お茶の水女子大学が新型AO入試に向け、8月にプレゼミを開講!
2017年度から東京大学、京都大学、大阪大学など、国内有数の大学が相次いで、「ペーパーテストだけではわからない力」を評価する推薦・AO入試をスタートさせる。
変化の激しい時代に対応するための、こうした入試制度改革は他の国立大学にも広がっている。
最大5日間大学に通い、学ぶ姿勢を評価
そのひとつが、お茶の水女子大学。来年度(2016年度)から「新型AO入試」を実施する。
同学は今までも「AO入試」を行っていたが、そこで感じていた課題感をもとに新しいAO入試を企画したのだそう。流れとしては以下のようになる。
1)8月下旬に2日間のプレゼミナールを行い、ここで提出されたレポートと志望理由書や活動報告書、TOEICテスト等の外部の外国語検定試験の成績などをもとに一次選考を実施
2)一次選考の合格者は、9月下旬に最大3日間、大学に通って模擬授業を受講し、レポート作成、グループ討論、個別面接などに臨む(日程については検討中)
プレゼミナールも含めると、なんと最大5日間も大学に通うという、時間をかけた入試だ。
「新型AO入試」は来年度から実施されるが、今年の8月にはこれに先駆けて、「プレゼミナール」だけを行う。
対象となるのは現在高校2・3年生の女子で、同学のAO入試を受ける予定がない人でも参加できる。
社会の難題を解決する力、独創的なアイデアを生み出す力を問う
では、具体的にはどんな内容なのだろうか?
「文系と理系に大きく分かれ、どちらも1日目は本学の研究のなかからよりすぐりのセミナーを開講します。朝9時半から夕方まで1日かかる長丁場です。
2日目には、文系は図書館で情報検索を体験してレポートをまとめる、理系は大学院生による研究発表などを予定しています」
と語るのは、入試推進室長で同大学院教授の安成英樹先生。
今回、文系で共通するテーマは「格差」。
例えば教育開発論のセミナーのテーマは「世界の教育格差」。
学校に行っていない子どもの実態や読み書きのできない人々の現実など、世界の教育格差を講義したうえで、解決策を話し合う。
ほかに「格差のないところに格差をつける?:子どもの奪い合い裁判について考える」「日本の不平等は大きいか:社会現象の測定」など、5つのセミナーを開講する。
理系分野は「温かい氷を作ろう」「暗号のしくみと作り方」「生物“ナノ世界”の分析」など、ユニークなテーマのなかから1つ選び、本格的な実験や実習などを行うという。
一般入試での合格を目指して勉強している高校生は、答えのない社会問題に向き合って自分なりの解決策を考えたり、自然現象を解明するための実験プランを考えるような機会はなかなかなく、戸惑うかもしれない。
「でも、今社会で求められているのはまさにそうした力です。一般教養としてセンター試験で問われるような知識を備えることも必要ですが、今の時代、インターネットで調べればすぐにわかることがたくさんあります。
それより、自分の頭で考え、問題を解決しようと行動したり、今までにない独創的なアイデアや技術を生み出す力をつけることが大事です。今回のプレゼミナールは特に準備は必要ありません。純粋に学ぶことのおもしろさを体験したい高校生を歓迎します。
ただ、高校生向けにやさしくわかりやすく噛み砕いた内容ではないので、何を話しているかさっぱりわからないという難しいセミナーもあるかもしれません。そこは覚悟してください」
と安成先生は話す。
ちなみに今回のプレゼミナールは、来年度から始まる「新型AO入試」の選考過程の一部を実体験できるという内容。
応募は、メールでも手軽にできる!
応募方法も、必要事項を記入してメールで送るという手軽さだ。お茶の水女子大学の「新型AO入試」に興味のある人は、ぜひ体験してみるといいだろう。
【応募要項】
実施大学:お茶の水女子大学
プレゼミナール実施日:2015年8月24日(月)・25日(火)
申し込み期間:2015年7月18日(土)受付中 ~ 2015年8月3日(月)
対象:高校2・3年生(女子)、高校教員(男女不問)
詳細URL:http://www.ocha.ac.jp/event/20150713.html