1人で大規模フェスを企画&開催。話題の女子高生を直撃!

「あこがれの海外ミュージシャンの演奏を生で聴きたい!」

 

「自分が好きなアーティストをみんなにも知ってほしい!」

 

そんな願望を胸に、自らフェスを開催させた女子高生がいる。東京都内の高校に通う礒尾奈加子さん(高3)だ。

 

礒尾さんは、「ロックゴッドダム」というロックフェスを2012年、2013年と2年続けて開催した“女子高生オーガナイザー”だ。

 

フェス開催に至ったきっかけを、礒尾さん本人に聞いてみた!

 

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■音楽を愛する気持ちがフェス開催の行動力に!

 

「1年めは、とあるきっかけでNPO団体から『一緒にフェスを開催しませんか』とお誘いを受けたんです。私は、昔から海外のバンドやインディーズ音楽に興味があって、自分でもバンド活動をしたり、ピアノを弾いたりと音楽にかかわることが大好きだったのでよろこんで引き受けました」

 

その後、いろいろな事情でNPO団体が撤退。しかし、礒尾さんはあきらめることなく自らの手でフェスを開催させた。

 

「会場も出演者もすでに決まっていたので、とにかく勢いで突き進んだ感じです。終わったときは、『もう二度とやりたくない』と思うくらいヘトヘトでした(笑)」

 
 

■あるバンドに送ったファンメールが奇跡を呼ぶ!

 

しかし、その言葉とは裏腹に2年めも「ロックゴッドダム」は開催される。きっかけは、礒尾さんがあるバンドに送った一通のファンメールだ。

 

「私が昔から大好きなドイツの『ブラックメイル』というバンドが結成20周年を迎えたんですよ。それである日、お祝いの言葉と『私は8歳のころからあなたたちのファンです。いつか生で演奏が見たいです』というメールを彼らの公式サイトに送ったんです。そしたら『じゃあ、日本に行くよ』という返事がきて…。ビックリしましたね。それから、何度かメールをやり取りして去年開催した『ロックゴッドダム』のことなども伝え、『今年もフェスをやるからぜひ参加してほしい』とお願いしました」

 

いちファンへのリップサービスとも取れる彼らの返事をきっかけに、あこがれのバンドとの奇跡的な交流をもつこととなった礒尾さんは、1から1人でフェスを立ち上げることを決意。「彼らが来日するなら去年よりも大規模なフェスを開催しよう!」と奮闘した。

 

中学の時にオーストラリアに留学して培ったという英語力を生かし、海外アーティストにも積極的に出演を交渉。アーティストの公式サイトにある“問い合わせ先”から、「フェスを開催するんだけど参加してくれない?」と100組近くにメールを送ったというからすごい!

 

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■高校生ならではの壁に直面…

 

「出演交渉以外にも、国に助成金を申請したり、会場を手配したり、フライヤーを刷ったりとやることは本当にたくさんありましたね。しかも私が高校生だということで、『本当にやれるのか?』と冷たい対応を取られたこともあって…。助成金申請に行った時は、制服姿の私を見て門前払いされたこともありました」

 

高校生だからこその苦労…。それは、勉強との両立でも直面したという。

 

「受験生だったので、勉強の時間を確保するのも大変でした。塾が終わって23時ごろに帰宅してからフェスの準備をしていたので、受験勉強は学校に行く前の早朝か、1日の中で何時から何時までは勉強すると決めてやっていましたね」

 

そんな努力が実り、1年めは出演アーティスト7組だった「ロックゴッドダム」は、2年めには海外アーティスト4組を含む計40組が出演する2日間、4会場の大規模イベントに成長したのだ!

 

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■音楽の世界にいる“表現者”たちを多くの人に知ってほしい

 

しかし、これほどまでフェス開催に情熱を注げたのはなぜだろう?

 

「私は、どんな音楽も芸術の一つだと思っています。だからフェスを開催することで、『音楽の世界にはいろんな表現者がいる』ということをたくさんの人に伝えたかったんです。だから、普段ライブハウスに来ない高校生たちが入りやすいように、『ロックゴッドダム』では会場内を禁煙にしたり、高校生のチケット代を大人の半額にしたりと工夫しました」

 

高校生ならではの視点と行動力で、音楽界に新たな風を吹き込んだ礒尾さん。彼女の挑戦は、同世代の高校生にも“いい刺激”となって心に響くだろう!