高校生で部活していると勉強できない!?ハードすぎる部活動問題。キミはどう考える?
休みなしの過酷な練習は生徒にも先生にも大きな負担
『高校の運動部』というと、平日は授業が終わったあと毎日7時ぐらいまで練習して、土日も練習や試合があって休みなし!というハードなスケジュールをイメージする人も多いはず。
でも、冷静に考えるとこれって相当きつくない?なかには、「ついていけなくて辞めちゃった」「興味はあったけど勉強時間がなくなる!」という高校生もいるのでは?
つらいのは生徒だけではない。
高校の部活動は先生がボランティアで指導していることが多い。
お金にならない労働で週末にも休めないという状況が当たり前になってしまっているということ。
先生にとっても、生徒にとっても運動部は過酷ということだ。
これってちょっと問題では・・・?
「部活で疲れて授業に集中できない」などの問題が
最近では、この問題を取り上げる専門家や先生が増えてきているという。
名古屋大学大学院 教育発達科学研究科の内田良准教授もその一人。
高校でもおそらく半数以上は休養日が1日以下でしょう。
文部科学省は20年も前に中学校は週2日、高校は週1日、休養日を作るよう指針を出していますが、守られていないのが実情です」
ハードすぎる部活の弊害は、すでに挙げた「気軽にスポーツを楽しみたいのにできない」「勉強時間がとれない」「顧問の先生が大変」という以外にも、「疲れて授業に集中できない」などいろいろある。
1回2時間、週3~4日の「ゆとり部活動」のススメ
フラフラの状態で無理をして練習を続けることで、死亡事故など重大な事態に至るケースもあるのです」
高校生の本分はあくまで勉強。
決してメインではないはずの部活動でそこまで無理をするのは本末転倒ではないだろうか?
そこで、内田准教授が提案するのが「ゆとり部活動」。
お金をかけずにスポーツを楽しむ機会を提供するという意味では部活動の意義は大きいですから、楽しめる範囲でやればいいんです。
参加する大会数なども年2回などに減らすべきです」
「それでは県大会や全国大会を目指せるアスリートは育たないのでは?」「自分は厳しい練習を耐えたからこそ人間的にも成長できた」といった反論が聞こえてきそう。
しかし、それに対して内田准教授はこう答える。
「試合に勝つ」からは遠のくかもしれないけれど
部活動でも試合はするけど、そこまで勝負にはこだわらない。
教育の一環として、生徒が気軽にスポーツに親しむ。これで十分です」
学校の部活動は、スポーツの楽しさを体験できる場であればいい。
練習量が減れば「試合に勝つ」という目的からは遠ざかってしまうかもしれないが、それでもいいじゃないかというのが内田准教授の主張だ。
実際、運動部の過酷な練習日程ついて生徒や先生に話を聞くと、生徒からは「先生がやれというから」という声が上がり、先生からは「生徒がやりたがるから」という声が上がるという。
本当はどちらも「ちょっと練習が多すぎる」と思っているわけだ。
ここにきて文部科学省も過酷すぎる部活動の見直しに改めて本腰を入れつつある。
さて、高校生のみんなはこの部活動問題、どう考えるだろうか?
※文部科学省とスポーツ庁による調査(2016年)