進路迷子の人、必見~家族のメタボ対策をきっかけに食品化学の道へ進んだ大人を紹介!

夏休み目前!
そろそろ進路を本格的に考え始めなきゃな…って思ってるけど、未来の自分がイメージできなくて悩んでたりしていない?

そんな迷えるみんなのために、仕事に沼る大人たちが今の仕事にどうやって就いたのか、高校時代からのルーツを探るよ!

今回は飲料メーカーで商品開発する大人に取材。

【こんな高校生はぜひ読んで】
・好きなことはあるけど、仕事にできるのか悩んでいる
・勉強頑張りたいのに、目的がはっきりしてなくてモヤモヤ…
・進路について考えたいのに、どこから手をつけたらいいかわからない

キラキラと仕事に夢中な人生の先輩の、高校時代へビューン!ソコには、仕事の原点や分かれ道があるみたい…。
​さぁ一緒に時を遡ろう。

将来を考えるきっかけになるかも。ぜひ最後まで読んでみてね。

“小さな好奇心”がすべての始まり・渡邉さんの軌跡を遡ろう


渡邉きみかさん(30歳)


高校卒業後は農学部へ進学。
研究に夢中になり大学院へ。
アサヒ飲料に入社し7年め。
カルピス(R)ブランドの商品開発を担当。

今春、渡邉さんがレシピを考えた「カルピスソーダ(R)クリーミーマンゴー」が発売された。

マーケティングからコンセプトが提示され、「夏っぽく、カルピスソーダ(R)の爽やかさを損なわないように」とオーダーが。

サンプルを作っては何百種も味見を繰り返し、2カ月かけてレシピ考案。

そして工場で量産され店頭に並んだ。

自分が携わった商品が発売される、このワクワクの原点は…エッ? お父さん!?

2010年【15歳・高1】出発点は「お父さん、何飲んでるの!?」

「高校のころ、私の父は太りすぎて家族も心配を」と渡邉さん。

そんなお父さんが愛飲していたのが、内臓脂肪の減少を助ける特定保健用食品のお茶。

コンビニでドリンクをよく買っていた渡邉さんは、「身近な飲み物で健康を気遣えるんだ」と機能をもった食品に興味が湧き、ネットで調べて先生に相談し、食品化学という学問を知った。

「飲料で健康開発っておもしろそう」の好奇心が生まれた。

一方、お父さんは食事を見直し運動もして10kg減!

高校時代は部活動にも熱中!
県ベスト16まで進んだバドミントン部では、夜まで練習に励んだ。帰り道の「カルピスソーダ(R)」は青春の味に

 

2012年~2017年【17歳・高3~22歳・大学院1年】進路は狭めず幅広く学べる農学部へ~ラボで新発見!学術発表

渡邉さんが興味をもった食品化学は、食品に含まれる成分がどのような健康機能をもたらすのかなどを研究する学問。

高校3年の時は、それを職業にするかどうかはわからなかった。

すると担任の先生が食品化学も植物も酪農も幅広く学べる農学部を勧めてくれた。

結果、食品化学に没入し4年では足りずに大学院へ進学。

学会で新発見の発表も行った!

学会発表は世界に向け英文で行った

大学時代に機能性表示食品が誕生して学習した資料 
 

2019年~2025年【24歳・入社~30歳・現在】畑違いの部署でのスキルを生かして新製品のドリンクレシピを担当! 

希望の飲料会社に就職したが、配属先は容器包装の部署。

畑違いの仕事に心折れそうになるも「これも経験!」とペットボトルのデザイン開発を手がけた。

待望の飲料開発に異動後は、ペットボトルの形状が中身に及ぼす影響も考慮しつつレシピ作りを担当した。

スキルを生かしながら、“コンセプトの言葉を味に変換する”飲料開発のおもしろさに夢中だ。

ゼロからCAD(*)も習得。環境に配慮しつつ商品を魅力的に見せるペットボトルを開発
(*)Computer Aided Designの略。コンピュータで設計すること 

疲れている時に身体に染みる糖度も計測しつつ、微妙なバランスを探る 

広く愛されるマンゴー風味とは? 完熟風味から若い風味まで香りを検討 

レシピが完成すると賞味期限を研究。熱で劣化させておいしく飲める賞味期限を定める 

初のレシピ考案「カルピスソーダ(R)クリーミーマンゴー」
 

周囲の人がきっかけで夢がみつかることも 今回紹介した渡邉さんのように、身近な人がきっかけで夢ややりたいことにたどり着くことも。

やりたいことがみつからなくて悩んでいる子は、近くにいる大人の人に「どうしてその仕事に就いたのか」聞いてみるのもアリ!

話を聞いて、少しでもワクワクしたらそれが“未来の種”になるかも!

夏休みは時間があるので好きなことがいっぱいできるチャンス!

私はオリジナルの小説や絵本を描いていたよ。その時から何か作るのが好きだったから、“編集”という仕事に繋がっているのかも。

by小さいころからものづくりに熱中していた編集部員より 

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Edit&Text/Ayako Chidani
Design/Kaho Yamashima(ma-h gra)
Photograph/Keisuke Yasuda
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