一人暮らしは月いくらかかる?奨学金ってなに? 進路の悩み相談室~進学にまつわるお金編~
進路決定に悩めるみんなをお助けしたい、「進路の悩み相談室」シリーズ。第4回の今日は「進学にまつわる」お金編!
「一人暮らしは難しい!?」「国公立しか行けないかも!?」など、今回も様々な悩みが寄せられたよ。
そこでファイナンシャルプランナーの加藤梨里先生が、具体的なデータをもとにわかりやすく解説!
明確な悩みを持つ高3のみんなも、ぼんやりと不安な高1、2のみんなも、お金のモヤモヤはここでスッキリ解決しよう。
モヤモヤが晴れたら、勉強のモチベアップにも繋がるかも!?
目次

加藤梨里先生
ファイナンシャルプランナー(FP CFP®)、金融知力インストラクター。ライフプラン、家計、教育などくらしのお金が専門。
悩み①:入学までにお金っていくらかかる?
受験の費用を抑えてほしいと親に言われているため、受験校を決めるのに時間がかかっています。(岩手県/高3/女子)

アドバイス:必要なお金を今~入学までの時系列でチェックしよう!
【受験勉強前半】予備校代&参考書代がメイン!
「勉強にかかる費用」は、予備校代で大きく左右するよ!自分がどの力を伸ばしたいか、長期休みはどうするかによっても金額が変わってきちゃう。得意科目はアプリで勉強したり、自習室を借りたりするなど節約する人も。学力や環境のどこを補強するのか優先順位を立てるのもおすすめ!

【受験勉強中盤】受験料・交通費など「受験費用」をチェック!
入試形式や学校種別によっても受験料は変わる!受けたい学校と併願校の受験料、交通費や宿泊費は、秋前までにリストにしておけると◎。私立大には、共通テスト利用入試や併願割引制度、地方会場の利用など、負担が少ない受験方法がある場合が多いので確認しよう。

【受験勉強後半】各学校の「納付金」に要注意!
納付金には、「進学する学校への納付金」と先に合格した併願校に支払う「入学しなかった学校への納付金」の2種類ある。「入学しなかった学校への納付金」の平均は約10万円。受験料もかかるので、併願校は練習として受けるのか入学してもいいのか考えてプランを立てよう。
●参考●実際いくらかかった?

悩み②:一人暮らしにどれくらいお金がかかる?
一人暮らしがあこがれ。でも親に「私立大学に行くなら自宅から通って」と言われてショック!(兵庫県/高3/女子)

アドバイス:一人暮らしにかかる費用の、項目と相場を知っておこう!
【生活費】平均で約12.8万円/月!
物価高で、一般的な一人暮らしをしようと思うとかなり高額に。
エリアや設備にもよるけれど、特に大きな出費は家賃。寮や学生マンションも検討しよう。
家具や食事、光熱費などが含まれていることも!どの項目が必要なのか確認しよう。

【初期費用】敷金・礼金や引越料など、合計約40.3万円!
生活費ばかりに目が行きがちだけど、引っ越し時にかかるお金も高額。トラック代を節約して自力で引っ越しする人や、入居前に払うことが一般的な敷金・礼金※がない物件を選ぶ人も。
遠方に引っ越しする人は特に、家賃も引っ越しも早めに相場をつかんでおこう。
※敷金とは、契約期間の家賃債務の担保(滞納時)として、先に預けておくお金。礼金とは、物件の持ち主である大家さんに対し、お礼として支払う費用。

悩み③:保護者にあまり負担をかけたくない。
国公立大じゃないと、負担をかけると思って一人で悩んでいます。(東京都/高3/男子)

アドバイス:奨学金の種類や返済方法について知ろう
奨学金には給付型と貸与型の2種類がある
現在の大学生のおよそ2人に1人が利用している奨学金。利用者数が最も多い「日本学生支援機構(JASSO)」の奨学金制度をまずは検討しよう。原則返さなくてもいい「給付型」と、返す必要がある「貸与(たいよ)型」がある。「給付型」と「貸与型」を両方申し込むことも可能。

HPで返済シミュレーションをしてみよう
「貸与型」は返済が大変なイメージがあるけれど、JASSOのホームページで返還のシミュレーションができるのでやってみよう。地方自治体や進学先、企業の制度の中には、返済を負担してくれる制度もあるよ。
情報がまとまっているサイトもあるので要チェック!
まずは情報にたどり着くこと、しくみを理解することが大切だ。
●参考●社会人に聞いた!奨学金どう返してる?


先回りして心配せず、奨学金などをフックにお金について日ごろから保護者と話し合っておくことが大切、と加藤先生。
ぜひ調べることから始めてみてね!
▶第一回(学部学科決定編①)
▶第二回(学部学科決定編②)
▶第三回(第一志望決定編)
Edit&Text/ Naoko Agawa, Illustration/Tekuteku Matsuhashi,
Design/Kaho Yamashima(ma-h gra)