声優・花澤香菜さんから高校生のみんなへ贈る「秋の進路モヤモヤを晴らすメッセージ」
夏休みが終わり、秋が深まってくると、「このままでいいのかな…」と将来に不安を感じがち。「やりたいことがみつからない」「目指したい夢がない」「自分に向いていることがわからない」。そんな先の見えない進路のモヤモヤに悩む人も多いはず。
そこで今回は、現在好評放送中のTVアニメ『Let’s Play ~クエストだらけのマイライフ~』で主人公サムの声を担当する花澤香菜さんに、ポジティブな気持ちになれるお話を聞いてきたよ。
目次
声優・アーティスト/子どものころから演技に興味をもち、幼少期に子役として活動をスタート。高校時代にアニメ声優の仕事と出会い、『ゼーガペイン』カミナギ・リョーコ役で本格デビュー。その後、『化物語』千石撫子、『鬼滅の刃』甘露寺蜜璃など、人気作品で幅広い役を担当。歌手としても活躍し、透明感のある歌声と心に響く歌詞、そしてライブでの表現力で多くのファンを惹きつけている。
人と積極的にかかわることで、自分の新しい一面や可能性が見えてくる!
今回声を担当したアニメ『Let’s Play ~クエストだらけのマイライフ~』の主人公サムも、将来のことや恋愛のことなど、高校生のみんなみたいに、ひとりでモヤモヤ悩んでいる時間が多いキャラクターなんです。でも、周りの人とかかわる中で、自分が何を好きで、何を大事にしているのかが少しずつわかっていく、その過程にも注目してほしいですね。
サムの成長を見ていると、リアルに人とかかわることって大切なんだなと改めて感じました。もちろん、直接人とかかわることで傷つくこともあるけれど、そこから逃げずに関わり続けることが、自分を深く知るうえでは大事だと思うんです。
私自身も、周りの人とのかかわりの中から、自分では気づかなかった表現の幅や演技のもち味に気づけたり、新しい挑戦への勇気をもらうことも。人とコミュニケーションをとることで、自分の考えや感情の整理ができたり、思わぬ方向で成長できたりすることも。それがサムのように少しずつ変わっていく経験と重なります。ぜひ高校生のみんなにも、気負わずにいろんな人とかかわって、自分の新たな一面を知るっていう刺激を味わってほしいです。

周りの意見を聞いてみると、自分の強みや向いていることに気づけるよ
私も最初から「声優でやっていこう」と思っていたわけではないんです。高校時代、声のお仕事をしていたころも、仕事がたくさんあったわけではなく、このまま続けていていいのかな…と悩み、大学進学のタイミングで、一度声優をやめようと決断。
そんなとき、お仕事でご一緒したスタッフさんから「声が本当にいいから、やめないで!」と、真剣に言っていただいたんです。その言葉を聞いた瞬間、「代わりがいる仕事だと思っていたけれど、私の声だからこそ必要としてくれる人がいるんだ!」「自分の声が誰かの作品に必要とされているんだ」と実感し、自分の声の価値に初めて気づくことができました。
それまで実は、自分の声に良い印象をもてずにいたんです。少し油断すると声が高めに出てしまい、ぶりっこに思われるのではと気にして、わざと低く出していたことも…。でもこうして自分の声を肯定してもらえたことで、初めて“自分の本当の強み”をみつけられた気がして、「もう少しだけ頑張ってみよう」と気持ちをもち直せました。それが、その後も声優として歩み続ける大きな転機に。
学生時代って、自分の向き不向きを自分だけでみつけるのはなかなか難しいと思う。だからこそ、ひとりでモヤモヤ考えず、家族や先生、友達など、身近な人に「私に向いてそうなこと、何かあるかな?」「私の強みって何だろう?」と聞いてみるのもいいと思います。誰かの言葉が、自分の未来を開くきっかけになるかも。
部活でも勉強でも趣味でも、本気で取り組むことで“本当の楽しさ”が見えてくる!
私が声優を始めたころは、台本どおりに監督の意図どおり演じることが仕事だと思っていたので、とにかく間違えないよう、指示を外さないよう必死!正直、収録は怖くて、楽しむ余裕なんてまったくありませんでした。
でも、ある作品で台本の随所に「以下アドリブ」と書かれているのを見て、最初は「え、これ全部私が考えるの?」とびっくり!ところが実際にやってみると、キャラクターの気持ちを考え、自分の言葉で表現することは大変だけど、思った以上に楽しくて、意味のないフレーズを言う場面でも「自由に表現できるっておもしろい!」「言い方や気持ち次第でセリフは無限に広がるんだ」と実感。
アドリブは最初こそすごく怖いし大変でしたが、自分で表現の幅を広げられる楽しさがあり、監督から「もっと香菜ちゃんらしくていいよ」と言ってもらえたことで、役に自分を重ねる勇気も生まれました。
声のお仕事に限らず、本当の楽しさって、一生懸命考えて挑戦した先でしかわからないことが多いと思います。高校生の皆さんも、部活でも勉強でも趣味でも、まずは本気で取り組んでみることで、自分の本当に好きなことや、新しい可能性を広げるヒントにつながると思いますよ。

怖がらずに新しいことに挑戦してみると、思わぬ世界が広がることも
海外のイベントに出演した際、現地のファンの方々が一生懸命日本語で話しかけてくれる姿を見て、「私も自分の言葉で直接想いを伝えたい」と思ったのが、中国語に挑戦したきっかけ。
最初はまったくの初心者なので、あいさつや自己紹介くらいの簡単なフレーズから始めたのですが、イベントで自分の言葉で話したらファンの皆さんがよろこんでくれたことがすごくうれしくて!その後も、仕事の合間にオンラインレッスンや発音の練習を重ね、中国のステージではMCを中国語で担当したことも。
勉強は大変ではありましたが徐々に楽しくなってきて、中国語を学んだことで、海外イベントやメディア出演のチャンスや、作品イベントに登壇できる機会が増えたり、声優としての表現の幅も広がり、自分でも想像していなかった世界が広がりました。だから、高校生のみんなも、興味があることはもちろん、ちょっと気になることや普段と違うことにも挑戦してみてほしい!最初は不安だったり、うまくいかないこともあるかもしれません。でも、少し勇気を出して一歩踏み出すと、自分でも想像していなかった楽しさや、新しい自分の一面に出会えることがありますし、未来の可能性もぐっと広がるはず。怖がらずに、自分の世界をどんどん広げていってくださいね!

人生は一度きり!勇気を出して一歩を踏み出してみよう
「やりたいことはあるけれど、自分にはきっと無理」「自分に自信がなくて挑戦できない…」そんな人もいると思います。私自身も声優のオーディションは宝くじみたいなものなので、受かるかどうかはわからないけれど、とにかく挑戦!と思ってやってきました。
人生は一度きりだから、後で「やっておけばよかった」ともやもやするより、まずやってみるほうが絶対にいい。心が折れそうになることもありますが、私が一番後悔するのは「やらなかったとき」。徹底的にやりきらなかったり、準備が足りなかったときの後悔は想像以上に大きいです。
「希望がかなうかどうかわからないし」とつい保険をかけたくなる気持ちもわかります。でも、それで逃げてしまうより、まずはやってみるほうが絶対に後悔しません!挑戦することで、新しい可能性や自分の力に気づくこともあります。だから、高校生のみんなも、少し勇気を出して一歩踏み出してみてほしいですね。人生は一度きり。まずはやってみることこそ、未来を作る一番の近道です。
自分自身のご機嫌をとることが、新しいことにチャレンジする原動力に
結局、最後は自分のことは自分で決めるしかない!だから自分の芯をブラさないためにも、自分のご機嫌を自分でとれるようにすることも大切。私の場合はパンが好きなので、新しいパン屋さんでクロワッサンやバゲットサンドを食べるとテンションが上がります。ちょっとへこんでるときでも、こういう“推しパン”があると気分を切り替えて頑張れるんです。みんなも、自分が元気になる方法や楽しみを知っておくと、挑戦するときの力になるはず。大変なことも多いと思うけど、自分で自分のご機嫌をとりながら、楽しみながらいろんなことに挑戦していってくださいね!応援しています。

TVアニメ『Let's Play ~クエストだらけのマイライフ~』
恋愛経験もなく、人付き合いが苦手なサムが、夢、恋愛、友情…さまざまな挑戦を通して成長する主人公を描く、北米の人気WEBコミックが原作のアニメ。さまざまな人とのかかわりを通して少しずつ変わっていくサムの姿にも注目!
放送/毎週水曜 24:45~
放送局/フジテレビ「+Ultra」ほか
キャスト/サム・ヤング:花澤香菜、マーシャル・ロー:土屋神葉、チャールズ・ジョーンズ:中村悠一、リンク・ハドソン:杉田智和 ほか


実はこのすてきな写真、取材の合間に会議室で撮影したんです!
何もない会議室にこんなふうに布を入れて、ライトを立てればあっという間にスタジオに◎。
花澤香菜さんのイメージに合うふんわりやさしいライティングにしてみたよ。
クールな表情もとってもすてき。
インタビューもとても楽しく、大好きなパンの話のときキラキラした表情がとても魅力的でした。
みんなもぜひ『Let's Play ~クエストだらけのマイライフ~』をチェックして、花澤香菜さんの演技に注目してみてね!
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Photograph / 杉江拓哉(TRON), Text / 滝 紀子
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