京都芸術大学、学生寮のカフェ壁面をプロデュース!

京都芸術大学は、学生寮のカフェ壁面をプロデュースした。

東急不動産株式会社と株式会社学生情報センターが共同開発した学生寮「キャンパスヴィレッジ」(https://campusvillage.jp/)が、2020年3月に京都市左京区の一乗寺に新たに完成した。

この学生寮では、カフェテリアでの食事提供や、居住家具・家電付の寮室を完備するほか、共用部を充実させることで学生間のコミュニティー形成を促進し、新たなライフスタイルを学生に提案する試みがなされている。京都市内では他に、西京極と伏見で運営されている。

一乗寺の物件には主に、京都芸術大学、京都大学、京都工芸繊維大学、京都産業大学の学生が入居予定。

「新しくできる学生寮のカフェスペースに、まっさらな壁面があるのですが、何か有意義な使い方ができないか」東急不動産株式会社からこのような依頼があったのは2019年6月だった。

依頼を受け、呼びかけに賛同した学生たちによってプロジェクトがスタートした。当初の話し合いでは、壁面に学生の作品を掛けて展示したり、棚を取り付けて造形作品を展示したりしてみてはどうかというアイデアが挙がっていた。

しかし、東急不動産株式会社の担当者を交えたミーティングを重ねるうちに、ただ作品を展示するのではなく、2020年4月から入居する学生同士が違和感なく打ち解ける仕組みができるような空間にしようという方針へと切り替わった。

そこで、入居者が親睦を図れるよう、壁面を利用したワークショップを提案。今や誰もがスマートフォンで簡単に写真を撮れることから、入居者が見つけた「近所の良かった、楽しかった、おいしかった、安かった」場所を、写真にして紹介するワークショップを開催することに決まった。具体的には、撮影した写真をその場でプリンターで現像し、各自が壁面に貼っていきお互いに紹介し合うというもの。

さらに、まっさらな壁面ではなく京都の風景が描かれているほうが良いのではという発想が生まれ、情報デザイン学科イラストレーションコース4年生の石田花鈴さんが壁画のデザインを担当。石田さんの原画が、実際に施工業者によって壁面に貼られることになった。

石田さんは単に京都の風景を描き込むのではなく、趣を重視し、洛中洛外図をイメージしたデザインを提案し、見事に採用された。

一方、ワークショップ担当グループは、あらかじめ壁に何らかの写真を貼っていたほうが、より早く親睦を深められるのではということで、事前に写真を準備することに。

テーマは「近隣のおいしい飲食店」。

遠方から引っ越してきて一人暮らしを始める新入生にとって、近くにある飲食店について情報を得られることはとても心強いはず。

学生メンバーは実際に、一乗寺近辺や自身がお薦めする飲食店を食べ歩き、写真を撮影。まだ見ぬ入居新入生へ向けて、現像した写真にメッセージを書いていった。作業最終日、石田さんのイラストはすでに壁画として完成していて、写真を展示した。

実際に京都芸術大学の学生と入居学生とで行うワークショップは5月以降に予定されている。

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