経営学・脳科学を勉強中。私の身近な授業&研究/大学生ライター

大学の授業ってどんなものがあるんだろう?

 

大学の授業は、数学や英語といった高校の教科とはまったく異なり、非常に細かく分類されているんです。例えば世界史だって、国、時代、宗教とその区切りは数えきれません。

 

そんななか、私の通う九州大学にはユニークな授業や実験がたくさんあります。今回は、そのなかから2つを紹介します。

 

 

(1)レゴでキャリアプランを磨く「QREC アイディアラボⅡ」/五十嵐伸吾先生


一見遊んでいるかのように見えるこの授業。実はレゴ・ブロックを使った遊びと問題解結、アイデア創出・実現についてのプロセスを一度に体験する手法として高度に開発された授業なんです。

 

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最初のお題は…?「配られたレゴ・ブロックで一番高いタワーを作ること!!」

みんなで、試行錯誤しながら、制限時間内にタワーを作ってゆきます。例えば、Aチーム:1つずつロゴを積み上げてゆきます。

 

すると、グラグラ、バターン!!!…やり直し。Bチーム:ロゴを一列に並べてゆきます。そして、床に寝転ぶと、あら不思議!!タワーに見えます。

 

このように、視点を変えることによって見えてくる世界があるんです。私たちがいかに「タワー」という固定概念に縛られていたのかがわかりますね。その後も、学生たちは次々出されるお題に対して果敢に立ち向かってゆきます。

 

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気づけばレゴを単なるおもちゃから、自分を表現する1つの手法と無意識に変わっていってるんです。なんとも不思議ですね。自分の手で作り、崩すことを繰り返してゆく。そうすることで、あたりまえを疑い、レゴ・ブロックにクリエイティブな命を吹き込んでゆくことができる!!

 

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授業の最後には自分の5年後のキャリアプランを発表したりと自分の変化を実感できるというところまでいきます。レゴ・ブロックは、「まじめで笑わなさそう」と思われがちな九大生をあっという間にとりこにしてしまい、子どもたちに負けないほどキラキラに輝かせる授業をつくってくれる。

 

もちろん、教員の先生方も生徒たちと混ざって、レゴ・ブロックで作品を作ります。そのなかで違う世代の人たちの意見を聞いたり、議論したりすることを通して、自然にコミュ二ケーション能力もきっとアップしていますよ。

 

 

(2)超!最先端の脳科学実験「映像・生体観察時の脳活動に関する研究」/樋口重和先生

 

「21世紀は脳科学の時代」といわれるように、脳科学の研究は非常に進んでいます。(このようなフレーズよく聞きますが。笑)そんななか、九州大学芸術工学部工業設計学科 樋口研究所のある学生が卒業研究のために、おもしろい実験を行っています。

 

それは、「映像・生体観察時の脳活動に関する研究」。タイトルだけだとなんのことだかよくわからないですね。というわけで、私がその研究室に尋ねてみました。

 

お話を聞くと、どうやら脳派キャップ(写真参照)を被り、いくつかの映像や生体の活動を観察する。それらを観察するときの脳の中のミラーニューロン※が活動したときに起こる電気の測定を行っているとのこと。

 

 
具体的な実験内容は、実際コップで水を飲む人の動きを見ることと、それと同じ行動を映像で見ることに、差はあるのかを検証しました。将来的には、学習方法や医療現場での応用も十分に考えられる研究らしいです。

 

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このように多くの学生は卒業研究で、自分たちの取り組みたい研究を思い思いに行うことができます。最後に、今回は私も被験者として体験させてもらい、テレビでよく見る脳派キャップを被るという夢が叶った感想を一言。
 
 
「髪濡れます。笑」
 
なぜならキャップの保存方法は電解質に浸しているからなんです。

 

 

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※ミラーニューロン:別名「モノマネ細胞」とも呼ばれ、人の動きや行動を脳内で模倣を行う。例えば、野球の試合でデットボールが当たった選手を見てるのに「いたっ」って思っちゃうあの感じです。

 
 

以上が、私がおすすめする授業・実験です。ぜひ、九大に来た際には、先輩たちからおもしろい授業をたくさん教えてもらってくださいね。

 
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プロフィール
鶴羽 愛里(えりい)
21世紀プログラム過程課 3年
高校時代は普通科高校-理系に所属。生物、社会と英語に興味を示す。大学では食の視点から国際支援にかかわる勉強をしてゆきたいと九州大学に入学。現在は脳科学、経営学(ソーシャルビジネス)を専攻している。長期休暇は、海外に短期留学をして過ごす。これまでに、カナダ、中国、スペインそしてフィリピンに留学経験あり。