高校生が好きな作家1位は『リアル鬼ごっこ』の山田悠介さん!

「第58回学校読書調査」が10月26日に公表された。毎日新聞と全国学校図書館協議会(SLA)が合同で行う調査で、全国の公立学校に通う小中高校生約1万人の回答をまとめた。

 

30人の作家リストの中から好きな作家は誰かを聞いたところ、高校生が選んだ1位は山田悠介さんで22%、2位は東野圭吾さんで12%だった。

 

山田悠介さんは自費出版された処女作『リアル鬼ごっこ』(2001年)が49万部のベストセラーを記録するなど、奇抜なテーマ設定で人気を集めるホラー作家。もともと読書は嫌いだったが、「想像力を生かした仕事をしたい」と高校卒業後、アルバイトをしながら作家を目指したとい。ほかにも『親指探し』や『あそこの席』など、映画化・漫画化された話題作を発表している。

 

2位の東野圭吾さんは、ミステリー作家。『白夜行』(2002年)や『流星の絆』(2009年)など、こちらも映画化・ドラマ化された話題作を数多く発表している。

 

ちなみに芥川龍之介、夏目漱石などのいわゆる「文豪」は、いずれも3%以下の低い支持率だった。

 

今回の調査では、「友達と本の貸し借りをしたことがあるか」という質問に、小学生の35%、中学生の46%、高校生の38%が「はい」と回答している。一番比率が高いのは、中学生女子の63%だが、高校生女子も46%にのぼった。メールやSNS、ケータイ小説、ネット動画、テレビなど、さまざまなメディアを楽しむ毎日のなかで、「本の貸し借り」はあまりされていないのかと思いきや、今もとても盛んで、カルチャーとして健在なことがわかった。

 

ちなみに1カ月間に1冊も本を読まない「不読率」は、高校生になると5割を超える。それでも、70%に達した97年と比べると大きく減り、30年前の水準に戻った。本離れを阻止しようと全国の学校で始まった「朝読書」などの地道な取り組みが少しずつ成果をあげているのかもしれない。

 

本を読むことを苦手に思っている人や、本が好きでない人も、あまり堅苦しいものだと考えず、本好きの友達におすすめの本を聞いてみてはどうだろう。

 

「なんかおもしろい本ない?」「あの本、どうだった?」「超おもしろかった~、あのシーンが最高だったよね~」…。という感じで、思いがけず本の楽しさに目覚めたり、友達との共通の読書体験が会話を広げ、互いをよく知るきっかけになるかもしれない。