岡山県立倉敷南高校の「地元活性化アイデア」がおもしろい!

「高校生の自分が、地元のためにできることなんてないのでは?」

 

そう思っている高校生は多いだろう。しかし、岡山県立倉敷南高校の1年生は、地元を盛り上げるための77のアイデアを考えた。

 

地域の人たちからも「おもしろい」という声があがっている。

 
 

■倉敷のまちで高校生がフィールドワークを実施

 

倉敷南高校は、観光地として知られる倉敷市にある。特に、塗屋造りの町家や白壁土蔵造りが並び、昔ながらの風景が残る『美観地区』が有名だ。

 

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しかし、若い観光客を惹きつける魅力づくりや、伝統や文化をどう受け継いでいくかなど、課題も多い。

 

そこで同校の1年生が課外活動として、4~5人の班に分かれて夏休みにフィールドワークを実施。倉敷のまちのもつ課題の解決策を考えた。

 

11月には学年全体でポスターセッション発表会を開催。地域の人々も招いて自分たちのアイデアをアピールした。岡山県が開催する「岡山まちの夢学生アイデアコンテスト」にも応募し、最終プレゼンテーション発表に駒を進めたグループもある。

 

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彼らのアイデアをみてみると、
「商店街改造計画」
「町家の利活用~古い町家を菓子店へ~」
「倉敷の救急体制~救える命はここにある~」…などさまざまなものがある。
これらの中から2つを紹介しよう。

 
 

■地味な男子が倉敷のデートスポットを調査!「いまどき男子改造計画」

 

地味といわれるいまどき男子だが、積極的に女子をデートに誘うことができる場所を提供することで、倉敷のまちへの若者の集客アップをねらおうという案。

 

倉敷の名士である企業の社長や美術館学芸課長に、いまどき男子に足りないものや、魅力ある男子になるにはどうしたらいいかをインタビュー。「人目を気にするな」「チャレンジ精神をもて」「全体のためにできることを考えろ」などのアドバイスをもらった。それらを参考に、倉敷のまちを歩いて、男子が積極的になれそうなデートスポットを地図にまとめた。

 

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「この活動を通じて、自分も少し積極的な人間になれたかなと思います。先生方からも『雰囲気が変わったね』と言われました。インタビューでいまどき男子への喝をもらったのと、頑張って良いものができたという達成感で、少し自信がついた気がします」(新山博紀くん)

 

モテ男子に向けて一歩を踏み出したようだ。

 

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■私たちにとって人ごとじゃない?!「倉敷市の子育て」

 

取り組んだのは、将来、倉敷で子育てをするかもしれない女子3人。インターネットで「倉敷市で子育てが楽しいと感じている人がわずか3割」というデータを発見し、自分たちのためにも倉敷市のためにも、子育てが楽しいと感じられる仕組みを考えたいという思いからスタートした。

 

福祉施設で小さな子どもをもつ母親に「不安に思っていること」や「行政に求めること」をインタビューしたところ、一時的に子どもを預ける時の手続きの面倒さがみえてきた。そこで、年に一度の登録でできる「子育て応援カード」を作り、カードをスキャンすることで面倒な手続きなしに一時保育などのサービスを手軽に利用できる制度を作ることを提案した。

 

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「自分も将来はお話を伺ったお母さんたちのように負担を感じるのかな、と思うとやっぱり少し不安。自分たちが提案した制度ができて、もっと子育てが楽しくなったらうれしいですね」(齋藤愛加さん)

 

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自分たちが暮らす地域をもっと良くするために、みんなはどんなアイデアがある? 友達と話してみるのもおもしろそうだ。