ノートのまとめ方・取り方のコツ21│成績UP!テスト勉強に使える!ノート作りの極意

日頃の授業でも、試験や受験のための勉強でも、勉強とは切っても切り離せないのがノート。みんなが毎日使うものなのに、「どうやってまとめればいいか」を教えてくれる人ってなかなかいないよね。

でも、ノートのまとめ方が変われば確実に自分の勉強法は変わるし、それによって成績アップや志望校への合格率を上げることだってできる。そこで今回の記事では、ノートのまとめ方に悩んでいるキミに、具体的なノートのまとめ方の極意を伝授!用意するノートの種類や、具体的なまとめ方のポイントや注意点を、わかりやすく解説するよ!

目次

気になるところから読んでOK!あとで見返せるように、お気に入りに入れておこう。
教えてくれたのは

みおりん さん
2019年、東京大学法学部卒業。そのあと、IT企業に就職するが2020年に独立。勉強法デザイナーとして、自身の経験をもとにリアルに役立つ勉強法などをSNSで発信するほか、文房具のプロデュース、講演活動や書籍の執筆など、幅広く活躍している。

ノートを取る目的は?

そもそも、なぜノートのまとめ方って、そんなに大事なんだろう?

みおりんさんに聞いてみると、「ノートの中身は、頭の中身と同じ」という言葉が返ってきた!つまり、ノートをしっかりと整えられると、自分の頭のなかもすっきりと整理できている状態になれるんだそう。そのうえで、ノートをすっきりとまとめることには、以下の3つのメリットがあると教えてくれた。

・頭のなかのごちゃごちゃが整理される
・思考が論理立ててできるようになる
・学んだことを人に伝えられるようになる


学校や塾での勉強でいろいろなことをインプットしていると、実はキミの頭のなかは整理されていない情報でいっぱいになってしまう。それを整理していくことで勉強するときの道筋が明確になるし、気になる点やわからない部分が明確になると、日常的なモヤモヤも解消される。「何から手をつけていいのか、わからない」という状態だとしても、考えがすっきり整理されると、「次に何をやるべきか」がちゃんと見えるようになるんだ

ノートのまとめ方のポイント4つ

ノートのまとめ方のポイント4つ
まずは、ノートのまとめ方の心構えを伝授!
では、具体的に勉強したことをノートにまとめていく時には、どんなことに気をつければいいんだろう。みおりんさんにノートのまとめ方の具体的なポイントを教えてもらった。
私が考える、ノートのまとめ方の大事なポイントは4つです。

・授業、演習、暗記と3種類のノートを用意する
・階層構造を意識する
・見返すことを第一に考える
・書き込みができるように余白を作る


それぞれについて、詳しく解説しますね。(みおりんさん)

授業用、演習用、暗記用と3種類を用意する

私がおすすめするのは、用途別に3種類のノートを作成する勉強法。授業用のノートは、普通にみなさんも作ると思うので、それ以外の2種類について解説しますね。

演習ノート

こちらは、ひたすら問題を解くためのノート。用途だけで考えると、チラシの裏でもコピー用紙でもなんでもいいのですが、蓄積しておきたいという方は、ノートやルーズリーフを使うのがおすすめです。ただ、実際に見直して使う用途が薄いので、1冊終わったら捨ててもかまいません。

また、教科ごとに分けずに、同じ1冊を全教科共通で使うようにしましょう。

暗記ノート

覚えられなかったこと、苦手な部分をまとめておくノートです。逆に言うと、わかっていることや得意なことまでまとめ直す必要はありません。何冊も用意するとかさばるので、できれば1冊、私は手のひらサイズのルーズリーフファイルを使って、教科ごとに紙を色分けしていました。

また、重要な部分をオレンジ色のペンで書いておき、赤シートで隠して問題を解き直せるようにします。そうすることで、インプットとアウトプットの両方ができる、自分の苦手がすべてまとまった一冊ができあがります。(みおりんさん)

階層構造を意識する

授業で習うことのほとんどは、階層構造になっています。例えば、教科書を見ていただくと、単元ごとに1.2.3……と番号が割り振られ、さらに細かな内容を解説するページには、1-1、1-2というふうに、細かく番号が分かれてたりしますよね。ノートをまとめる上でも、この階層構造を意識することは、とても大切。階層構造がしっかりわかっているということは、「自分が何を勉強しているのか」を理解している、ということでもあるからです。

いきなり細かな情報を暗記し始めるのではなく、「今どこの何を勉強しているのか」を意識すること。それだけでも、学んでいることへの理解はかなり深まります。(みおりんさん)

見返すことを第一に考える

私はよく、ノートをまとめる勉強効果についてお伝えするときに、「書くのが3割、見返すのが7割だよ」というお話をします。ノートのまとめ方だけでなく、基本的に「最初の学習が3割、復習が7割」くらいの重要度の違いがあると考えています。

つまり、ノートをまとめるときには「見返したときにわかりやすく書く」という視点をもつことが非常に重要。ノートまとめの命と言ってもいいかもしれません。(みおりんさん)

書き込みができるように余白を作る

私は、ノートは最初にまとめたときに完成するわけではないと思っています。むしろ、一度の学習で、習ったことをすべて理解できる人はいないですし、本来、アップデートされてしかるべきもの。そういう意味で、ノートは「完成させるもの」ではなく、「どんどん進化させるもの」だと考えるといいと思います。

あとから知ったことを書き加えたり、間違いがあれば修正したり。そのために、余白を作っておくことがとても大事です。(みおりんさん)

成績が上がる!ノートのまとめ方・取り方のコツ21

成績が上がる!ノートのまとめ方・取り方のコツ 21
全部を一気に実践するのは大変。少しずつ取り入れてみよう!
ではここからは、みおりんさんに教えてもらった、具体的なノートのまとめ方の極意を紹介していく。

1.基本的なレイアウトを決めておく

ノートをまとめるときには基本的なレイアウトを決めておく
ノートは、あとで見返しやすくまとめることが重要。そのためには、「どこに、何が、書いてあるのか」をわかりやすくしておきたいところ。そのため、教科ごとに基本的なレイアウトを決めておこう。それに、レイアウトを線で区切る場合はボールペンで書いておくと、消しゴムを使っても消えなくなる。

2.日付、教材名とページ番号、問題番号を書く

ノートを取り始める際、上の欄には日付、教材名、ページ番号を書いておく
大体のノートには、上のほうに日付やタイトルが書きこめるスペースがある。そこに、日付と、参照した教材名、そのページ番号の3点セットをかならず書くようにしよう。また問題を解いた場合は、かならず問題番号も書くように。そうすることで見返したときにもすぐに教科書までたどって確認ができるようになる。

3.ノートは、見出しと箇条書きが基本

ノートをまとめるときは、見出しと箇条書きが基本
ノートをまとめるときには、基本的には文章を書かずに、見出しと箇条書きのみでまとめていこう。これは、勉強していることの階層構造を理解するためと、見返したときにわかりやすくするため。それを基本的なレイアウトにして、作りたい人はメモ欄を作ってもOKだ。

4.余白はぜいたくにとっておく

メモが書き込めるよう余白をつくったノート
ノートの余白はぜいたくにたっぷりとるのがおすすめ。そのほうが見やすくなるし、情報やメモの追加もしやすくなる。ノートを大事に使おうという意識も大切だけど、頭に入ってこなかったら、結果的にはノートの効果が低くなり、役立ちづらくなってしまう。

5.情報の強弱を意識する

見出しをしっかり目立たせたノート
授業で習うことのなかには、重要な情報と、そうでもない情報があり、僕たちは無意識にそれを分けて覚えているんだ。ノートをまとめるときには、その重要な情報かどうかを、意識的に判別していくことが大切。ノートを書きながら決めなくてもいい。全部を書いたあとに全体を眺めて「どの情報が重要なのか」を考えて目立たせるようにできると、より見返しやすくなる。

6.メモエリアを作る

ページの右側に、メモが書ける欄を自分で作成した数学のノート例えば、ページの右側4分の1くらいの場所に縦線を引いて、メモエリアを作っておくと、気づいたことや授業後に先生に質問したいこと、補足などが書き込める。また、みおりんさん直伝のメモのコツとして、授業中に感じた自分の感情を書いておくと、あとあと思い出すフックになる。
例えば、歴史で「この皇帝ひどすぎる!」とか、雑談や、授業から脱線したときの話とか。私の場合、いつもYシャツで来る先生が、ある日、Tシャツできたことがあって、みんなで授業中に問い詰めたら「奥さんとけんかして、アイロンをかけてもらえなかった」ということがありました(笑)。そんなことを書いておくと、そのとき習ったことまで思い出せるんですよね。(みおりんさん)

7.色数を増やしすぎない

シンプルに2色のみで書かれたノート
情報の強弱がわかれば、重要な情報を目立たせることができるけど、そのとき、色数を増やしすぎると、かえって目立ちづらくなってしまう。大事なのは、一目で重要なポイントがわかること。特に、マーカーを使うときは、「ここぞ!」という部分に絞らないと目立ちすぎてしまうので注意が必要だ。

8.色ペンの意味を決めておく

ペンの色ごとに意味をもたせ、まとめられたノート
気分で色を選ぶのではなく、色に意味をもたせると、見返したときにもわかりやすくなり、かつ結果的に色数もしぜんと絞られていく。この色分けルールは、事前に決めておき、全教科で共通のルールにしておきたい。例えば、色によって、以下のように意味を分けたりできる。

色分けルールの例
赤  … 先生の解説などで、初めて知った重要なこと
緑  … 先生の解説などで、知っていたけど重要なこと
水色 … 単語や熟語の意味
青  … メモなど、それ以外のなんでも
色分けをしておくと、例えば試験前に復習をしたいとき、全部を読み返す時間がないときでも優先して赤で書いた部分だけを見直す、時間に余裕があれば緑まで見直す、と復習のレベルを調整できますよ。また、色のルールが自分に定着していないうちは、ノートの最初のページなどに色分けルールを書いておくと、すぐに見直すことができます(みおりんさん)

9.よく使うマーカーは、控えめな色に

派手な色を使いすぎず、控えめな色でまとめられたノート
例えば、大見出し、中見出し、小見出し、と3段階の見出しすべてにマーカーを引くとき、一番多く登場する小見出しに黄色やピンクなどの目立つ色でマーカーを引いてしまうと、大見出しや中身出しよりも、小見出しばかりが目立ってしまう。

もし、小見出しにマーカーを引く場合、グレーなどの控えめな色を選ぶと、全体の目立ち方がすっきりして、見やすくなる。
グレーマーカーを使うと、ぐっと大人っぽくて落ち着いた印象になりますよね。最近は、「グレーマーカーの活用法を教えてほしい!」というお声をいただくことも増えてきたくらい、グレーマーカーの使い方はアイデア次第でいろいろできます。例えば、ピッと正方形になるくらい短く引いて、チェックボックス代わりに使うとか。ぜひいろいろ試してみてください!(みおりんさん)

10.同系色で揃えると、まとまりがよくなる

カラフルにせず、同系色でシンプルにまとめられた見やすいノート
いろいろな色を使ってごちゃついてしまったり、かえって見づらくなってしまうときには、あえて同系色の色使いにまとめるのもおすすめ。そこにグレーマーカーを足せば、ぐっと大人っぽいノートに。センスに自信がない人は、ぜひ試してみて!
「ノートをきれいにまとめる」というのを意識しすぎなくてもいいですが、きれいなほうが見返すときのモチベーションが上がるのなら、意識してもいいと思います。ただし、「きれいにまとめる」が目的になってしまうと本末転倒なので、あくまで目的は「勉強のため」ということは忘れないでください。(みおりんさん)

11.まずはすべて黒で書く

色ペンで書き込む前に、シャーペンのみで書かれたノート
例えば、授業中にノートをとっていると、ペンを持ち変えるだけでもけっこうな手間がかかってしまう。それなのにカラーペンで色分けしながら書いていたら、効率が悪くなるよね。

まずはすべてをシャーペンかボールペンで書いたうえで、あとからカラーペンで、下線や波線を引く、丸を付けるなどをすると、効率よくノートがまとめられるようになるよ。また、カラーペンではなるべく文字を書かないようにするのがおすすめ。

12.書き間違えが少なければボールペンもおすすめ

シャーペンとボールペンを比較すると、ボールペンのほうが濃く書けて、消せないと言う特徴がある。どちらかだけを選んで使っても構わないが、おすすめなのが、ボールペンとシャーペンを使い分けること。絶対に変わらない確定情報をボールペンで書き、補足情報や、自分の考えなどをシャーペンで書き込むなどすると、色数を増やさず、見やすさを保ったままノートのなかの情報量が増やせる。

ただ、ボールペンは“消せない”ので、問題を解くなど消しゴムを使う場合は、シャーペンがおすすめだ。

13.半透明ふせんや資料のコピーで、イラストや図を入れる

半透明のふせんを使って、イタリアの半島を図に起こしてまとめたノート
時にはノートに図解やイラストを入れるのも、理解度を高めるには効果的。といっても、図やイラストを書き写すのは、時間もかかるし、苦手な人も多い。そういうときは、半透明のふせんを使ってみよう。教科書の図の部分にふせんを貼って、トレースしてから、ノートに貼り付けると、精度が高く描けるようになる。また、複雑な図やイラストならば、コピーを貼っておくのもおすすめだ。

14.二つ以上を比較するときは、表を使う!

比較対象を表にしてまとめたノート
二つ以上の事柄を比較するときには、表も活用したい。定規を使わなくてもいいように、縦線が引きやすくなっているタイプのノートを使えば、手書きでもいい感じに書きやすくなる。

15.記号を決めておく

古文の単語の活用などをマークでわかりやすくしているノート
授業でノートをとっているときには、先生の言葉が速く、急がなきゃいけないこともあるよね。そういうときに、よく使う言葉などは記号化しておくと、少しでも時短ができるようになる。

例えば、以下のようなものを記号にするのがおすすめ!
東軍⚔️西軍 戦争マーク
丸テ テストに出やすい部分
丸用 連用形
丸体 連体形
  わからなかった部分
王冠 王様や皇帝
※「丸○」と書いてあるのは、○の言葉を丸で囲むという意味です。

16.ミニクイズを作ってみる

ノートに付箋を貼り、自作のミニクイズを作ったページ
インプットだけではなく、アプトプットをすることで人間の記憶は定着しやすくなる。そこでおすすめなのが、ノートのなかに自分でミニクイズを作ること。自分が忘れそうな部分は、問いの文章を書き、その下に答えを書いておく。答えの部分にふせんをはって隠しておけば、見返したときには、ミニクイズとして楽しみながら思い出せるようになる。

17.わからない部分をそのままにするのはNG

数学のわからなかった箇所をメモしておいたページ
勉強で一番大事なことは、「わからないことをわかるようにしていく」こと。授業であれ、自宅学習であれ、わからない部分が出てきたら放置せずに、かならずわかる人に聞くか、調べるかしよう。その場で解決するのが難しければ、ノートなどにメモをしておき、あとでかならず解消するようにしよう。
わからないことは先生でも友達でも、わかる人に聞くようにしてください。今だったら、AIに聞いてみるのもいいかもしれません。ただしAIの場合、特に歴史などでは不正確な情報や、偽の情報が出てくるケースもあるので、十分に注意してください!(みおりんさん)

18.ちょい足しふせんを活用する

「ちょい足しふせん」を使ってページを拡張したノート
ノートの書き込みが足りなくなったときに役立つのが、ちょい足しふせん。これがあれば、スペースが足りないときでも簡単に増量できるようになる。

19.ふせんを使いすぎない

マーカーと同じく、ふせんの多用も結果的には、どこを見ればいいのかがわかりづらくなってしまう。色の使い方と同じく、ふせんに関しても自分で貼るときのルールを決めておくのがおすすめ

また、用途次第でふせんの使い分けも重要。紙のふせんは折れたり破れたりしやすく、しおりとして使うならフィルムの付箋のほうがベター。ノートの中に貼って書き込みを加えたりしたい場合は、紙のふせんを使おう。

20.ふせんで内容をタグ付け

ノートに色分けされたふせんが貼られ、インデックスしやすくなっている
復習をするなかで、例えば「各時代の文化史を比較したい」という場合に使えるのが、ふせんでタグ付けをしておくこと。例えば、赤のふせんは文化史、青のふせんは外交史というふうに貼っておくことで、まとめて文化史だけ、外交史だけをおさらいできるようになる。

21.背表紙にマスキングテープを貼ってバックナンバー化

背表紙にふせんが貼ってあり、一眼で何冊目かわかるノート
過去のノートを整理したいけど、背表紙に文字が書けるノートは少ない。そういう場合は、背表紙にマスキングテープを貼っておくのがおすすめ。例えば、1冊目は1枚、2冊目は2枚……というふうに、背表紙に貼る枚数を増やしておけば、本棚などに並べたときでもいつのノートなのか、わかるようになる。
私は、マスキングテープを縦半分に切って細くしてから貼っていました。そして、冊数がたまってくるので、5冊たまったら切らずに張った1枚が5冊分。そろばんみたいなイメージで、増やしていっていました!(みおりんさん)

テスト勉強に役立つ!教科別ノートのまとめ方

テスト勉強に役立つ!教科別ノートのまとめ方
授業用のノートは教科ごとの使い分けが大切!
続いて、教科別の授業用ノートと、暗記用ノートのまとめ方もご紹介。テスト前や受験勉強時に復習しやすい、ノートのまとめ方をぜひ実践してみよう。

英語  ノートのまとめ方

授業用ノートは基本レイアウトをしっかり固める

きれいにまとめられた授業用の英語のノート
英語の授業ノートは、見開きで一つのレイアウトと考えて使おう。左ページには①英文と②単語、右ページには左ページの③和訳と、④授業メモを書いていく。予習の段階で、①〜③までを埋めておき、④の部分にそれから授業にのぞんで、授業メモをとりながら、①英文や③和訳にもわかりやすい補足情報を書き足していくようにすると、まとめやすい。

暗記用ノートはわかりづらい単語や熟語をまとめておく

覚えられなかった英単語をまとめた暗記ノート
英語の暗記用ノートは、主に単語や熟語の学習と、苦手な文法や構文などについてまとめる。

苦手な単語・熟語の学習では、例えば、「opposite」と「opposition」のような似ている綴りの単語や熟語などを並べて書き、どういう違いがあるのか自分で覚えやすくなるようなメモを書き添えておくといい。苦手な文法は、文章構造をとにかくわかりやすく書くことを意識して、まとめておこう。

数学  ノートのまとめ方

テスト勉強に役立つ!教科別ノートのまとめ方
間違えてしまった解答も、残しておこう!

授業用ノートは自分の思考の跡を残しておく

きれいにまとめられた授業用の数学のノート
数学の授業ノートも、基本は英語のときと同じく、基本レイアウトは見開きで一つ。左ページには、①授業の予習問題、②解いているときのメモを、右ページには③授業中の正しい解答、④解き方のポイントを書いていく。自分が解いたときにメモすることで、「自分は、どの部分がわからずに解けなかったのか」と、「正しい解答」での解き方の差が明確になっているのが重要なポイント。

暗記用ノートは公式、定理、解法のテクニックをまとめる

数学の解法をまとめた、暗記ノート
数学の暗記ノートでは、公式、定理、解法のテクニックを具体的に、実戦で使えるようなイメージでまとめておく。特に公式や定理の場合、それ自体だけを書くのではなく、それに至るまでの証明などもまとめておくと、あとから見返したときに理解がしやすくなる。
中学生のときに、数学の授業中に定理や公式などを習うと、それを「定理表」という一枚の紙にまとめる時間がありました。最終的には、その一枚の紙に習ってきたすべての定理と公式がまとまった状態になるんです。それが、受験直前にもお守りのように役に立ってくれました。(みおりんさん)

国語(古文) ノートのまとめ方

テスト勉強に役立つ!教科別ノートのまとめ方
同じ語学分野だけあって、ノートまとめの基本は英語と同じ

授業用ノートは基本レイアウトをしっかり固める

きれいにまとめられた授業用の古文のノート。縦に使っている
古文の場合は、ノートを横ではなく縦に使い、縦書きでまとめていくことになる。上ページには①古文、②古文単語を、下ページには③現代語訳、④授業メモを書いていく。予習の段階で①〜③までを埋めておき、授業中には④にメモをしながら、①と③にも補足情報を加えていく。

暗記用ノートは新出単語や活用、文法などをまとめる

古語を覚えるためにまとめられた暗記用ノート
古文の暗記ノートでは主に新出単語や活用、文法などをまとめていくのがおすすめだけど、単語は単語のみでまとめたほうが振り返りやすくなるよ。ノートの半分の場所で線を引き、線の上側に古文単語を、そして下側にその意味を赤系のペンで書いていく(複数ある場合は全部書く)。そうすることで、自分だけの単語帳ができあがり、赤シートで隠して確認ができるようになる。

国語(現代文) ノートのまとめ方

テスト勉強に役立つ!教科別ノートのまとめ方
現代文は、授業スタイルによっても異なってくる。自分のやり方を見つけよう!

授業用ノートは自分用の小テストを作っていく

きれいにまとめられた授業用の現代文のノート多くの場合、授業中に先生が出した問いは、そのままテストにも出てきやすい。そのため、その問題と授業中に出した自分の答え、そして先生の模範解答を書いておくとテスト勉強の時に振り返りに使える。特に、先生が言った模範解答を赤系統のペンで書いておくと、赤シートで隠せば自分用の模擬テストができあがる。

暗記用ノートは問題の解き方や、文章構造などをまとめる

国語テストの解法をまとめた暗記用ノート
現代文の場合、受験では解き方のテクニックや解法のポイントが、問題を解く速さや正確性につながってくる。そのため、「これは覚えておきたいテクニック」と思うものがあれば、暗記用ノートにまとめておくのがおすすめ。例えば、「“いわば〜”と書いてあったら、そのあとに続く文章は、その直前と同じ内容を言い換えたものが来る」というように。模試の模範解答など、自分が文章構造を書き込んだプリントなどを挟んでおくのも効果的だ。

理科  ノートのまとめ方

授業用ノートはなるべく図、イラスト、表を入れる

きれいにまとめられた授業用の理科のノート
理科系の教科ではただ用語を暗記するのではなく、ビジュアル化して覚えることが非常に重要。階層構造と箇条書きを意識してまとめ、余白を多めにとって図、イラスト、表を書き込めるスペースを確保するようにしよう。図を描くのが苦手だという人は、教科書や資料集をトレースできる半透明のふせんを使うのがおすすめだ。

また、実験などは教科書に正解が書いてあるが、たとえ間違っていたとしても自分なりに考えて、仮説を立てたり、結果を考察することが大事。なるべくノートにも、自分が考えたことを残しておこう。考えるクセを付けると、応用問題が出たときでも柔軟に発想できるようになるし、将来社会に出てからも役立つはず!

暗記用ノートは混同しやすいポイントを一緒にまとめる

まぎらわしい箇所を覚えるためにまとめた理科の暗記用ノート
生物や地学の場合は用語の暗記、化学や物理の場合は公式などを覚えることが多いけど、意識するのは、ただ丸暗記をするのではなく「なぜそうなっているのか」までを理解して覚えておくこと。特に、「相同器官と相似器官」「電磁誘導と誘導電流」「火砕流と土石流」など自分のなかで混同しやすいポイントは、一緒にまとめて区別できるようにしておこう。何か二つ以上を比較するなら、表を作るのもアリだ!

また、部位の名称など、覚えづらいものは図やイラストを描き、名称部分を赤ペンで書いておけば、赤シートで隠して、自分用の小テストにできる。

社会  ノートのまとめ方

テスト勉強に役立つ!教科別ノートのまとめ方
いかに自分が覚えやすくできるかが鍵!

授業用ノートは覚え方や気づきで印象付けを

きれいにまとめられた授業用の日本史のノート
社会は、5教科のなかでも一番覚えるべきことが多い教科。ただし、それも丸暗記をするだけではなかなか記憶に定着させづらい。そこで大事なのが、印象付けの作業。例えば歴史なら、用語や年号にストーリーをつける、地理なら地図のビジュアルと豆知識を、公民なら日常生活などと結びつけると、関連づけて覚えやすくなる。階層構造と箇条書きを意識してまとめ、余白には覚え方や気づいたことを積極的に書き込んでいくようにしよう。

また、可能であれば社会の授業用ノートは、そのまま赤シートで隠して、小テストとして復習できるようにしておくのがおすすめ。重要な語句はカッコでくくって赤ペンで書く、穴埋めプリントの答えは赤ペンで書くなどしておくと、もう一度ノートをまとめなおす必要がなくなり、便利だ。
例えば、世界史や日本史の授業では、地図を使った解説も多いと思います。そういうときは、毎回地図を書くのは大変なので、白地図を事前に多めに印刷しておいて、それをノートに挟んでおくと、すぐに取り出せるのでおすすめですよ。(みおりんさん)

暗記用ノートはなるべくビジュアル化して、理解を深める

ビジュアルを盛り込んだ日本史の暗記用ノート
社会に関しても、ビジュアル化して覚えるのはとても大切。特に暗記用ノートにまとめることは、自分が理解できていないことが中心なので、理解を深めるためにもビジュアルを使ってまとめておくことが大切だ。配られたプリントのコピー、資料集などのコピーを積極的に貼ったり、挟んだりしていこう!

ノートを取るときにやってはいけないNG行動

ノートを取る時にやってはいけないNG行動
ノートまとめのNGは、几帳面な人ほど陥りやすいから注意!
ここまで授業と自主学習の両方で使える、役立つノートのまとめ方の極意を解説してきたけど、ここからは逆に、ノートのまとめ方で「やってはいけないNG」なことを解説していく。

教科書に書いてあることを全部まとめようとする

ノートをまとめるうえで、一番やってはいけないのが「なんでもかんでもまとめようとする」こと。ノートをまとめる大きな目的は「頭のなかで整理されていないことを抽出して、ビジュアル化して整理する」ということです。

特に、暗記用ノートを作るときには、まずノートを書き始める前に「今日はこういう目的でノートを書くぞ!」ということを最初に言語化しておくといいと思います。

きれいさ、かわいさを優先してしまう

必要以上にカラフルにしたり、きれいにまとめることを意識しすぎて書き込みが少なかったり。ノートをまとめるモチベーションがあるのはいいことですが、見た目が最優先になってしまうと本末転倒になってしまいます。最初にもお伝えしましたが、「ノートには完成はない」ということを意識して、常に進化させていくつもりで、成績アップのためにノートを最大限活用しましょう。

暗記用ノートに、理解していることを書いてしまう

ここまでにも何度かお伝えしていますが、「よし、暗記用ノートをまとめよう!」と書き始めると、几帳面な方ほど「自分が理解していること」も含めてまとめようとしてしまいます。暗記用ノートを作る際の極意は、「なるべく簡潔に書く」です。ピンポイントで自分がわからないことだけを抽出するだけで、ちゃんと自分の苦手が克服できるノートができあがります。

じゃあ、「何が理解できているかどうか」の基準ですが、まずは「問題や定期テストを間違えた」「模試で間違えた」ことを書くといいと思います。それだけだと不安ならば、偶然正解したものや、正解したけどよく理解できていないもの、なども含めてかまいません。

ノートの選び方に関するギモンQ&A

まとめ方の極意のほか、ノートに関してよくある疑問もみおりんさんに聞いてみた!

Q.ノートとルーズリーフは、どちらのほうがよい?

まず、前提としてルーズリーフとノートに学習効果の差はないので、そこまで神経質になる必要はありません。そのうえで、ルーズリーフの利点は、「自由に枚数を増減できる」「順番を入れ替えられる」ということ。例えば、暗記用ノートのような最終的に何枚になるのかわからないもの、教科ごとに順番を入れ替えたいものは、ルーズリーフが適しているといえるでしょう。

また、プリントが頻繁に配られる授業でも、ノートと一緒にプリントをまとめておけるので、ルーズリーフタイプがおすすめです。

一方で、例えば先ほど紹介した英語、国語、数学の授業用ノートのように、見開きで一つのレイアウトとして使うものは、バラバラになる心配がない普通のノートが適しているといえます。(みおりんさん)

Q.ノートはどんなサイズがおすすめ?

ノートの大きさについて、授業用ノートは基本的なB5サイズのもので大丈夫だと思います。

暗記用ノートに関しては、B6やA5サイズ程度の、もう少し小さいものだと持ち運びがしやすく、模試や受験会場にも持っていけて、お守りがわりになります。(みおりんさん)

Q.罫線は、どんなタイプを選べばいい?

私のおすすめは、基本的な横罫線が引かれていて、定間隔でドットが書かれているもの。表やグラフを書くときに、縦のラインをまっすぐ引きたくなることがあるので、まったくの横罫線だけよりもフリーハンドで描きやすくなっています。また7mm幅のA罫、それよりも少し小さく6mm幅のB罫がありますが、それはご自身の文字の大きさによって、好みのものを選んで大丈夫ですよ(みおりんさん)

まとめ:整理整頓できると、結果的に労力が減る!

まとめ:整理整頓できると、結果的に労力が減る!
ノートをまとめて、自分の頭のなかもすっきり整理しておこう!
ここまでノートのまとめ方のコツを紹介してきたけど、一度にすべてをインプットして実践していくのは難しい。

みおりんさんも、「自分なりのノートのまとめ方にたどり着くまでには、半年〜1年間くらいの時間がかかるもの」と教えてくれた。時間はかかるけど、これが定着したらきっとキミの日々の学習は劇的に変わるはずだ。ただ、記事のなかでも何度も伝えてきたように、ノートまとめはあくまで成績アップや志望校への合格といった、大きな目的のためにするもの。「ノート自体をきれいにまとめる」ことが目的になってしまわないように、改めて意識して取り組んでほしい。

最後に、高校生のみんなに向けてみおりんさんからメッセージをいただいた。
私自身、元々中学生のころにはなんでもかんでもノートに書き殴って覚えようとしていくタイプでした。それはそれで学習効果ももちろんあるとは思いますが、途中で「ここまでやらなくてもいいんじゃないか?」と感じたことがきっかけで、自分なりのノートのまとめ方を模索していくようになりました。

それに、勉強するときに過去のノートをいくつも引っ張り出してきたりするのも嫌でした。つまり、私のノートまとめは「いかに省エネ化するか」ということが前提にあって、「整理整頓したほうが、結果的に労力が減る」と感じたからたどり着いた方法なんです。

だからこそ、暗記用ノートは「間違えたもの」「苦手なもの」しか書き込まないし、すべての教科を1冊にまとめていました。当時の私は、多分「これだけ持っていれば、苦手な部分がすべて復習できるんだ」というノートを作りたかったんだと思います。

みなさんも、この記事のやり方を参考にしながらできるだけ効率化と時短を意識して、自分なりのノートのまとめ方を見つけてみてください。  (みおりんさん)

取材・文/郡司しう 取材協力・監修/みおりん 構成/寺崎彩乃(本誌)
※2025年10月の取材に基づいています。

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