あなたの知らない学問──「宇宙法」って何?

■宇宙法のルーツは1966年締結の宇宙条約

 

世の中にはいろいろな法律がある。「労働法」「会社法」「食品衛生法」などはみんなも教科書や新聞などで目にしたことがあるはず。

 

では、「宇宙法」はどうだろう? 「え、そんな法律があるの?」「SFアニメの世界にならありそうだけど」と思う人も多いかも。

 

実は、宇宙法はれっきとした法学の研究対象。ただし、日本国内に「宇宙法」という名前の法律があるわけではない。1966年に締結された宇宙条約をはじめとする国際条約宇宙を中心に、宇宙に関係する国内法・国際法をまとめて宇宙法と呼んでいるのだ。

 

そんな宇宙法が、今、法律の分野で少しずつ注目されるようになってきている。その大きな理由が宇宙の民間利用が現実になってきたこと。たとえば、民間人の宇宙旅行はもう既に海外では実現しており、日本でも旅行会社が売り出していたりする。

 

あなたの知らない学問──「宇宙法」って何?

 
 

■宇宙の民間利用に関する国際的なルールがない!?

 

夢のある話題だが、これが現実になると、いろいろと悩ましい問題も出てくる。

 

例えば、縁起でもない話だが、宇宙旅行中に事故が発生した場合、その責任は誰が負うことになるのか、今のところ明確なルールはない。海外旅行中の事故ならその国の法律が適用されるが、現場が宇宙となると…。

 

国際条約は、あくまで宇宙の平和利用に関する国と国との取り決め。民間利用は想定されていないのでどうにもできない。

 

現実には宇宙旅行のほか、宇宙葬などのビジネスも実現に向けて動いている。宇宙の民間利用に関して、現状の法律でどう対応するのか、新たなルールをどう整備していけばいいのか研究することは世界レベルの急務なのだ。

 

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■少ないながら宇宙法について学べる大学も

 

では、宇宙法の研究や教育はどのくらい進んでいるのだろうか?

 

今のところ日本では宇宙法を本格的に扱っている大学は少ないが、慶應義塾大学は2012年に宇宙法の研究拠点となる宇宙法研究所を開設。そのほか、法学部などで国際法の一領域として宇宙法の科目を設けている大学もいくつかある。

 

現状では、宇宙法の研究者や宇宙法に詳しい弁護士も当然少ない。しかし、今後ニーズが伸びることは確かな分野でもあり、未開拓な領域にチャレンジする魅力も。

 

あなたの知らない学問──「宇宙法」って何?

 

法律に興味がある人や宇宙に興味がある人は、気になったらぜひ調べてみよう。