人工衛星まで飛ばす!? 工学系学部のものづくりがスゴイ!
■大学でロボットや人工衛星を造ることができる!
将来は「ものづくり」にかかわる仕事がしたいと考えている高校生にとって、大学の工学系学部・学科は主要な進路の一つ。この分野は、大学生が実際にレベルの高いものづくりにかかわるチャンスもあるので、今から楽しみにしているメカ好き高校生もいるのでは?
というわけで、実際に大学の工学系学部・学科でどんなものづくりが行われているのか、インパクトのある事例を紹介していこう。
■人型ロボットのサッカー大会で世界一に!
まずは「ロボット」から。
「2050年、サッカーの世界チャンピオンチームに勝てるロボットチームを作る」という目標を掲げて開催されている「ロボカップ」という競技会があり、この世界大会で日本の大学が毎年のように活躍している。
2014年のブラジル大会では、千葉工業大学未来ロボティクス学科のチームがヒューマノイドリーグ・キッドサイズ部門で優勝。
自分で考えながら動く人型ロボットのサッカーチーム──そんなSFのような話が大学生によって実現されていることに驚き。本当に人間の世界チャンピオンに勝てる日が来るのかも!?
■フォーミュラカーの開発に取り組む学生チームも
「レーシングカー」を造っている大学もある。
この分野では「全日本学生フォーミュラ大会」という大会があり、大学や大学校の学生チームが約1年かけて自分たちでフォーミュラカーを構想・設計・製作して、走行性能やデザイン性などを競う。
2014年は86チームが参加し、名古屋大学が初優勝した。
この名古屋大学のチームは、工学部の複数の学科からメンバーが集まったフォーミュラチームFEM(他学部の学生も参加)。それぞれの専門性を生かし、企業からの部品提供なども受けながら本格的なフォーミュラカー開発に取り組んでいる。
■学部生主体のプロジェクトで小型人工衛星を製作
続いては「人工衛星」。
帝京大学理工学部(宇都宮キャンパス)の工学系クラブ「宇宙システム研究会」は2008年から小型人工衛星の開発プロジェクトをスタート。
2014年には、学生が設計・製作した、一辺30センチ、重さ20キロの微生物観察用人工衛星「TeikyoSat-3」をJAXAのロケットに相乗りして打ち上げることに成功。
「TeikyoSat-3」に搭載した粘菌の胞子が、宇宙放射線や無重力状態にどう影響を受けるかを地上で画像データを受信して観察するという実験も行った。
プロジェクトメンバーの多くは学部生で、なんと1、2年生も参加している!
さて、ここで紹介したのはあくまでごく一部。まだまだ魅力的な研究・開発に取り組んでいる工学系学部・学科はたくさんあるので、気になる人はさっそく調べてみよう。