高校生エディターが今気になるアーティストを紹介! Lucky Kilimanjaro編
今回はポジティブなサウンドが幅広い年代から支持を集めているLucky Kilimanjaroのフロントマン、熊木幸丸さんに会いに行ったよ!バンドのテーマである「世界中の毎日をおどらせる」音楽は、どのようにして生まれてきたのか。熊木さんの学生時代の思い出から今に至るまでインタビュー。
みんなからのお悩みにも答えてもらっているので、最後までチェックしてみてね。
「『雨が降るなら踊ればいいじゃない』を母から教えて貰ったことで、Lucky Kilimanjaroと出会いました。
初めて楽曲を聴いたのにも関わらず、自然と心と身体が音楽と一体化したことを覚えています。
魂が喜ぶとは、こういうことを言うのだとその時に感じました。
金曜の学校帰りには『Burning Friday Night』を聴くのが私のルーティーンです!
バンドテーマである“世界中の毎日をおどらせる”お手伝いを少しでも出来たら嬉しいです!! 」
From 金曜日大好き(高2女子・千葉県)
同じ大学の軽音サークルで出会った熊木幸丸(Vo)、松崎浩二(G)、山浦聖司(B)、柴田昌輝(Dr)、ラミ(Per)、大瀧真央(Syn)からなる6人組バンド。
「世界中の毎日をおどらせる」というテーマを掲げ2014年に活動を開始し、2018年にEP「HUG」でメジャーデビュー。
2023年4月に4thアルバム「Kimochy Season」をリリースした、シングル「後光」のリリースと全国ツアーの開催も発表されている。
Instagram_@luckykilimanjaro
インタビュー
ギターに熱中していた高校時代
「高校生の頃は、ずっとギターを弾いていました。そもそもギターを始めたのは、高校受験が早く終わって時間が余っていた中3の終わり頃で、父親のギターを見て『面白そうだし、弾けたらかっこいいかも』と思ったことがきっかけでした。高校入学後にギター部に入部して、楽曲をコピーしたり、文化祭でバンドを組んだりするようになって。
この頃から、広告のデザインの仕事をしていた両親のお下がりのパソコンで、簡単な作曲も始めていました。
と言っても全然本格的なものではなかったので、ほとんど勘で進めていましたけど(笑)。
ただ、その頃から『自分の音楽を表現したい』という気持ちはあったと思います。
今はLucky Kilimanjaroでシンセやキーボードを取り入れた楽曲を作っていますが、当時はハードロックやメタル系のバンドが好きで、『ギターって最強じゃん』と思っていました(笑)。
バイトしてギターを買って、練習して、昼休みには友だちとトランプをしたりして。
どちらかというと、明るく過ごしていた高校生活だったと思います」
周囲の影響もあり自然な流れで大学に進学
「高校卒業後は大学に進学しました。周りも大学に進む友達が多かったですし、先輩からも『大学は楽しいから絶対に行った方が良いよ』と言われていたので、進学は自然な流れだったと思います。
ただ、将来のことは何も決めていなかったんですよね。なので、大学は自分の学力で堅実に狙える偏差値でありつつ、なんとなく興味のある学部という点を基準にして、経済学部のある大学に進学しました。
現代文や古文が苦手で、国語の参考書はすごく読み込んでいましたが、『勉強が嫌だな』と思ったことはなかったですね。
大学入学後は軽音サークルに入って、先輩たちと遊びまくっていました(笑)。
ギターを弾いたり、キャンプをしたり、買い物に行ったり…と大学生らしく思いっきり楽しんで過ごしていました」
大学のサークル仲間とLucky Kilimanjaroを結成
「自由に表現できる場所を作っておきたかった」
「Lucky Kilimanjaroを結成したのは、就職先が決まって、大学生も終わりに近づいた頃です。今まで、自分の作品を世に出してこなかったことが心に引っかかっていて、『このまま就職したら、挑戦しないで終わってしまいそうだから、一回やってみよう』と思ったことがきっかけでした。
サークルで仲の良いメンバーに声をかけて、Lucky Kilimanjaroを結成、就職するのも辞めました。
最初から『バンドだけでごはんを食べていく』と考えていたわけではないですが、自分が自由に表現できる場所を作っておきたかったんですよね。
働きながらバンド活動をする選択肢もあったはずですが、両立は難しいだろうなと思ってしまって。
今振り返ると『就職を辞めなくてもよかったかもな』と思いますし、後に働きながらバンド活動していた時期もあったので、もし同じ境遇で悩んでいる人がいたら、『働きながらでもできるよ』と言いたいですね(笑)。
楽曲制作では最初のアイデアが大事だと思っているので、日常のあらゆることをメモしています。
具体的な例で言うと『ファジーサマー』は、世の中や自分の環境の変化に対して落ち着かない気持ちから、サウンドを探して生まれた曲です。
日常生活で起こったことや、自分の関係性の中から生まれている曲は多いですね。
同じことの繰り返しだと飽きてしまう性分なので、自分がわかってないことを突き詰めたり掘り下げたりすることを心がけて、バンド活動にも常に新鮮な気持ちで向き合えるようにしています」
高校生へのメッセージ
「世界はとても広いです。高校生で成功しても失敗しても、まだ人生の前半戦すら終わっていません。
やりたいことが明確に決まっている人は、そこに向かって走ってほしいですし、目標や夢が決まっていなくても大丈夫です。
実際に僕も高校生の頃は『自分は何になるんだろう?』『僕の人生大丈夫かな?』と不安に思っていました。
だから今は将来が漠然として、なんとなく日々が流れてしまう状況でも良いと思います。
今より何倍も広い世界がこの先に待っているので、楽しみにしてもらえたら!」from Yukimaru Kumaki
な~んでもお悩み相談室!読者のみんなから寄せられたあれこれへのアンサー。
Q.大人になる前にやっておいた方がいいことを教えてください。 (こまじゅん・高3男子・神奈川県)
「タイパを気にせずに遊んでおいた方がいいと思います。
タイパが良いことは他の人もやっているので、自分の体験としてはなかなか入ってこないんですよね。
『効率は悪そうだけど面白そうだな』と思ったら、どんどん挑戦してみたらいいと思います。
それが将来的に経験として戻ってくることがあるので、変に計算せず遊ぶこと。
あと、読書は早くから習慣化すると良いですね。
本はたくさん読んむにこしたことはないので、本屋さんに行って、直感で選んだ本を手に取ってみると新しい発想に出会えるので、良いと思います」
Q.もっと自分が魅力的になるにはどうしたらいいですか...? (はるか・高1・埼玉県)
「そもそも魅力的な人とは、『一緒にいると良い時間になるな』と思える人のことだと思います。
かっこいい服を着ると外見的な魅力は生まれるかもしれないけど、その人と過ごす時間が楽しくなるかは、また別の話ですよね。
誰かと過ごす時間を良い時間にするために、自分に何ができるのか、相手には何を与えられるのか、を考えるといいかもしれないですね」
Q.受験などで緊張するときでも、折れないメンタルの作り方を教えてください。 (なつみ・高1女子・兵庫県)
「『やるぞ』と気合いを入れすぎてしまったり、ふだんと違うことをしたりすると、緊張を煽ると思います。
だから、受験当日も家で勉強するときや、模試を受けるときと同じテンションで臨めるといいのかなと。
呼吸は心の状態にすごく影響するので、できるだけ息を吐いたり深呼吸したりして、リラックスできる状況を作れると良いと思います」
Q.しんどくなってしまった時の乗り越え方を教えてください。 (にこ・高2女子・三重県)
「無理に乗り越える必要はないと思います。人間はしんどくなる生き物なので、しんどい状況を悪いことだと思う必要はないんじゃないかな。
無理に乗り越えるための力をつけようとすると、逆に身体が交直してしまうことがあるので、『あ〜しんどい〜』という気持ちで大丈夫。
あとは、周りの人に言いましょう。そんなときこそ自分の気持ちを外に出すことで、客観視できて楽になると思いますよ」
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Photograph / Reina Tokonami、
Text_Misaki Ito、
Edit / Mizuki Kanno
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