高校生の関心事に変化。「いま気になるキーワード」とは?

毎年この時期になるとテレビや新聞等のマスコミで、この一年を振り 返った話題が発表される。

 

例えば、「今年の新語・流行語大賞」、「今年の10大ニュース」や「今年の漢字」など。『リクルート進学ブック』でも、学校選びのキッカケとなるキーワードを探るべく、今年も「今、興味関心のあるワード」についてアンケートを行った結果、この一年で大きな変化が見られた。

 

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気になる領土問題。『日本』という意識の高まり

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1.「ニュース&時事テーマ」カテゴリで今年新たに登場したワード(一部)

尖閣諸島、竹島、領土問題、日韓問題、消費税、自殺、原子力発電所、将来、高校野球、サッカー、スポーツ

 

2.「世界・ことば・旅行」カテゴリで今年新たに登場したワード(一部)

尖閣諸島、竹島、領土問題、シリア内戦、TOEIC(R)、コミュニケーション

 

<金剛寺 千鶴子編集長はこう読む>

●世界の中の『日本』の意識の高まり

内向きと言われることの多い現代の高校生ではありますが、領土問題をはじめ、世界から見た 日本を意識せざるを得ない情勢に対し、敏感に反応し危機感を強めているのではないでしょうか。 一方で、日本のスポーツが世界を舞台に躍進していることは、希望の光となっているようです。

 

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 社会不安から現実思考へと振れる高校生心理

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1.「自然・環境・動植物・科学」カテゴリで今年新たに登場したワード(一部)

原子力発電所、生物、地球温暖化、科学、環境問題、原発問題、iPS細胞、計算

 

2.「医療・福祉」カテゴリで今年新たに登場したワード(一部)

孤独死、ガン、保険、生活保護、障害、介護

 

3.「社会・ビジネス・政治」カテゴリで今年新たに登場したワード(一部)

消費税、就職、経営、TPP、ルール、憲法、金融、会計

 

<金剛寺 千鶴子編集長はこう読む>

●「原発どうなるの!?」「増税!?」と一気に現実思考へ

昨年の同調査では震災の影響により、「思いやり」「つながり」といった言葉が登場しましたが、 今回の調査では一転、原発や増税といった現実思考が色濃くなっています。 若い世代はなおさら将来への不安が募るのか、エネルギー問題、就職、高齢社会、 お金のことへの興味関心も高く、現実的な思考が強まっている印象です。

 

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スマホ普及により激変した生活

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1.「IT・機械・テクノロジー」カテゴリで今年新たに登場したワード(一部)

アプリケーション、電子マネー、違法ダウンロード、クラウド、制御

 

2.「人間・心理」カテゴリで今年新たに登場したワード(一部)

友達/仲間、楽しい、自殺、虐待、うつ病、関わり/関係、正義

 

<金剛寺 千鶴子編集長はこう読む>

●スマートフォンの急速な普及で激変した生活

スマホが普及し、高校生のスマホ所有率が昨年の2.6倍(14.9%→39.2%)と急増している(※)中で、 コミュニケーションの手法が変わり、娯楽が増え、ネット通販で外出しなくても物が買えるようになり、 高校生の生活全般にも強い影響を与えています。 いつでも、気軽に、誰とでも、どこへでも、簡単につながれる便利で楽しい世の中に なったはずなのに、「いじめ」「自殺」「虐待」といった、心の豊かさには程遠い印象もありました。

 

 

※「高校生のWEB利用状況の実態把握調査 2012」(リクルート進学総研)より http://souken.shingakunet.com/research/2011/08/post-df21.html

※アンケート概要  【実施時期】2011年8月21日~8月27日、【実施方法】インターネット、【実施対象者】高校生・大学・短大・専門学校生、【有効回答数】のべ1600名、【回答方法】選択式/フリーワード