「マイルド波長」がちょうどいい!高3夏前に整えるメンタリズム 〜考え方・食べ物編〜

高3になってから、ついつい周りの友達と自分を比べて、不安になったり、焦ってしまったり。

夏を目前にして、もしかしたら些細なことで気持ちのアップダウンが激しくなっていない?

そんなときは、心を落ち着かせてメンタルのリズムを整えよう。

意外と身近なところから簡単にできるから、Let's try!

 

高3の夏前にありがちなモヤモヤ

実は、先輩たちにもこんなモヤモヤや不安があった…!
先輩たちのREAL VOICE
・周りが本格的に勉強を始めるなか、部活のキャプテンで7月末まで活動がある状況にすごく焦りを感じた。(東京都・あんとく先輩)

親と進路の話をするのが嫌で嫌でしょうがなかった。(神奈川県・あちゃちゃ先輩)

夢も希望も何もなく進路はあいまい。将来について不安しかなかった。(富山県・リリ先輩)

・模試のたびにお腹が痛くなる、将来のことを考えると不安で泣きそうになった。(滋賀県・かむかむちゃん先輩)

・夏休みまでにある範囲を完璧に理解する計画でやっていたが、思うようにいかず焦っていた。(愛知県・ジョニ先輩)

・第1志望校は模試でE判定。親からの圧がすごくて不安だった。(千葉県・ちゃそ先輩)

・推薦で内定して気が抜けて楽しそうにしている人を見てイラっ。(宮崎県・ぽん先輩)

進路のことでずっと頭がモヤモヤ...。気分が上がらない。(山形県・みみ先輩)

「マイルド波長」をうまく使って、STOPモヤモヤ!

モヤモヤしちゃう気持ちもわかる。

でも、ちょっと待って!

そんなモヤモヤに負けないためにみんなにおすすめしたいのが「マイルド波長」!
「マイルド波長」とは?
8割の力を意識して、ポジティブな気持ちで疲れたら休む、そんなゆる〜り「マイルド波長」で、これからの心と勉強のリズムを整えていきましょう!
【今回教えてくれたのは…】


メンタルドクター Sidow先生
精神科専門医。医学博士。
「精神科をもっと身近に」とメンタルに関する情報をわかりやすく発信するYouTuberとしても活躍。
親しみやすく丁寧な解説で、多数の著書を手掛ける。
「マイルド波長」は、実は普段の生活の中で簡単にできること。

マイルド波長になるための【行動】【考え方】【食べ物】を、メンタルドクターSidow先生と一緒に解説していくよ。

前回は【行動】編を紹介した。

今回は【考え方】【食べ物】編を解説するよ!
【行動】編
マイルド波長になるために、まずは行動から始めよう。 
今回は6つの行動を紹介する。
【考え方】編   ←今回、解説するよ!

考え方ひとつで、焦りや心配、イライラの気持ちに振り回されることなく、心がすっとラクになることがある。 
気づかぬうちにストレスを溜めないよう、心にも気を配ろう!
【食べ物】編   ←今回、解説するよ!

「食べ物でメンタルのリズムが整うなんて?」と、一見遠いように感じるかもしれないけれど、身体の中から元気に、それが心の栄養へも、確実に繋がっていくよ。

マイルド波長になるための5つの考え方

考え方ひとつで、焦りや心配、イライラの気持ちに振り回されることなく、心がすっとラクになることがある。

気づかぬうちにストレスを溜めないよう、心にも気を配ろう。

 

その1:人と比べるのがダメなんじゃない。都合良く比べるのはあり!

すると、こんないいことが!
・自分のモチベーションUP
プラスの行動に繋がる
「人とは比べてはいけない」とはよく聞く言葉で、成績や結果を見て「あの人と比べて自分ときたら...」と落ち込んだり、ネガティブになるのは良くないけれど、「負けられない!」と自身を鼓舞するモチベーションになるなら、比較も問題なし。

自分の都合のいいときだけ比べて、プラスの行動につなげちゃおう。


その2:受験と人生は違う。「苦手なことに背を向けない」その気持ちも大事

すると、こんないいことが!
総合力で考えられるように
・できなかったを→「できる」自信
人生においては、長所を伸ばして生活に生かしていくことが大切。

けれど、受験は総合力。少なくとも自分が受ける科目は苦手から目を背けない、そんな心の強さも時には大事。

苦手科目はまだ伸び代が多く、できた分だけ自信へも繋がっていく。



その3:ときには甘さも大歓迎!“頑張った後”のご褒美・娯楽はいい

すると、こんないいことが!
やるべきことが明確になる
効率良く勉強しようと目標になる
勉強をして“時間が余ったら”趣味や娯楽をしようと考える人は多いのでは?

でも、その考え方は逆。

ご褒美をしっかり確保することで、「この時間までに終わらせよう!」と目標スイッチが入る。

 

その4:自分のやる気を「気持ちで何とかしよう」と思わなくていいよ

すると、こんないいことが!
「気持ち」ではなく「行動」に伴ってくるもの
・ちょっとずつ自己肯定感を上げる
“やる気”は気持ちの問題ではなく、行動に伴ってついてくるもの。

だから、自分の気持ち次第でどうにかしなきゃと思わなくて大丈夫。

どうしても勉強へのやる気が出ない時は、まず初めのハードルをぐっと下げて簡単な行動から。

何かをやった時に、次へのステップやモチベーションが生まれてくると心得て。


その5:「調子には波がある」ってことを認めるからこそ心のリズムが整っていくもの

すると、こんないいことが!
気持ちのアップダウンに振り回されない
・無理して心が疲れない
体や心の調子には波があるから、良い日もあれば悪い日ある。

だから“毎日”これくらい勉強しようという目標達成は案外難しい。

調子の揺らぎに気づき、それを自分で認めていくことで、気持ちが満たされる。

できない日には無理しないで!


高3の夏にやってよかった行動を Sidow先生が「いいね!」解説

先輩たちがやって良かった不安解消術や、気持ちが楽になった考え方を伝授!

焦りやモヤモヤを手放して、心をすっと軽くしていこう。
先輩たちの「やってよかった」REAL VOICE①
朝のテレビで、占い結果がいい日は信じて気持ちを上げて、悪い日は信じなかった (千葉県・女子・ちゃそ先輩)
【いいね!解説】
受験に限らず「都合良く解釈する」という思考は大切です。

何事も都合良く解釈できる人は逆境にも強いですし、メンタルも安定していることが多いです。

占い結果一つとっても、自分の思考を自分なりにうまく切り替えられるかどうか日々試すことで、ポジティブに考えるきっかけになるため、案外いい習慣かもしれないですね!
先輩たちの「やってよかった」REAL VOICE②
自分の立てた計画を8割達成できればすばらしい!と日々褒めるようにした (東京都・女子・あんとく先輩)
【いいね!解説】
基本的に人間は自分に甘い生き物です。

目標を設定して毎回それを達成できる、という人は少ないでしょう。

だから目標は、頑張ってギリギリ達成できるかどうか、くらいに設定しておき、8割できたら合格点と考えるのはいいアイデアでしょう。

8割で自分をまず褒めて、10割でもっと褒める。

自分を責めない目標作りを継続することが大切です。
先輩たちの「やってよかった」REAL VOICE③
合格したらやりたいこと、楽しみなことをたくさん考えた (兵庫県・女子・たんたんざうるす先輩)
【いいね!解説】
どんなことに取り組むとしても目標完了後のビジョンを考えるのは、モチベーションに繋がるのでとても大切です。

ただ、受験勉強は長期戦なので、合格したときだけではなく合間合間で中間の目標とご褒美を考えておくといいでしょう。

例えば模試でA判定だったら〇〇しよう、など都度目標を立てておくことが長期的なモチベーション維持につながります
先輩たちの「やってよかった」REAL VOICE④
模試が返ってきたら、まず課題に取り組む前に成績が伸びた部分を数えた
ポジティブにいられるように下がった部分ではなく、伸びた部分を褒めてから課題に向き合った (長野県・女子・青葉先輩)
【いいね!解説】
間違えた部分を潰していくことが受験においては大事なので、できなかった問題ばかりに目がいってしまいがちです

しかしそれで落ち込んでしまうようなら考えもの。

できたところを評価し、自分を褒めることでポジティブになれるなら、それは大切な過程でしょう。

まず正解した部分、次に間違えた部分と、自分が気分良く振り返ることで勉強リズムにもプラスに。
先輩たちの「やってよかった」REAL VOICE⑤
夏休み前は模試の結果が悪くても数字は気にしなかった。数字よりもどこができないかを大事に。なので、必然的にほかの人と比べることはなかった (神奈川県・女子・よる先輩)
【いいね!解説】
そうですね、ネガティブな気持ちになるような周りとの比較はしないのが一番です

点数が取れたかどうかよりも自分が何を苦手にしているのか、また正解についてもたまたま合っていただけではないか、などの検証が大切です。

順位や点数に気をとられて一喜一憂するのではなく、ここで自分の分析ができれば夏以降に一気に伸びる可能性が高まっていくでしょう。
【考え方】編はどうだったかな?

次は【食べ物】編を解説するよ。

マイルド波長になるための3つの食べ物

「食べ物でメンタルのリズムが整うなんて?」と、一見遠いように感じるかもしれないけれど、身体の中から元気に、それが心の栄養へも、確実に繋がっていくのです。

 

その1:腸内細菌を応援する“ヨーグルト”は毎日取り入れて

すると、こんないいことが!
免疫力がアップして心も元気に
・体の見張り番「腸内細菌」を活性化
身体や心のリズムを整えるために、「腸を整える」ことはとても大事。

ヨーグルトを食べることで腸内細菌が活性化され、免疫力を高めてくれる。

便秘解消や美肌にも繋がり、落ち着いた気持ちに。

 

その2:サラダチキンでOK! お手軽タンパク質は心にもいい

すると、こんないいことが!
筋力や脳機能の維持にとっても効果的
・ムネ肉で疲労感が軽減される
エネルギーの源となる3大栄養素のひとつ「タンパク質」は、精神を安定させる神経伝達物質の素になるため、積極的に摂取したい栄養。

筋力や脳機能の維持にも効果的で、コンビニで手軽に買えるサラダチキンを朝ごはんに取り入れるのがオススメ!

1日の摂取量は自分の体重(g)が目安で、体重60kgの人なら60g。

 

その3:勉強中の間食にしても罪悪感はいっさいなし! 噛んで集中“ナッツ類”

すると、こんないいことが!
心のバランスを整えてストレスを軽減
・噛むことで集中力も高まる
「噛むこと」&「栄養素」のダブルで集中力を高めてくれるのがナッツ。

ナッツに多く含まれる不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを減らしたり、血圧を下げる働きで脳にもうれしい。

アーモンドやカシューナッツ、マカダミアナッツなど種類も豊富で好みに合わせて勉強中の間食にして、満足感もアップ!

 

高3の夏にやってよかった行動を Sidow先生が「いいね!」解説

バランスの良い食事を摂ることは基本としてありつつも食べることで気持ちが満たされ、幸福感へ繋がった先輩たちのリコメンド品を紹介。

食べて気持ちをポジティブに。
先輩たちの「やってよかった」REAL VOICE①
カカオ75%のチョコで脳を活性化!チョコは無敵 (兵庫県・女子・たんたんざうるす先輩)
【いいね!解説】
チョコレートには精神安定やリラックスの効果があるカカオポリフェノールが含まれています

特にカカオの含有量が70%を超えるハイカカオチョコレートにより多く含まれるため、カカオ75のチョコレートを勉強の休憩中に食べるのはいい習慣と言えます。

ただ、チョコレートは糖質も脂質もたっぷり。

摂りすぎに注意
してほどほどがいいですね。
先輩たちの「やってよかった」REAL VOICE②
ハーゲンダッツを食べる!普通のアイスではなくご褒美感があるからこそ、幸せな気持ちに (富山県・女子・リリ先輩)
【いいね!解説】
ハーゲンダッツに限りませんが、食べ物×ご褒美のかけあわせとしても、おいしいものや好物を用意しておくのはいい方法でしょう。

ここまでやったら自分にご褒美と考えて、目標を立てるとモチベーションや効率アップに繋がります。

ただ、その目標が低かったり、ご褒美の回数が多すぎると効果は薄れるため、適切な目標とご褒美はバランス良く!
先輩たちの「やってよかった」REAL VOICE③
友達に教えてもらったカンロ飴を常に持ち歩いて、やる気アップのために舐めていた (長野県・女子・青葉先輩)
【いいね!解説】
勉強をすると思う以上に脳のエネルギーが消費されます。そんなときに大切なのが糖質。

糖質は唯一脳のエネルギー源になるため、勉強して脳が疲れたタイミングで適度に糖質を摂取するのは賢い選択と言えます。

勉強の合間に飴やガムを摂るというのは集中力を保つために大事です。

ただ摂りすぎると血糖値の急な上昇につながるため、1時間に1つぐらいを目安に

高校生のリアルお悩み3個をメンタルドクターへ相談!

「こんな時どうしたらいい?」というみんなのお悩みを、Sidow先生に回答してもらったよ!
先輩たちのお悩みREAL VOICE①
Q.他の人はやる気出して頑張ってるのに、なんで私だけこんなにやる気が出ないの? (兵庫県・女子・たた先輩)
【先生からの回答】
A.勉強そのものよりも、その先の目標を見すえてみよう

やる気、すなわちモチベーションが低下する原因はさまざまで、例えば身体や精神の不調など。

風邪を引いたりショックなことが起きたりしたあとは、モチベーションは高まらないですよね。

体や心の不調でやる気が出ないそんな時は無理せずに。

元気な時やる気を高めるためには、勉強そのものよりもその先の目標(合格したい、楽しい大学生活を送りたい...)を見すえてモチベーションを引き出してあげることが大切です
先輩たちのお悩みREAL VOICE②
Q.塾帰りにご褒美で買ったスイーツをSNSにあげただけで、友達から『あの子大丈夫なの??めっちゃ遊んでるから心配〜』みたいなことを言われバカにされた

気にしないようにしたけど、やっぱり心はモヤモヤ。あの時、どう考えたら良かった? (千葉県・女子・ちゃそ先輩)
【先生からの回答】
A. ストレスに感じる人とは無理せず、早めに距離をとる

自分を馬鹿にしたり見下したりするその人ははたして友達なのかな?

おそらく環境が変われば自然と距離を取るようになる関係性なのでは。

「本当は友達じゃなかったのかもしれない、長いこと付き合うと自分に良くないかもしれない」と思えたら、それは自分を守るための立派な考え方です。

自分にとってストレスとなる人や物事とは早めに距離を取る

特に選択の幅が広がる大学入学以降で、より大切になる考えなので覚えておいてください。
先輩たちのお悩みREAL VOICE③
Q.受験の長期戦に耐える精神力をつけるには?

周りと比べて焦るのが嫌。どうしたら落ち着いて勉強できる? (滋賀県・女子・かむかむちゃん先輩)
【先生からの回答】
A. 自分の成長にフォーカスしたら周りに惑わされなくなる

受験は戦いだ、とよく言われます。

では誰との戦いなのでしょう?

一見、周りがライバルに見えますが、結局大事なのは自分が受験校の合格点を上回るかどうか。

ダントツ1位もギリギリも、合格は合格。

自分が合格点を上回るためにはどうしたらいいか、それだけにフォーカスを当てできることをする

「自分をいかに成長させられるか」を考えると周りに惑わされず、勉強の成果がよりおもしろく感じられるでしょう。 心を落ち着かせて、無理せずに疲れたら休むのも大切。

ゆったり「マイルド波長」になるコツを知って、メンタルリズムを整えて、高3夏へ進んでいこう!
今回の【考え方】【食べ物】編はどうだったかな?

前回の【行動】編もぜひ振り返ってみてね!

心を落ち着かせて、無理せずに疲れたら休むのも大切。

ゆったり「マイルド波長」になるコツを知って、メンタルリズムを整えて、高3夏へ進んでいこう!

※記事内のコメントは2022年2月に実施した、2022年4月に大学や専門学校に進学予定の高校3年生、大学生・専門学校生計44名が回答したアンケート調査によるものです。

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Text & Edit/Kaori Osawa
Illustration/Mai Beppu
Design/Dai Kayama(ma-h gra)
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