前に肩から下ろし、手に持って入室しましょう。置くタイミングは鞄と同じで構いません。(小柴先生)
面接中
■視線面接官の顔に向けるのがマナー。目を合わせるのが苦手なら面接官の首、ネクタイあたりでもOKだ。
面接官が複数の場合は均等に視線を配るよう意識を。
緊張していてもキョロキョロしたり下を向いたりせず、質問に答える時も目が泳がないように注意しよう。

背筋を伸ばし綺麗な姿勢をキープするよう心がけよう。この時、あごを少し引くと堂々とした印象に見える。
面接中に話が弾み緊張が解けてくることもあるが、いつもの猫背に戻ったり足を組んだりしないよう気を付けよう。

■身振り手振り
話の流れ上、自然な範囲で手を動かすのは問題ない。ただしオーバーアクションになりすぎないよう注意しよう。
間違いやすい「話し言葉」
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以下に高校生にありがちな間違い例を挙げてみました。
正しい言葉使いを覚えて面接に臨めるよう、普段から意識しておきましょう。
×)「それは、違くて…」 〇)「それは、違いまして…」
「ちがくて」は、誤った日本語です。
×)「全然大丈夫です!」 〇)「大丈夫です!」、「全く問題ありません!」
「全然」は不要です。
×)「なるほどですね」 〇)「なるほど」、「なるほどです」
目上の人に「ね」を付けるのは失礼にあたります。
×)「~で、よろしかったでしょうか」 〇)「~で、よろしいでしょうか」
丁寧さのつもりで過去形を使うのは誤りです。
「~みたいな」、「~とか」、「~的な」などを多用するのも禁物で、使いすぎると面接官に幼稚な印象を与えるので注意しましょう。
もし、言葉の正誤に迷った時は、「そうですね」などと一拍おけば、冷静に考えながら話すことができるのでおすすめです。(小柴先生)
退出
面接官に「面接を終了します」と告げられた後に、座ったまま「本日はありがとうございました」と述べ一礼。
椅子を立ち、鞄を持つ。
面接官へ 「失礼します」 とあいさつし、一礼。

出口へ向かい、ドアの前で面接官へ向き直り、お辞儀をして退出。
退出時もドアの開閉はゆっくり丁寧に、がマナーだ。最後まで気を抜かずに行動しよう。
面接終了後も気を抜かない
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大声を出したり、だらしない態度をとったりしがちなので十分に注意しましょう。
特に面接終了後は、解放感から「終わったー!」と緊張がゆるんでしまうものです。
また、面接で思っていたような受け答えができなくても失敗したと決めつけず、過剰に落胆しないようにしましょう。失敗したと思っても合格するケースは多々ありますよ。
大学側による評価・判断を冷静に待ちましょう。(小柴先生)
大学受験の面接での注意点
ここでは、大学面接での所作に関するマナーを紹介していく。表情や声の大きさや歩き方などを意識して、本番で慌てないよう普段から練習しておこう。
表情
会話中は自然な笑顔で、表情豊かに話すように心がけると印象アップにつながる。また、相手の話を聞いている時はわずかに口角をあげると柔らかい表情に。
眉間にしわを寄せるなど、険しい表情にならないよう鏡を見ながら練習しておこう。

声のトーンと大きさ
元気にハキハキと、大きな声で話すのが基本マナーだ。相手にしっかりと届く声量ではっきりとした発声を意識し、語尾を上げ下げしたり、早口になったりしないよう注意。
また、方言やどもりは気にしなくても大丈夫だ。
歩き方や待機時の所作
「いつもより、気持ちゆっくり目」を心がけ、堂々と歩こう。控え室や廊下での待機時も、自分勝手な行動は禁物だ。
おしゃべりをする、股を大きく開いて座る、足を組む、スマホを触る、立ち歩きや許可なく外に出るなどは止めよう。

待機中はマスクを活用しよう
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廊下などでの待機中に限り、マスク着用可です。
ただし、面接中はマスクを取るのがマナーですので、忘れず外すようにしましょう。
感染症対策だけでなく、マスクの下で口を大きく開くなどすれば、口やアゴの周りがほぐれ、話す前の準備運動になりおすすめです。(小柴先生)
癖、しぐさ
悪目立ちする癖やしぐさは面接までに直すこと。貧乏ゆすり、髪の毛や爪を触る、まばたきが多い、頻繁に鼻をこするなど、思い当たる場合は注意だ。
もし自分の癖がわからない場合は、模擬面接を録画し、面接中にどんなふうに話しているか確認するのもおすすめだ。

話し方
結論から話し、次にその理由や根拠を具体的に話そう。質問に答える時や意見を述べる時に話が伝わりやすくなるだけでなく、理論的な思考力のアピールにもつながる。
また、面接の評価アップも期待できる。
知らないことを聞かれても「わかりません」と即答せず、答える努力をしよう。面接では前向きな姿勢こそが大切だ。
面接時の服装&身だしなみのポイント
面接時の服装、身だしなみについて気をつけたいポイントを解説していく。見た目の第一印象は、面接官に与える影響がとても大きいものだ。しっかり確認しておこう。
服装の基本
■制服がある場合制服着用が基本。靴下、リボン、ネクタイなど学校指定があればそれを着用する。
■私服の場合
シャツ・ブラウス/無地、白、襟付きが基本。カーディガンやセーターなどは紺や白で控えめなデザインを着用する。
パンツ・スカート/紺、グレー、黒、茶など落ち着いた色、デザインを着用する。
チェックリスト
まず、今すぐセルフチェックして、事前に改善や準備すべきことはないか確認を。本番の3日前までにはすべての項目をクリアしておこう。
「前日」と「当日朝」は必ず最終仕上げの総チェックをすれば完璧!不安なく面接に臨もう。
もちろん、先生との模擬面接練習前の確認用に使ってもOKだ。

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お守りや絶対に外したくないアクセサリーは?
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お守りは持っていてもOKですが、根付の鈴など、音が出るものは外しておいたほうが無難です。
お守り代わりのネックレスなど、外すと不安に感じる小物は、小ぶりで目立たないならOK。
つまり、単なるファッションで身に付けているものは外す、と考えて正解です。
自分で判断が付きにくい時は、先生や親に確認して意見をもらいましょう。(小柴先生)
面接対策は一度覚えてしまえば大丈夫!
もし、レストランに行った際に、テーブルマナーを知らないとドキドキして落ち着かないですよね。
面接の場面に置き換えると、「語るべき内容に集中できない」「志望理由をうまくアピールできない」。となります。
面接のマナーを知ることは、窮屈な縛りではなく、逆に緊張を解放することにもつながります。
また、面接官の好印象を獲得でき、メリットもたくさん!
覚えることが多く最初はハードルが高いと感じるかもしれませんが、一度身に付いてしまえば簡単です。
マナーの基本を身に付けるにはまず普段から意識することが大切ですから、気負わず、焦らず日常生活の中で実践していきましょう。(小柴先生)
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