高3前の今こそ、学部・学科ファイナルチェック

高2のみんな、志望する「学部・学科」はもう決まっている?その「学部・学科」は、本当に自分が学びたいことや将来やりたいことに合っていそう?

実は、高3になる前の3月が、志望の「学部・学科」が本当に合っているかをファイナルチェックする最大のチャンス!その学部・学科に決定していいのか、もっと調べたり検討したりするべきなのか…簡単にチェックできる3STEPを、今こそ試してみよう。

今回教えてくれたのは
神﨑史彦先生

スタディサプリ講師。私立学校研究家。高大接続・教育コンサルタント。株式会社カンザキメソッド代表取締役。大学卒業後、大学受験予備校において小論文講師として活動する一方、通信教育会社や教科書会社にて小論文・志望理由書・自己アピール文の模擬試験作成および評価基準策定を担当。のべ6万人以上の受験生と向き合うなかで得た経験や知見をもとに、小論文・志望理由・自己アピール・面接の指導法「カンザキメソッド」を開発する。現在までに刊行した参考書は26冊(改訂版含む)、販売部数はのべ25万冊、指導した学生は10万人以上にのぼる。

キミは大丈夫?学部・学科選びで起こりがちな「思い違い」。


大学進学を考えているなら、高3の4月~7月までに第一志望の大学・学部を決定するのが理想。そこから逆算すると、高2の3月で、候補学部・学科を見直すことが、後悔しない志望校決定のために大切だ。

しかし、情報不足や自己分析不足から思い違いをしているケースも少なくない。「自分は大丈夫」と思っている人ほどキケン!学部・学科のファイナルチェックをしてみると、思い違いに気づくことができるかも。

ありがちな思い違いは「検討不足」と「強すぎる思い込み」

学部・学科選びで起こりがちな「思い違い」には、大きく分けて「ぼんやりタイプ」と「思い込みタイプ」の2つがあります。

「ぼんやりタイプ」は、高3直前の3月の段階で、学部・学科が何となく決まっているつもりだけど、実はリサーチ不足で学部・学科の内容がよくわかっていない、という人。学部名のイメージだけで判断していて、具体的な内容を知らないのです。

「思い込みタイプ」は、学部・学科の中身をよく調べておらず、〇〇を学ぶには〇〇学部しかない、と思い込んで、選択肢を絞り込みすぎている人。実は別の学部のほうが学びたい内容に近かったり、将来の目標につながりやすいことがあるのに、限られた情報だけで判断してしまっているのです。

どちらの場合も、大学に入学してからイメージと実態のズレにとまどったり、本当に学びたかったことが学べないことになりかねません。だからこそ、学部・学科の中身をきちんと情報収集することが大切です。

(神﨑史彦先生、以下同)
●「ズレ」に気づいた先輩たちのリアル体験談

<高校生のときズレに気づいた>
「本当は韓国語を専門で習いたかったが、独学でもいいと思うようになって、急きょ、話者数の多い中国語に変更した」(大学1年・大阪府)
「ずっとやりたいことがなくて、とりあえず就職に困らないという経営学部か経済学部に行けばいいと思っていたけれど、調べるうちに好きな英語を生かしたくなり、国際学部に変更した」(大学1年・愛知県)

<大学入学後にズレに気づいた>
「入学してから留学が必須と気づいた。国際学部で一から英語が学べると思っていたら、英語で授業が始まって戸惑った」(大学1年・愛知県)
「教育学部・社会学科に入学したが、教育学が必修ではなく、教員免許をとるには別で教職課程をとる必要があると判明した。どんな授業があるのかなどは把握しておいてもいいと思う」(大学1年・埼玉県)

3月中に学部・学科の「ズレ」をチェックしておこう

高3になってから、学部・学科と希望進路の「ズレ」に気づくと、進路を見直す時間や選択肢が限られてしまいます。ましてや、大学に入ってから後悔や進路変更をするのはできるだけ避けたいところ。

だからこそ、高2の3月中に自分が志望する学部・学科のイメージと、実際の内容のズレがないかチェックしておくことをおすすめします。このあとチェックリストを紹介しますが、すべてにチェックがつかなくても大丈夫。大きな思い違いをしていないか確認して、自分の情報不足や検討不足に気づくのが第一目的です。

STEP1:学部・学科と自分のイメージにズレがないかチェック

学部・学科について、先生や保護者に説明してみよう


学部学科のファイナルチェックをするなら、まず最初に、候補の学部・学科について、先生や保護者に説明してみよう。言葉にすることで、学部・学科を正しく理解しているか、イメージとのズレがないかを確認できる。

学部・学科をちゃんと理解しているかをチェックするポイントは、この2つ!

□気になる学部・学科を1〜3挙げて、何を学ぶのか説明できる
□「何となく」ではなく、気になった理由を明確に説明できる


※学部・学科の候補が何もない人は、「スキ」を手がかりに自己分析を進めていこう。
https://school-journal.studysapuri.jp/app/20250214000002/
学びたいことを正しく学部・学科に落とし込めていない人は少なくありません。

例えば「情報系」なら、プログラミング、情報工学、データサイエンス、メディア系、経営情報など、さまざまな学部・学科があり、学べる内容も、将来の仕事も大きく変わってきます。

また、「環境問題を研究するなら理系」と思いがちですが、環境学は、生物学・物理学などの「自然科学分野」だけでなく、社会学・経済学など、文系である「人文・社会科学分野」からもアプローチできます。学びたいことを、どの分野から学びたいのかイメージがつけば、学部・学科が決まってくるでしょう。

チェックがつかないものはパンフやネットで調べる

クリアできなければ、学部・学科名を書き出して整理したり、大学のパンフレットや公式サイトなどで調べたりしてみましょう。

大学のパンフレットの見出し、学部・学科の中身を読み込み、授業内容を見てみます。授業内容と自分の興味関心・将来の目標が合っているか調べるのです。

類似学部の違いについて調べることも大切。例えば、「経済学部か、経営学部か、商学部に行きたい」という人がたまにいますが、理由は「就職に強そうだから」「世間のことがわかりそうだから」などとイメージどまりの人が多い。しかし、経済学部は世界や国のお金のまわり方、経営学部は会社の経営、商学部は商品そのものの流通についての学問で、それぞれ研究対象が異なります。その違いを理解してほしいです。

類似学部がわからない人は、インターネットで調べたり、「似たような学部はどんなものがある?」と担任や進路指導の先生に聞いてみるといいでしょう。
※学部の違いを整理するのに役立つ記事はこちら!
https://school-journal.studysapuri.jp/app/20240126000002/

STEP2:「各大学」の学びの内容にズレがないかチェック

志望する大学×学部・学科の具体的な内容を見てみよう


学部・学科について理解できたら、次は「各大学」の学部・学科についてさらに詳しく見てみよう。公式サイト、パンフレット、SNSで、時間割例と必修科目をチェック。すでにSTEP1でこれらをしっかり見ている人は、そのままチェックリストへ。

「各大学」の学部・学科の学びの内容をチェックするポイントは、この2つ!

□時間割例を見て自分が授業を受けるイメージができた
□「これは無理そう」と感じる必修科目がなかった
同じ名称の学部・学科であっても、大学や教授や講師により学びの内容は変わってきます。座学から、データを扱って統計をとる、実験する、モノを制作したり発表したりする、ディスカッション中心、フィールドワークなど…。志望する大学の学部・学科でどんな学び方をするのか、イメージできているといいですね。必修科目でつまずいて単位を落とすと卒業できないので、必修科目もチェック。

そのほかにも、ゼミや卒業論文・卒業研究が必須かどうか、チェックしておくと安心。文章を書くのがとても苦手なら、卒論のない大学のほうがベターです。ゼミはどんなテーマを扱うのか、実験が多いかなどの形式まで確認しておくとさら良いでしょう。

チェックがつかなければオープンキャンパスなども活用

志望候補の大学の学部・学科について、公式サイトやパンフレットのカリキュラム表、時間割例、シラバス(各授業の詳細な授業計画)を見てみると、イメージしやすくなります。

さらに、オープンキャンパスで在学生の先輩に教えてもらうと、リアルな話が聞けると思います。オープンキャンパスの開催が直近にないようなら、大学の公式サイトで、オープンキャンパスや在学生のインタビュー動画が見られることもあるので参考にしてみてください。

STEP3:大学卒業後の進路もチェック

学部・学科と将来のつながりをゆるくイメージ


候補の学部・学科を卒業したら、どんな進路や仕事があるのかイメージしている将来像とのズレがないか。パンフレットや公式サイトを通してゆるくでいいので知っておこう。

卒業後のイメージとのズレをチェックするポイントは、この2つ!

□候補大学の学部・学科の主な進路や就職例を見て、自分もそうなってもよいかもと思った
□希望の職業がある人は、それに就くには何を学べばいいか説明できる
卒業後の進路について、自分の希望と先輩たちの実例が合っているのか、チェックしてみましょう。どんな仕事をしたいかによって、学部・学科が変わってくることがあります。希望の職業ために何を学ぶべきか、説明できるといいですね。

例えば、スポーツを仕事にしたいからと体育学部を選ぶ人がいますが、スポーツビジネス、スポーツ栄養学、理学療法、メディアなど、いろいろなかかわり方があります。子ども関連でも、教育学部だけでなく、保育系、心理系、福祉、社会学や発達科学など、学部・学科の選択肢は思った以上に幅広いのです。

「公務員になりたい」という人の場合、公務員になるための学部はないので、学問に翻訳する必要があります。法律の知識を生かしたいのか、政策学を研究して何かやりたいのか、経済分野の仕事をしたいのか、どういう公務員になりたいのかを考えることで、学部・学科が決まってくるでしょう。

チェックがつかないものは学びの内容を再確認

高3の段階ではチェックがつかなくても大丈夫。大学で実際に学んでみると、もっと自分に合いそうな仕事が見つかったり、やりたいことが変わってきたりすることもあるので、今は大学卒業後の進路を決定しなくてもよいからです。ただし、学びの中身が自分のイメージとかけ離れてしまうと、入学後に大きな方向転換をすることになりかねないので、チェックがつかなかったらSTEP2をもう一度確認するとよいでしょう。

希望の職業がある人はそのために何を学べばいいのか、志望校決定まで資料やオープンキャンパスなどで視野を広げて情報収集を。

現時点で卒業後の進路や職業にイメージがつかないなら、自分の得意・不得意、好き・嫌いを考えながら、自分が一番「学びたい!」と思える学校を探してみてください。そうすると進学後に学びを進めるなかで、将来の進路が自然と見えてくるのではないでしょうか。

検討不足や情報不足に気づけたらOK!

高2の3月中に、まずは気になる学部・学科について、「絶対ない」と思えた選択肢を外し、不足している情報に気づければOK!4月以降に情報収集と比較検討をして、焦らず志望校を決めていこう。<スタディサプリ進路>の各大学紹介ページにはたくさんの先輩方のインタビューが掲載されているので、リアルな時間割や将来像について知ることができる。

チェックするときに考えた内容は、総合型選抜や学校推薦型選抜の志望理由書作成にも役立つはずだ。
4月以降、志望学部・学科が確定したら、受験の現実とズレていないかまで確認できると心配ナシ!です。候補大学の入試方式と受験に必要な科目を調べて、受験できそうかをチェック。総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜では、それぞれ入試準備が大きく異なるし、履修している選択科目や得意科目と、入試科目が異なれば合格が難しくなります。一般選抜で考えている人も、評定平均と指定校推薦のリストを確認してみると、志望校に指定校推薦枠があってチャンスが広がるかもしれませんよ。

※記事内のデータは2026年1月に専門学校生と大学生計153名に実施した調査(調査委託先はアイブリッジ)によるものです。

文/やまだみちこ イラスト/本田佳世 構成/前田こころ(編集部)