【2025年最新!】共通テスト国語の時間配分と攻略法を完全解説!

「共通テストの国語の時間配分はどうすればいいの?」「時間切れになったらどうしよう」と思っている高校生も多いかもしれません。

今回はスタサプ国語講師 現代文の小柴大輔先生と古典の岡本梨奈先生に、共通テストの国語の時間配分とテストを受ける時に気を付けるポイントを聞いてきました。

時間が足りなくなってしまって最後まで解けなかった!

実力を出せなかったということがないように共通テストを受ける高校生はぜひ、チェックしてみてくださいね。

目次


小柴大輔先生 小柴大輔先生
現代文講師 Z会東大進学教室や巣鴨にある大学受験専門塾ワークショップの講師。感覚ではなく論理的に答えを導く指導に定評があり、「現代文に対するイメージが変わった」と受験生から圧倒的な支持を集めている。 スタディサプリでは、現代文のほか、小論文や総合型選抜・学校推薦型選抜対策講座を担当。 著書:『読み解くための現代文単語〔評論・小説〕改訂版』(文英堂)『小柴大輔の1冊読むだけで現代文の読み方&解き方が面白いほど身につく本』『話し方のコツがよくわかる 人文・教育系面接 頻出質問・回答パターン25』『話し方のコツがよくわかる 社会科学系面接 頻出質問・回答パターン25』(以上、KADOKAWA)

岡本梨奈先生
岡本梨奈先生
古文・漢文講師 スタディサプリの古文・漢文すべての講座を担当。 自身が受験時代に、それまで苦手だった古文を克服して一番の得点源の科目に変えられたからこそ伝えられる「わかりやすい解説」で、全国から感動・感謝の声が続出。 著書に『岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本』『岡本梨奈の1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本』『古文ポラリス[1基礎・2標準・3発展レベル]』(以上、KADOKAWA)、『古文単語キャラ図鑑』(新星出版社)などがある。

共通テスト国語の特徴は?変更点は?

【2025年最新!】共通テスト国語の時間配分と攻略法を完全解説!
共通テスト国語の変更点は、大問5問になり試験時間が10分延長に!

共通テストの国語はこれまで大問4問でしたが、2025年度から大問5問に変更されました。

第3問に図表やグラフを読み取る問題が新設され、1990年以来最大の変化となりました。また試験時間も80分から90分に延長されています。

2026年(令和8年)共通テストの日程

2026年度(令和8年度)の大学入学共通テストの日程は、2026年1月17日(土)と18日(日)の2日間で実施予定です。

参照元:大学入試センター 令和8年度大学入学共通テストより

2026年(令和8年)共通テストの時間割

共通テスト実施の時間割と配点は以下のとおりです。 国語は1日めの2026年1月17日(土)の13:00~14:30を予定しています。

共通テスト実施スケジュール・教科配点一覧

■1日め
教科 科目 実施時間 配点
地理歴史・公民 『地理総合・探究』『歴史総合・日本史/世界史探究』『公共・倫理・政治経済』など 9:30~11:40(2科目)
10:40~11:40(1科目)
200点(2科目)
100点(1科目)
国語 『国語』 13:00~14:30 200点
外国語 『英語』リーディング/リスニング
『英語以外』筆記
15:20~16:40(リーディング)
17:20~18:20(リスニング)
15:20~16:40(筆記)
各100点(英語)
200点(英語以外)
■2日め
教科 科目 実施時間 配点
理科 『基礎4科目』2科目選択/1科目選択
『物理・化学・生物・地学』
9:30~11:40(2科目)
10:40~11:40(1科目)
200点(2科目)
100点(1科目)
数学① 『数学Ⅰ・A』『数学Ⅰ』 13:00~14:10 100点
数学② 『数学Ⅱ・B・C』 15:00~16:10 100点
情報 『情報Ⅰ』 17:00~18:00 100点

共通テスト国語の試験時間

共通テスト国語の試験時間は90分になります。

共通テスト国語の設問形式

全問マークシート形式で、論述問題はありません。

共通テスト国語の配点と出題傾向

大問番号 分野 配点(点) 備考
第1問 現代文(評論文) 45 評論文が中心。論理的な文章を読み解く問題。
第2問 現代文(小説文) 45 小説文が中心。物語の内容理解や登場人物の心理分析が問われる。
第3問 現代文(資料読み取り) 20 新設問題。図表やグラフを読み取り、文章と関連づけて解答する問題。
第4問 古文 45 伝統的な古文問題。単語・文法・複数テクスト問題や和歌の解釈などが含まれる。
第5問 漢文 45 基礎句法や重要単語の知識を複数テクスト問題を含めて問う。漢詩も出題されることがある。
合計   200 試験時間は90分。全問マークシート形式で出題される。

配点は、現代文(近代以降の文章)が110点、古典分野が90点になります。

具体的には、第1・2・4・5の大問は各45点ずつ。新設の第3問(資料読み取り)は20点で、合計200点満点となっています。
 
設問ごとに先生方に出題傾向を教えてもらいました。

現代文(評論文)の配点と出題傾向

評論文は45点満点です。

漢字・傍線部説明・全体の主旨説明・各段落の役割説明・架空の高校生による課題文への考察が定番の設問ラインナップです。

課題文に空欄を作って補充させるタイプの設問(私大では頻出)はありません。文章はそのまま読ませます。ただし、架空の高校生による考察部分では空欄補充の設問があります。

漢字については、全体に対する配点ウェイトはあなどれない高さです。しかも高校までで習う漢字(漢字検定2級まで)と範囲は限定されていますから、しっかり対策をしましょう。

評論のテーマは、センター試験時代では「芸術論・文化論・言語論」がよく出題されていましたが、共通テストでは、そうした頻出テーマがあるとは言えません。

あえて言えば、新進の学者による新しい研究ジャンルが出題されている印象。

なお、各設問の選択肢は5択が基本スタイルでしたが、4択に変更され、定着するようです。

共通テスト開始以来の特徴だったはずの複数読み物は2025年度ではなくなりました。

新大問3の登場に合わせて、総文字数を削減し、受験生への不当な負担増にならないようにする配慮と思われます。

現代文(小説文)の配点と出題傾向

小説文も45点満点です。

大学入試の現代文で小説を評論と同じ配点で課すこと自体が、共通テストの際立つ傾向です。

国公立大の個別試験や私大の現代文では、圧倒的に評論メインですから。では、小説で何が問われるか。慣用句の意味説明・登場人物の心理説明・表現の特徴の説明・全体の主旨説明・架空の高校生による課題文への考察が定番の設問ラインナップです。

慣用句の意味説明については、出題されない年もあります(最新の2025年度はなし)。

「表現の特徴」は、直喩・隠喩・擬人法・回想シーンの有無など基礎的なレベルを問うものです。

受験生の美的センスを問うものでは決してありません。

また、課題文に空欄を作って補充させるタイプの設問(私大では頻出)はありません。文章はそのまま読ませます。

ただし、架空の高校生による考察部分では空欄補充の設問があります。

なお、共通テストになってからの特徴だったはずの複数読み物はなくなりました。各設問の選択肢は従来の五択メインから四択メインに変わりました。

現代文(資料読み取り)の配点と出題傾向

2025年度から新設された資料読み取りは20点満点です。

文章や図表など複数の資料から情報をスピーディかつ正しく読み取る力が試されます。

2025年の実際の試験問題以外に、大学入試センターが発表している試行試験(サンプル問題)も出題傾向を知る手掛かりになりますから利用しましょう。テーマは現代社会にかかわる時事的なものです。

例えば、環境・気候変動問題、今どきの日本語や外来語など。文章も新聞などの報道レベルの水準で、大問1の評論のような抽象的・学術的レベルではありません。

実際の新聞にも頻繁に統計資料・グラフとその解説文が掲載されますが、読み物としての水準・傾向が合致しています。日々なじんでおくことは、知識も増え、よい練習になります。

古文の配点と出題傾向

古文は45点満点です。

問1の短文解釈問題は、従来から変わらず出題されています。

基本的な重要単語の単発の意味で解けてしまうこともあるので、単語力は必須です。

問2は共通テストになってから「語句と表現」の出題が定着していましたが、2025年は従来のセンター試験のような敬語の文法問題が出題され、しかも種類のみで解ける問題に戻っていました。

どちらにしろ、「語句と表現」にも選択肢内で文法説明が問われていたため、文法の学習も必須です。

あとは、「複数テクスト問題」が出題されます。複数テクストには「資料などが付く問題」と「会話形式の問題」の2パターンがあります。「資料などが付く問題」は、本文と絡めた別の資料や文章を読んで、小問に答えます。資料や文章は現代語の場合もあれば、古文の場合もあります。

また、長さも短い場合と長い場合があり、まちまちです。2つの題材には共通点があるはずなので、共通点と相違点を意識して読むことが重要です。「会話形式の問題」では、題材の本文と絡めて、複数人数で話し合う様子が、そのままセリフとして文字起こしされていて、その会話を読んで小問に答える問題です。

小問は空欄補充問題になっている場合が多いです。本文を読む前に、大雑把に資料や会話に目を通し、本文内容をある程度推測したり、問題を解くための該当箇所の目星をつけたりしましょう。

また、本文中に和歌があり、その解釈が出題されることも多くあります。

※複数テクストとは、2つ以上の文章のことを指します。単独で出てくる文章問題よりも複雑で難しい傾向にあります

漢文の配点と出題傾向

漢文も45点満点です。重要句法や頻出読み単語など、基礎的な知識だけで解ける問題も出題されやすいのが漢文です。

ただし、そのような問題は減少傾向にあり、基礎知識と文脈もふまえて答える問題が出題される可能性が高いので、重要句法などを理解したうえで、文章の大筋をきちんととらえることが必要です。また、漢詩も過去に多く出題されています。

形式や押韻など、確実に得点できるようにしましょう。

\教科ごとの共通テスト対策をどうすればいいのという人はこの記事をチェック/
大学入学共通テストの対策法。背景や基礎知識から各教科のコツまで網羅!

共通テストの国語おすすめの時間配分とポイント

共通テストの国語おすすめの時間配分とポイント
共通テスト国語のおすすめ時間配分はあくまでも目安です。

年度ごとの共通テストの難易度や個人の得意・不得意によっても差が出てくるので、過去問にしっかり取り組んで、自分に合った時間配分を見つけてみてください。

大問1(現代文・評論)は25分で解こう!

評論は国語のなかでも時間がかかりやすいパートです。

決めた時間配分は守りつつ、すべてを完璧に解くより「必要な点数を確実に取る」ことを意識しましょう。

小説や資料読み取りでも同じです。国語全体でバランス良く得点する感覚が大切です。

大問2(現代文・小説)は18~20分で解こう!

小説は深読みや行間読みは不要。登場人物の心理や状況は必ず本文に書かれているので、冷静に本文を追いましょう。

大問3(現代文・資料読み取り)は10分で解こう!

資料の読み取りは選択肢の正誤を資料で確認する問題です。先に設問と選択肢に目を通してから資料を読み、答えを探す流れが効率的です。

大問4(古文)は20分で解こう!

リード文や人物関係図は必ずチェック。設問を先に確認して解けそうなものから取り組みましょう。

複数テクスト問題では会話文や資料に目を通して、本文の理解のヒントにしてください。

文中の不明単語で止まらず、そのまま読み進めて、わかるところからまた解釈を進めていくことが大事です。

大問5(漢文)は15分で解こう!

リード文や本文の見た目を確認し、漢詩の有無や複数テクストの種類を把握しましょう。

頻出漢字の読み・意味や句法は先に解いておくとスムーズです。書き下し文問題で句法の知識などで絞れない場合は、選択肢を訳しながら文脈に合うものを選ぶのが効果的です。

\岡本先生からのアドバイス/
時間が厳しいので見直しはおすすめしません。時間配分を守ることを最優先にしてください。

現代文の時間切れを防ぐための対策6選

現代文の時間切れを防ぐための対策

① 「文章タイトル+設問条件」の先取り読みを徹底する

評論・小説・資料読み取りのすべてで、本文を読む前に文章タイトルと設問条件を先に読みましょう。

これにより本文の読み方の視点が定まり、効率的に重要な箇所を見抜けるようになります。

② 現代文では注釈は原則スルーする

古文や漢文とは異なり、現代文の注釈は基本的に飛ばして構いません。

注釈に時間を割かず、本文の理解に集中することで時間短縮が可能です。

③ 評論文では「最終段落」も先に読む

評論は結論や主張が最終段落にまとめられていることが多いため、最終段落を先に読むことで本文の全体像や筆者の主張を早くつかめます。

④ 設問の選択肢は8割程度が同じ表現、残り2割で正誤判断する意識を持つ

評論や小説の設問では選択肢の表現が似通っていることが多いです。

差異となる部分や数単語に注目し、そこを基に正誤を迅速に判断できる力を養いましょう。

⑤ 誤りの選択肢の典型例を知っておく

スタディサプリなどの授業で紹介される「誤りの選択肢の典型例」を学んでおくと、選択肢の見抜きが格段に速くなります。

パターン認識で効率的に解答を進めましょう。

⑥ 語彙力を強化し、本文読解と選択肢カットをスピーディに行う

語彙力は知識問題にとどまらず、本文の正確な理解や選択肢の絞り込みに大きく役立ちます。日頃から語彙を増やすことで、読解スピードも自然とアップします。

古文・漢文の時間切れを防ぐための対策6選

古文・漢文の時間切れを防ぐための対策

①重要古文単語は秒速で意味が出てくるようにする!

問1のためだけではなく、本文を正確に速く読むために、重要単語の意味はすぐに頭に浮かぶくらいにする必要があります。

「悩んで思い出しながら」では、すぐに時間は過ぎてしまいます。

②重要古文文法や重要句法(漢文)も秒速でわかるようにする!

たとえ文法の単独問題がない形に戻ったとしても、文法が理解できていなければ、本文が正しく読めるはずがありません。

ただし、覚えたとしても、思い出すまでに時間がかかるレベルであれば、やはり時間切れとなってしまいます。

特に読解に必要な識別など、秒速で説明できるようにしましょう。

③選択肢は視野を広げて横に見る!

選択肢を横に見比べて、何を問うているのか設問の意図を見抜きましょう。

共通部分は当然ですが合っている箇所なので、それを読解に利用するのも一つの手です。

④明らかにおかしなところがある選択肢は途中でも即切る!

一つひとつの選択肢が長い場合が多いです。明らかに間違っている部分があれば、最後まで読まずとも、その選択肢は切りましょう。  

⑤自分の決めた戦略(時間配分)に沿って解く! 

決めた時間がきたら途中でも割り切って次の大問に進みましょう。

もしくは、日々の練習のなかで、「○分までなら時間オーバーOK」などと決めておき、その場合はどこで調整するかも決めておきましょう(例:通常戦略は「古文20分、漢文15分」。ただし、「古文22分」までは許容。その場合、「漢文13分」とする)。

⑥古文常識や諫言など、よくあるパターンを理解する!

古文では恋愛や出家、また、病気や死が絡む話などが、漢文では諫言(臣下が主君に忠告すること)の話などで、主君を説得するために過去の例を話したり、主君が反省して国が栄えたりするのもよくある話です。

古典はよく似た話が多いので、オチが想像できたり、道筋がある程度予測できるようになると、早く読めるようになります。

共通テストを受験する高校生へメッセージ

小柴先生からのメッセージ
\現代文担当の小柴大輔先生からのメッセージ/
50万人の受験生、全国5000校の高校国語教員から文句のでないよう選択肢の正誤は明らかになるように作られています。

正解は常に眼前にある!


岡本先生からのメッセージ
\古文・漢文担当の岡本梨奈先生からのメッセージ/

共通テスト「国語」は最終的には時間との勝負になるはずです。

ですが、まずは時間は気にせず、きちんと正解できる力をつけましょう。時間を意識するのは、それができてからです。

正しく読解できるようになれば、どの大問から解くか、各大問に何分かけるか、自分なりの戦略を立てましょう。

上記の時間配分はあくまでも「おすすめ」です。一つの目安として参考にしつつ、自分で試していきながら確定させることが必須です。

自分のベストを見つけたら、模試でも過去問演習でも常にぶれずに、ご自身の戦略で挑んでください。

読解力がカギ!まずは本文を正確に読み取ろう

今回は、設問がより実用的かつ複合的になった共通テスト国語について、配点や出題傾向、時間配分のポイントや時間切れを防ぐコツなどを、小柴先生と岡本先生に詳しく教えていただきました。

実際の問題では、評論や小説に加えて、グラフや資料の読み取り問題も出題され、限られた時間内での処理力が求められます。 まずは本文を正しく読解する力を身につけ、そのうえで時間配分を意識した練習に取り組んでみてください。

語彙や文法、設問形式のパターンを押さえ、「瞬時に理解・判断できる力」を養うことが、時間切れを防ぐ最大のポイントです。

先生方のアドバイスを参考にしながら、実際に時間を計って過去問や模試に繰り返し取り組み、演習を重ねてみてください。 また、「志望校のパンフレットを見るとやる気が出る!」という受験生も多いため、資料請求をしてモチベーションアップにつなげるのもおすすめです。

文・監修/小柴大輔・ 岡本梨奈 構成/黒川安弥