数学が好きになる! 東京理科大学「数学体験館」に行ってきた
いきなり問題です。
少し傾斜のついた板に、パチンコのように平等に釘が打ってあります。
上の中心部からたくさんの小さな球を転がすと、球は左右に弾かれながら下に向かって落ちて行きます。
球は左右どのあたりに一番多く落ちるでしょう?
答えはちょうど真ん中。
そして球の分布は左右対称の山型になります。
こんなふうに、見たり、触ったり、体験したりしながら、誰でも自由に数学の世界を学べるのが東京理科大学の「数学体験館」だ。館長はテレビなどでもおなじみの数学者、秋山仁東京理科大学教授。20年以上前から、数学の定理や公式、概念を実感するための模型や作品、教具、装置などを作り続け、世界中で作品展を開催してきた。
ちなみに上の問題の模型は「二項分布」を表したもので、高1の数学で習う。
高2で習う「円錐曲線」を説明してくれるのはこちら。直円錐を、その頂点を通らないいくつかの平面で切った際に切り口(境界)に現れる曲線を、わかりやすく見せてくれる。
ほかにも、ピタゴラスの定理(三平方の定理)を証明する一方法を、プレートが動く仕掛けによって見せてくれる三平方スライドなど、これまで学習してきた数学が感覚的に理解できる作品がたくさん展示されている。
なお、数学体験館には、数学を学ぶ学生を中心に何名かのインストラクターが常駐しているので、わからないことがあったらどんどん質問するといい。ちなみに、今回、案内してくれたのは理学専攻科の二見彰彦さん。二見さんは一度、高校の数学の教員になったが、秋山先生のこの「体験」の世界に魅せられて、再び大学で学び直しているのだという。
と二見さん。
というわけで、数学が生活と日常密着していることを体感できる、シンプルでおもしろい模型を紹介しよう。
ひとつめはこちら。マンホールのフタはなぜ円なのか?
この模型は実際にフタが外れるようになっているので実験してみるとわかるが、完全な円のフタの場合、絶対に穴に落ちることがない。三角も、四角も、台形も、縦にすれば穴に落ちる。では、左上にある曲線を使った三角形のような図形はどうだろう? ヒントは「ルーローの三角形」。
もうひとつは、面積の問題。
長方形の箱の中に飲料缶が40本入っている。ここに、あと1本入れたいのだけれどどうすればいい? ヒントは「ハニカム構造」。
答えはぜひ、現地に行って自分の目で確かめてみよう。
東京理科大学 数学体験館
(近代科学資料館 地下1階)
12:00〜16:00(土曜日は10:00〜)
休館:日曜・月曜・祝日・大学の休業日
(8月中旬及び年末年始の一斉休暇期間を含む)
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◆数字という世界共通の言語を使って、数、量、図形などの性質や関係を研究【数学】