併願校相談室(前編)リサーチ&検討をしよう

受験生のみんなは、第一志望校に向かって一直線!の時期かな?

ところで、併願校選びは決まった?

併願校選びに悩んでいるキミに、2回に分けて併願校選びのコツを提案するよ。

出願直前に焦らないよう、今から始めよう。


相談室長
神﨑史彦先生
総合型・学校推薦型選抜専門塾「カンザキジュク」代表。スタサプ講師。延べ10万人の受験生をサポート。

[Q.1]学部と偏差値だけで悩んでいい?


学校の先生に併願校を考えるように言われているけど、第一志望のことで頭がいっぱい。

併願校は第一志望校と同じ学部で、今の偏差値と同じくらいの学校を選ぶつもり。

これでいいよね?

(高3・男子・工学部志望)

[A.1]希望学科まで絞り込み、偏差値は±10で選んで!

アドバイス①同じ学部でも、学科により内容が結構異なるよ

学科によって学ぶ内容が違ってくるから、特に理系は要注意。

また学科により入試科目や出題範囲が大幅に違う場合もあるので、希望学科まで絞り込んだうえで、併願校のカリキュラムや入試科目、出題傾向を比較しよう。

アドバイス②「併願校ダイヤ」でバランスよく選ぼう

今の偏差値(実力相応校)を中心に±10程度の偏差値帯で選ぼう。

保護者と相談して、最低4~5校、最大9~10校程度が目安。

各偏差値帯でバランス良く選ぶと選択肢が広がり、第一志望校も落ち着いて受けられるよ!



こんな時はどうする?

①どうしても行きたい学校がある

第一志望と同じ偏差値帯の学校を多めに


複数の学部や方式で受験してチャンスをできるだけ拡大。

そのうえで実力相応校と安全校を1~2校ずつ受験しよう。
②浪人は絶対に避けたい

偏差値-5~-10の安全校を多めに受験

安全校を増やして現役可能性を極力高める。

入試日が早めの併願校で先に合格を確保できると、より安心。

[Q.2]併願校の情報はあんまり詳しく調べなくてもOK?



放課後や週末は忙しいし、併願校は家から少し遠い…。

併願校ならオープンキャンパスは行かずに受験しても問題ないですよね?

(高3・女子・心理学部志望)

[A.2]調べる価値は十分ある。ポイントを押さえて情報を集めよう。

アドバイス① リアルな場でチェックしたい大切なポイント5つ

「第一志望ではないからOCに行かない」は危険!

入学する可能性がある学校として自分の目でできるだけ確認すべし。

体験授業や相談コーナーなどで、学びの内容から通学ルートまで、通うことを前提に考えていこう。
[併願校のリアルな場で見るポイント]

□併願校の先生の教え方は自分に合いそう?

□併願校に入学しても楽しく学べそう?

□自宅から学校へのアクセスはいい?

□施設、設備は充実している?

□雰囲気は自分に合っている?

アドバイス② HPや資料請求で見ておきたいポイント5つ

地元の進学相談会やオンラインOC、同じ高校から進学した先輩などの口コミなども貴重な情報源。

また7月末~8月に多くの学校が学校パンフや入試要項を更新しているので、最新の併願校資料と取り寄せて読み込もう。
[HPや資料請求で見るポイント]

□第一志望の学ぶ内容と似ている点は?

□第一志望の学ぶ内容と違っている点は?

□試験科目は第一志望校の勉強だけで対応できそう?

□カリキュラムを見て卒業までの自分がリアルに想像できる?

□卒業後の進路は自分のイメージどおり?
※多くの学校で夏ごろまでに募集要項が公開されるけれど、国公立後期日程などは引き続き最新情報をチェックしておこう!


[Q.3]総合型選抜志望の併願校、どう選んだらいい?

総合型選抜で受験予定です。

万が一のことを考えるように先生に言われたけど併願できる「総合型選抜」が少なくてちょっと不安です…。

総合型に落ちたらそのときに考えれば大丈夫ですよね?

(高3・男子・経済学部志望)

[A.3]総合型選抜一択はなかなか危険!公募推薦や一般選抜も視野に入れて。

アドバイス① 総合から一般まで複数受ける心づもりを

そもそも併願できる総合型選抜や学校推薦型選抜が少ないので、学校や塾の先生に相談を。

併願校が絞れたら、少数科目選抜の内容やここ数年の倍率、共通テスト利用選抜などの一般選抜も検討しておこう。



アドバイス② 自分の「志望動機」はブラさない。先輩のしくじり談をチェック。

少しでもラクに受験したいからと志望動機を捻じ曲げて併願校を選ぶのは危険!

併願校に入学した場合のミスマッチを避けるためにも、「学びたいことがあるか」を軸に、志望動機に合った併願校を選ぶことが大切だよ。
しくじり1

倍率だけで学部・学科を選び入学後に後悔…

入りやすさだけで併願校を選んだ結果、入学後に学びたかったことが学べず、早々に授業を休みがちに…。
しくじり2

併願可能な総合型、公募推薦にこだわりすぎて志望動機が迷走

「併願可能」の条件で選んだ結果、志望動機と合わない学校、学部・学科に出願。

小論文や面接で苦しむことに(泣)。
しくじり3

少数科目や得意科目で選んだ結果、高倍率の壁にぶち当たる

一見負担が少なそうな入試方式でも、倍率や出題傾向を確認して対策しないと併願校不合格という結果になりかねない!

今から始める併願校選び、To Do リスト

3段階で進めていけば無理なく後悔のない併願校選びができる!

総合型選抜、学校推薦型選抜は1カ月前倒しで考えよう。

STEP1 リサーチ期(9月-10月)

□第一志望を基準に併願する学部・学科を検討

□気になる併願校を多めに(10校以上)ピックアップ

□併願校の資料・入試要項を取り寄せる
スタサプや先生情報をてがかりに、学ぶ内容や偏差値、入試スケジュールから併願校候補をできるだけたくさん洗い出しておこう。

STEP2 深堀り期(10月-11月中旬)

□保護者と併願校の内容・校数や受験にかかる費用を相談

□併願校のOCや資料で学ぶ内容を中心に確認

□併願校ダイヤ(悩み1参照)に検討中の学校をあてはめる
保護者との相談内容や取り寄せた資料を元に、併願校を絞り込む。

第一志望校と同じ点、 違う点を意識すると、検討しやすい。

STEP3 予定調整期(11月後半-12月)

□併願校と第一志望校の試験日程を調整する(3日以上あいているのが理想)

□入学手続き締切日を確認するスケジュールを書き出し、シュミレーション

□併願校のOCや資料で学ぶ内容を中心に確認

□併願校ダイヤ(悩み1参照)に検討中の学校をあてはめる
第一志望校の試験日に実力を発揮できることを最優先に、スケジュールを組み立てる。

合格後の流れの確認も忘れずに。
FROMスタサプ編集部

併願校の科目選択でミスって、あとがない状況で第一志望校に臨んだ私(めちゃプレッシャー)。

このページを読んで、同じような境遇の人が減りますように。  
Edit/Kokoro Maeda,Text/Miyuki Fujime,Illustration/Wakana Sato,Design/Kaho Yamashima(ma-h gra)