複雑な歴史はマンガで学ぼう! 歴史が楽しくなるマンガ5選
偉人の名前に年号、時代背景と、とにかく覚えることが多い歴史の授業。
それをひたすら暗記していくのは、正直つらい…。もっと楽しく歴史を学べる方法があったらいいのに!
「そんな悩みを抱える人には“歴史マンガ”がおすすめです。歴史を取り扱ったマンガは、架空の人物が登場したり、フィクションが含まれていたりもしますが、起こるできごとや登場人物同士の人間関係は、歴史に忠実に描かれている作品が多いんです。そのため、読むだけで歴史の勉強になるんですよ」
とは、『頭がよくなる! マンガ勉強法』著者の本山勝寛さん。そこで、歴史の勉強に役立つおすすめマンガを教えてもらった!
■『信長協奏曲』(石井あゆみ/小学館)…戦国時代
「昨年、テレビドラマ化もされた作品ですね。戦国時代を勉強する時は、鉄砲やキリスト教の導入など織田信長が行った新しい政策を知るのが重要です。このマンガは、『戦国時代にタイムスリップした高校生・サブローが信長の代わりになって生きる』という設定なので、現代っ子のサブローの視点で難しい政策がわかりやすく描かれています。また、信長の家臣の明智光秀は『ミッチー』、信長の妹のお市の方は『おいっちゃん』など、あだ名で呼ばれているので複雑な人間関係も覚えやすいですよ」
■『風雲児たち』(みなもと太朗/リイド社)…江戸時代
「江戸時代をコミカルに描いた“歴史ギャグマンガ”です。この時代は、幕府で政治を行う“老中”が次々と変わるので、誰がどんな政治改革をやったのか混乱してしまいますよね。この作品では、商人に自由に商売をやらせた老中・田沼意次は頭の柔軟な人物に、庶民に厳しく節約をさせた老中・松平定信はカタブツな性格に描かれており、それぞれの改革の内容と歴史的意味を考えさせてくれます。また、この時代の医学書『解体新書』を“買いたい新書”と紹介するなど、歴史用語が覚えやすくなるダジャレも登場しますよ」
■『日露戦争物語』(江川達也/小学館)…明治時代
「明治以降の戦争は、『どの国がどっちの味方か』という国際関係が複雑にからんでくるので、覚える内容も難しくなってきます。このマンガは、若き軍人参謀・秋山真之(さねゆき)の目線で、日清戦争から日露戦争までの時代がドラマティックに描かれています。戦争が起こるまでの経緯や戦地の様子、さらに敵国ではどんな話し合いがされていたのかということまで細かく描写されているので、ただ暗記するのではなく、その時代の背景を深く理解できます」
■『我が名はネロ』(安彦良和/中央公論新社)…世界史・古代ローマ時代
「世界史では、ことあるごとにキリスト教に関係のある事件がたくさん起こるので、そもそもキリスト教がどんな宗教なのかを知るのが重要です。この作品では、キリスト教を迫害したローマの皇帝・ネロを主人公に『当時まだ新興宗教だったキリスト教がどのようにして民衆の間に広まったのか』が描かれます。また、ネロの家庭教師だった哲学者“セネカ”や、キリスト教を世界に広げる基礎を築いた“パウロ”など、試験に出題される重要人物も登場します。古代ローマ史とキリスト教を勉強したい人にはおすすめの作品ですね」
■『火の鳥』(手塚治虫/角川書店)…弥生時代~平安時代
「全編を通して、その血を飲むと永遠の命が手に入る“火の鳥”が登場します。平安末期に火の鳥を巡って源氏と平家が争ったり、源頼朝と弟の義経が不仲になった原因も火の鳥だったりと、時代の重要事件に火の鳥がかかわってくる“SFフィクション”ですが、人物同士の関係性や時代背景は、歴史どおり。コレを読めば、その時代の雰囲気や大まかな歴史の流れを楽しみながら理解できると思います」
「歴史は苦手!」と遠ざけていた人も、歴史マンガを読めば、勉強するのが楽しくなるかも!?