プロ野球二軍戦の集客、特許の商品化…大学と企業のコラボ最前線
大学で学びながら世の中に出る商品を企画できる!
実際に世の中に出る商品やサービスを大学生が自分たちで考える──
今、大学では企業とコラボしたそんな実戦的な学びの機会がどんどん増えている。
最近では、よりユニークなコラボ科目・プロジェクトも目立ってきているので、その一部を紹介しよう!
プロ野球の二軍戦を満員にするプロジェクトも
奈良県の帝塚山大学では、2015年、オリックス・バファローズ、県とコラボして、「球場を満員にするプロジェクト」を実施。
ウエスタン・リーグ(※)公式戦「オリックス─阪神」に観客を集めるためのアイデアを学生が考え、実践するという取り組みだ。
9月の試合当日に向けて、経済学部と経営学部で学内特別講義を開講し、球団職員と大学教員がリレー形式で登壇。
学生たちはこの講義を参考に、自分たちでアンケートによるマーケティング調査をしたり、地元企業の協力を取り付けたりしながら約半年をかけて準備を進め、当日は運営にも参加。
家族連れをターゲットにした野球教室や選手のサイン会、親子によるスタメン紹介などの企画が功を奏して、当日は県内開催の二軍戦では過去最高となる5116人の観客が集まった!
大企業が使用していない特許を大学生が商品化!
企業が「取得はしたもののビジネスに生かしていない未利用特許」を開放し、それを活用した新商品のアイデアを大学生から募る試みが「知財活用アイデア全国大会」だ。富士通やJAXAなどが開放特許を提供。
大学生は大学ごとにゼミのメンバーや有志でチームを作り、学内での予選や地方大会、全国大会でアイデアを競い合う。
優秀なアイデアは各大学の地元の中小企業と連携して実際に商品化することがこの取り組みのねらい。地元企業の支援にもつながるのでやりがいも十分だ。
2015年の全国大会(西日本大会)では昭和女子大学のチームが最優秀賞を、高崎経済大学と大阪府立大学のチームが優秀賞を受賞。
例えば、「残り予算に応じて購入できる商品を提案するソフトウェアの特許」を活用した、「予算・人数・目的に応じた観光プランを提案するアプリケーション」(大阪府立大学)、「物品を叩いた音を分析して検査する技術の特許」を活用した「ドアの特定の箇所をノックすると解錠できる指輪」(静岡産業大学)など、ユニークで実用的な商品アイデアが多数生まれた。
このような取り組みは全国の大学に広がっている。「おもしろそう」「社会に出てから役立つ力がつきそう」と感じたキミ!
さっそく志望大学の企業コラボ実績をチェックしてみては?
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※ウエスタン・リーグ…日本プロ野球の二軍のリーグの一つ。名古屋より西にある5チームで構成されている。