企業とコラボ!賃貸物件のインテリアを女子大生がデザイン
●駒沢女子大学×東都の『コマジョリノベ』プロジェクト
実際に賃貸に出されるマンションのインテリアデザインを大学生が手がけるプロジェクトが駒沢女子大学で進んでいる。その名も『コマジョリノベ』プロジェクト。
駒沢女子大学空間造形学科(2014年4月より住空間デザイン学科に名称変更)と賃貸住宅物件を管理運営する株式会社東都(株式会社リロ・ホールディング100%出資)が連携した取り組みだ。
東都が自社の賃貸マンション2部屋のリノベーション(リフォームよりも大規模な改修のこと)のデザインを発注。住空間デザイン学科で「インテリアデザイン研究・実習Ⅱ」を履修する約40人の学生が1人1案を考え、東都がそのうち2作品を選出。そして学生デザインの部屋が実際に賃貸に出される。
プロジェクトは授業の一環として昨年9月にスタートし、6週間かけて各自がデザイン案を制作。講評会を経て11月初旬に採用作品が決定。2014年の1月中旬に工事が終わった。
●社会で求められるものを肌で感じる貴重なチャンス
採用された2作品は、木調の壁紙をあしらいナチュラルな雰囲気を演出したデザインと大理石調の床材を使いシンプルながら女性らしさがあふれるデザイン。どちらも完成度が高く個性的でオシャレ!「一人暮らしをするならこんな部屋に住んでみたい」と感じる女子高校生も多いはずだ。
このプロジェクトの狙いの一つがまさにそれ。若い女性を惹きつける新しい発想を得ようというのが企業側の目的だ。一方、大学・学生側にも大きなメリットがある。担当の佐藤勉准教授は次のように説明する。
「インテリアデザインの学習は、通常図面や模型止まりで、実物を作る機会はめったにありません。それだけに学生にとっては貴重な経験。企業とのやり取りを通して、社会ではどんなことが求められるのかを肌で感じながら企画、デザインをしたことは、参加した学生全員にプラスになるはずです」
●大学生のアイデアは十分社会に通用する!
自分たちの作ったものが、実際に世の中に出るということは、学生にとっても大きなやりがいになったようだ。佐藤准教授も「普段とは学生たちの目の色が違った」と話す。
“本気”ははっきりと作品にも表れる。このプロジェクトは学生の発想を生かすことが目的なので、佐藤准教授は使い勝手や施工上の技術的なポイントを指摘する以外、デザインに関しては本人たちのアイデアを尊重して指導。結果、先生やプロが手を加えるまでもなく、斬新でクオリティの高い作品が出そろったという。
現在、『コマジョリノベ』プロジェクトはバージョンアップした第2弾を構想中。いずれは学科の正規のプログラムとして定着させていきたいと佐藤准教授は話す。
このように大学生と企業がコラボして商品開発する取り組みは、実は今、全国の大学に広がっている。興味がある高校生はインターネットなどで調べてみよう。大学選びのヒントになるかも。
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