高校生必見!ボランティア活動に参加するメリットと参加時に気をつけるべきこと
ボランティア活動に興味はあるけど、実際にどうやって探せばいいのか、どんなものがあるのかわからず、なかなか行動に移せないという人もいるのでは?
高校生ができるボランティア活動は、地域の清掃活動から、イベントやスポーツ大会の運営、福祉関係、子どもや動物にかかわること、国際協力まで意外と幅広い。
そこで、みんなは、どんなボランティア活動をして、どんなメリットがあったのかを聞いてみた。
さらに、ボランティア募集情報サイトactivoを運営する小澤佳祐さんに、高校生におすすめのボランティア活動や参加時に気をつけるべきことについて、アドバイスをもらったよ。
小澤佳祐さん
株式会社activo代表取締役社長
1991年、京都生まれ。
立命館大学在学中に、学生ベンチャー企業内で国内最大級のボランティア募集情報サイト『activo』を立ち上げ、卒業後もactivoのサービス運営を続けている。
大学時代は、海外ボランティアや東日本大震災に伴う東北でのボランティア活動などを行い、NPOや市民社会を研究するゼミに所属していた。
目次
みんなは、どんなボランティア活動をしたことがあるの?
まずは全国の高校生男女104人に「ボランティアに参加した経験がありますか?」と聞いたところ、75%が「はい」と回答!
なんと7割以上の高校生が、ボランティア活動をした経験があるようだ。
「ボランティアに参加した経験がある」と回答してくれた高校生に、どんなボランティア活動をしたか調査したところ、「地域などの清掃・ゴミ拾い」が多いようで、ボランティア活動をしたことがある高校生78人中、約半数の38人が参加している。
続いて、地域のイベントの受付や手伝いで約15%の12人。
そのほかには、草むしりやマラソン大会のスタッフ、高齢者・福祉・保育などの施設の手伝い、イベントの運営などのボランティア活動がある。
地元で気軽に体験できて、誰かの役に立ったり、地域貢献ができたりするボランティア活動に参加しているようだ。
・地域などの清掃・ゴミ拾い 38人
・地域のイベントの受付・手伝い 12人
・草むしり 7人
・マラソン大会のスタッフ 6人
・高齢者施設や福祉施設の手伝いや交流 4人
・保育園・学童保育の手伝い 2人
・イベントの運営 2人
そのほか、小学生との交流イベント、募金活動、子ども食堂、通学路の交通安全の見守りなど。
※スタディサプリ進路調べ:回答者78人(複数回答あり)
高校生に聞いた!ボランティア活動のメリットとやる理由は
ボランティア活動のメリットは、社会貢献ができる、人とのかかわり方を学べる、普段とは違った経験ができる、人に感謝されてやりがいを感じる、いろいろな体験ができて楽しいなど。
ボランティア活動をした理由としては、人の役に立ちたい、地域貢献をしたいといった気持ちが多いようだ。
実際、高校生のみんながボランティア活動をした理由とメリットを紹介しよう。
社会貢献ができる
地域のゴミを拾ったり、募金活動をしたり、ボランティア活動をすることで、社会のためになっている、誰かの役に立っていると実感できることは、自分のよろこびにもなる。
・「自分の将来につながる人生経験になると思い、地域のゴミ拾いや介護施設のサポートを体験しました。
実際に体験してみないとわからない課題に気づき、地域に求められるものを考えられるようになったと思います」(高1・埼玉)
・「誰かの役に立ちたくて、募金活動のボランティアに参加。意外とみんなが協力してくださって、小さな子どもから年配の方まで、たくさんの人が助けてくれるのだとわかりました」(高2・福岡)
・「落ち葉拾いをして、人のために何かをする気持ち良さを知りました」(高1・東京)
・「それまでボランティアをしたことがなくて、やる前は面倒くさいと思っていたけれど、先生に勧められてゴミ拾いのボランティアを経験してみたら、こういう活動がどれだけ重要かをしみじみ感じさせられました」(高3・広島)
人とのかかわり方を学べる
ボランティア活動では、日常生活ではかかわることがない幅広い世代の方たち、さまざまな職業の方たちに接することができるため、人とのかかわり方を学び、コミュニケーション能力も身につく。
・「誰かの支えになれたらいいなと思って、子ども食堂でお弁当作りや無料提供物の仕分け、お弁当配りをしました。
たくさんの年代の地域の人たちとかかわることができてよかったです」(高2・京都)
・「自分の地域に貢献したくて、お祭りの手伝いをしました。さまざまな年齢の人たちとかかわることで、知見が広がったと思います」(高2・東京)
・「花火大会の運営のお手伝いをして、いろいろな人への対応のしかたを学びました」(高1・千葉)
・「友達に誘われて、高校のオープンキャンパスの手伝いをしました。
初めてのことがたくさんで、緊張してしまうときもありましたが、人とのかかわり方など、さまざまなことを学び、有意義な経験になりました」(高3・京都)
・「所属しているサッカーチームのメンバーみんなで、小学生のサッカー合宿に参加。
友達もいたので、自分も楽しめたし、合宿のお手伝いを通して小学生とのかかわり方やサポートのしかたも学べて、とても良かったです」(高3・大阪)
普段とは違った経験ができる
地元の清掃のボランティアでも、通学路とは違った道を通ったり、近所なのに意外と知らない場所へ行ったりすることもある。
高齢者・福祉・保育などの施設でのボランティア活動も多く、学校や塾と家の往復だけでは経験することがないこともたくさん体験できる。
・「地域のために自分ができることを探して、地域のゴミ拾いに参加。
ゴミ拾いをしながら、地域の知らない街並みを見たり、高齢の方と交流して貴重なお話をもらえたりしました」(高2・東京)
・「人の役に立てることをしたくて、保育園の手伝いと公園のゴミ拾いをしました。
保育園の子どもたち、自分と年齢が離れた先生方と接することができ、貴重な経験でした」(高3・福岡)
・「介護の仕事に興味があり、実際の現場を見てみたくて、高齢者施設で配膳や交流などのボランティアをしました。
敬語の正しい使い方を学び、自分から手をさしのべて人助けができることのうれしさを実感し、介護の道へ進むことを決心」(高2・東京)
・「たくさんの人と話してみたくて、子ども食堂のボランティアをしました。
普段の学校生活では経験できないようなことを経験できて良かったです」(高3・熊本)
・「誰かのために何かしたいと思って、支援学校の運動会のボランティアをしました。
初めてのボランティアで緊張したけど、みんなが笑顔で私も楽しかったです。
ダンスなどにも参加させてもらい、思い出に残りました」(高3・秋田)
・「保育士になる夢のために保育園ボランティアをしましたが、自分が感じているよりも先生たちが苦労していることがわかりました。
いつでも子どもの目線に合わせたり、注意したり、ケガをしないように見守らなければいけないところに大変さを感じました」(高2・埼玉)
人に感謝されてやりがいを感じる
ボランティア活動のやりがいで一番大きいのは、人に感謝されること。
誰かに「ありがとう」と言われたり、笑顔を見られたりすると、「やってよかった」と実感することができる。
・「人の役に立ちたいと思って、地域の小学校の清掃をして、感謝されたことがうれしかったです」(高1・岡山)
・「ボランティアサークルで、最寄り駅の駅前広場の清掃をしたら、さまざまな人から感謝されて気持ちいいと思いました」(高1・東京)
・「子どもとふれあうことに興味があり、小学生の実験ワークショップの補助をしました。
子どもたちに実験を楽しんでもらうことができてよかったです」(高3・青森)
・「駅のポスターで知った音楽祭のチラシやうちわを配るボランティア。
初めてボランティアをして、裏方の苦労を体験できたし、こういう人たちがいるからこそイベントが開催できるのだなと実感できて楽しかったです」(高3・大阪)
・「募金活動は勉強になることが多く、何回か経験することによってコミュニケーション能力が高まると思います」(高3・熊本)
・「災害復興のボランティアで、すごくよろこんでもらえて、人助けができたことにやりがいを感じました」(高2・愛媛)
・「老人ホームの慰問ボランティアをして、人の役に立てるよろこびを実感しました」(高3・鹿児島)
さまざまな体験ができて楽しい
ボランティア活動で、いろいろなところに行ける、たくさんの人と話ができる、達成感を味わえるなど、「楽しい」と感じられるとモチベーションが上がる。
・「地域に草が多く生えていて邪魔だったので、草刈りボランティアに参加して、草刈りの楽しさ、高齢の方々とかかわる楽しさを知りました」(高3・青森)
・「地域のために役立ちたくて、花火大会の後の掃除をしました。
普段あまりかかわりのない年代の方々と交流して、この地域が好きになりました」(高2・新潟)
・「地域の将来に貢献できると思って、海岸に松の苗木を植えるボランティア活動に参加。
地域の人たちのあたたかさにふれ、仲間と協力する楽しさも味わうことができました」(高2・山口)
高校生に聞いた!ボランティアを選ぶポイントは?
ボランティア活動に参加したことがある高校生のアンケートでは、ボランティア活動を選ぶポイントとして、「友達と一緒に参加できるか」に注意して探したという人が最も多く、そのほかには、
・日程が合うか
・気軽に参加できるか
・自分と同じ年代の人が参加しているか
・楽しそうか
・やりがいがありそうか
・ボランティア証明書を発行してもらえるか
といったことをチェックしていた。
高校生でもできるおすすめのボランティア活動例は?
高校生でもできるボランティア活動例には、地域の清掃、子どもの学習支援、イベントの運営、福祉施設のサポート、動物のお世話などがある。
これからボランティア活動を体験してみようという高校生には、どんなものがおすすめなのか、ボランティア募集情報サイトを運営する小澤佳祐さんに聞いてみた。
清掃活動や地域にかかわるボランティア活動
普段はゴミを探しながら道を歩くことがないと思うので、意外とゴミが多いことに気づくかもしれません。
ボランティア活動をしながら、集めたゴミの量が成果として目に見えるので、達成感を得やすいですね。
また、ゴミ拾いをしながら、さまざまな年代や職業の方々と、いろいろな話をすることも楽しいと思います。
また、地域にかかわるボランティア活動には、地元のお祭り、商店街のイベント、防災訓練、花の苗を植えるといった地域の活動のお手伝いがあります。
専門的な知識やスキルがなくても気軽に参加できて、ほかのボランティアの方々と一緒に協力しながら、楽しく活動できる点が魅力。
特に、大規模な清掃ボランティアやイベントの場合は、共に活動するボランティアスタッフと達成感や一体感を味わうこともできますよ」(小澤さん)
子どもとかかわる教育関係のボランティア活動
また、経済的な理由や家庭の事情で学習塾へ行けない子どもや、子どもの居場所としてのサードプレイスで小中学生の学習をサポートするボランティア活動でも、高校生を募集しています。
子どもの成長にたずさわることによろこびを感じ、子ども自身が主体的に考えて行動する姿を見られることがやりがいになります。
小学校や幼稚園の先生、保育士の仕事に興味がある高校生には特におすすめです。
かわいい子どもたちとふれあえる、一緒に楽しく身体を動かせる、子どもの笑顔が見られる、子どもの成長に自分も刺激を受ける、勉強を教えて保護者から感謝されるといったたくさんの魅力がありますよ」(小澤さん)
福祉にかかわるボランティア活動
高齢者施設や福祉施設、学童クラブなどで、高齢者や障がいのある方とレクリエーションをしたり、食事や日常生活のサポートを行ったりしています。
人の役に立って、「ありがとう」と感謝され、高齢者や障がいのある方の笑顔が見られるのが魅力です。
人とかかわることが好きな人、ダイバーシティについて考えたい人におすすめです」(小澤さん)
イベントやスポーツ大会にかかわるボランティア活動
さまざまなイベントやスポーツ大会の運営スタッフとして、主催者側のお手伝いとして、イベントの会場設営、来場者の受付や案内、配布物の提供、マラソン大会の会場誘導、コース管理、ランナー給水補助などの活動を行います。
イベント運営は一人ではできない活動なので、たくさんの参加者と交流できるのが魅力です。
また、イベントの裏側を知ることができるのも、ボランティアとして参加するからこそ。
音楽が好き、スポーツが好き、という人はもちろん、イベントの運営に興味がある人におすすめです」(小澤さん)
動物にかかわるボランティア活動
保護犬や保護猫の食事のお世話、排泄物の処理、ゲージなどの掃除、お散歩、病院への付き添いなど、施設によって活動内容は異なります。
動物を飼っていない人でも、動物とかかわることができて、動物の幸せをサポートするやりがいも感じられるボランティア活動です」(小澤さん)
夏休みや春休みにおすすめのボランティア活動は?
夏休みや春休みにおすすめのボランティア活動には、国際協力ができる海外ボランティア活動、地域のイベントの運営にかかわるボランティア活動、長期休み限定で行われるイベントなどのボランティア活動がある。
長期休みを利用して、海外の子どもに勉強を教えたり、環境保護や災害復興にかかわる活動をしたり、国際的に貢献できるボランティア活動にチャレンジしてみよう。
また、夏休みや春休みだけでなく、ゴールデンウィークや年末年始などにも、地元でイベントが開催されることが多いので、そのお手伝いで地域貢献をするのもおすすめ。
子どもの宿泊キャンプやスキー合宿など、長期休みだけ行われるイベントもあるので、チェックしておきたい。
国際協力ができる海外ボランティア活動
海外でのボランティア活動をきっかけに、『NPOやNGOに興味をもった』『大学生になってから国際協力の学生団体を立ち上げたり、メンバーになったりした』『国内の社会問題にも興味をもつようになった』など、大きな影響を受ける人は少なくありません。
『とにかく忘れられない思い出になった』という声も多いですね。
私の場合は大学1年次の夏休みでしたが、海外ボランティア活動に参加したことからボランティア活動に関心をもち、今ではボランティア募集情報サイトを運営する会社の代表をやっています。
もしかすると、皆さんのなかにも、ボランティア活動で大きく人生が変わる人がいるかもしれませんよ」(小澤さん)
季節限定の地域イベントのボランティア活動
例えば花火大会で会場整理や誘導などをしている人を見かけることもあると思いますが、そういったボランティア活動に参加してみるのも良いのではないでしょうか。
地域によっては資金不足で夏まつりや花火大会の継続が困難な実行委員会も多くあるので、これからもイベントを続けてもらうためにも、ボランティアとして力になれることはあるはずです。
また、イベントの翌日は会場周辺にゴミが散乱しているため、清掃活動のボランティアも開催されています。
地域に愛されるイベントがあって、魅力的な地域を作って貢献するためにも、必要なボランティア活動だと思います」(小澤さん)
長期休み限定行事のボランティア活動
海外ボランティアもそうですが、数日間宿泊する形のボランティア活動は、通常の活動よりも大きな学びや感動、仲間との出会いがあることが多く、おすすめですよ」(小澤さん)
自分に合ったボランティア活動を探すには?
自分に合ったボランティア活動を探すには、学校の掲示板や地元の駅や商店街などのポスターをチェックしたり、ボランティア募集情報サイトやイベントのホームページなどで探したりしてみよう。
具体的なボランティア情報の収集方法は5つ。
担任の先生や部活動の顧問の先生に聞いてみる。
②地元の駅や商店街、公共施設の掲示板などに貼られているポスターをチェックする。
③ボランティア募集情報サイトで探す。
④ボランティア団体や地域のボランティアセンターのホームページを調べる。
⑤マラソン大会などのイベントのホームページで、ボランティア募集の告知を探す。
小澤さんが運営するボランティア募集情報サイト『activo』では、『高校生も参加可能なボランティア募集』のページがあり、活動場所や活動テーマなどの条件で絞り込むことができるから、自分に合ったボランティア活動を探しやすい。
インターネットでボランティア活動を探すときは、ぜひactivoを使ってみてほしいのですが、それ以外にも地域の社会福祉協議会などが運営するボランティアセンターで『夏のボランティア体験会』などを開催し、地元の団体とボランティアを企画しているケースもありますので、自分の地域のボランティアセンターのホームページを確認することもおすすめです」(小澤さん)
ボランティア活動を探すときは、下記のような質問に答えてみることで、自分に合ったボランティア活動をみつけることができる。
気軽に参加したい? 本気で取り組んでみたい?
本気で取り組んでみたいなら、高校生ボランティア団体に所属して、同じ志の高校生の仲間と一緒に活動をする、NPOのインターンシップや定期的に続けられるボランティア活動に参加する、といった選択肢もあります。
ただし、皆さんはまだ高校生なので、まず一度体験してみて、そこで感じたことや学んだことを次のボランティア活動に生かそう、という気持ちで参加することをおすすめします」(小澤さん)
何を得たい? どんな経験をしたい? 何を学びたい?
ボランティア活動を好きになるためにも、ぜひ、自分が人に貢献する過程で何を得たいのか、どんな成長をしたいのか、何を勉強したいかも大切にして、活動を選んでください」(小澤さん)
どんなことに興味がある?
『特にピンとくるものはない』という人も、全然問題ありません。
大人でもピンとこない人は多いと思いますし、そういった場合は違う軸(気軽さ、身体を動かしたいなど)で活動を選んでみてください。
これらの質問に正解はなく、どちらが良いとか悪いという話でもありません。
『気軽な気持ちで参加したらダメなんじゃないか?』などと心配しなくても大丈夫。
そのボランティア活動が自分に合うか合わないかの問題なので、素直な気持ちで答えてみましょう」(小澤さん)
ボランティア活動に応募するときに気をつけることは?
初めてボランティア活動に応募するときは、受け入れ先の団体が信頼できるかどうか確認しておくよう気をつけたい。
まずは1日か数日間の単発のボランティア活動から始めてみると安心。
ボランティアの受け入れ先が信頼できるかどうか確認する方法は、「団体の『法人格』を確認する」「団体のホームページを調べる」の2つ。
団体の「法人格」を確認する
これらの法人格は、厳しい審査基準をクリアしないと取得できないため、信頼度の一つの目安になります」(小澤さん)
団体のホームページを調べる
ホームページを見て、『最新の情報が発信されているか』『活動報告がきちんと行われているか』『団体の連絡先や代表者名などがきちんと公開されているか』を確認しましょう。
必ずしも問題のある団体、というわけではありませんが、下記のような気になる点があった場合は、『きちんと団体の代表者のプロフィールが公開されているか』『活動意義や活動報告が行われているか』『団体名でインターネット検索をしてみて、情報がヒットするか(全然情報が出てこない場合は活動の実態がない恐れもあります)』を追加調査したほうがよいでしょう。
・設立されて間もない団体(例えば今年設立されたばかり)だが、代表者や活動の意義に関する情報が薄い。
・連絡先となる電話番号が掲載されていない。
申し込みをする前に、親や学校の先生にも団体のホームページを見せて最終確認をしてもらえるとより安心できますね」(小澤さん)
もちろん、上記の条件に合っていなくても、きちんと活動しているボランティア団体はあるが、高校生が初めてボランティア活動に挑戦するときは、信頼できそうな団体を選んだほうが無難かもしれない。
大学入試でボランティア活動をアピールするときの注意点
総合型選抜や学校推薦型選抜の面接や自己PRなどで、ボランティア活動について書きたいと考えている高校生もいるだろう。
ボランティア活動をアピールするときは、どんな力が身についたのか、どのように成長できたのか、しっかりと伝えることが肝心。
そのためにも、ボランティア活動をするときに注意したほうがいいことについて、総合型選抜・学校推薦型選抜で豊富な指導実績をもち、スタディサプリ大学受験講座で総合型選抜・小論文・探究の講師も務める神﨑史彦先生にアドバイスをもらった。
ボランティア活動の経験アピールだけではNG
だから、志望理由書や自己PRにボランティア活動をした実績だけ書くのはNG。
ボランティア活動を通して、どんなことを身につけ、どう成長できたのか、それを大学での学びへとつなげていかなければ意味がないのです。
ボランティア活動を大学入試に生かしたいなら、まずは志望する大学のアドミッション・ポリシーに書かれている人物像に近づける能力が身につきそうなボランティア活動を選ぶといいですね」(神﨑先生)
目的意識をもってボランティア活動に参加しよう
自分が志望する学部学科に関連するボランティア活動を探して、そこで何を見て、何を学びたいのか。
例えば幼稚園でのボランティア活動なら、子どもの特性を見たいのか、遊びのなかで学んでいることを知りたいのか、先生の仕事を観察したいのか、園内での問題点や課題をみつけたいのか、それによって着目するところが違ってきます。
ただ経験するだけでは、大学入試に生かすことはできないので、目的意識をもってボランティア活動に参加して、課題が見えてくるまで続けてみましょう。
1日や数日のボランティア活動では、成長できたとは言えませんよ」(神﨑先生)
参加した後はノートに書き記しておこう
後日、そのボランティア活動に関連する知識を取り込んで振り返ってみると気づけることもあります。
ボランティア活動の当日だけでなく、間を空けて、もう一度、考え直してみることも大切です。
活動の記録をメモとしてちゃんと残して、志望理由書や自己PRを書くときに活用しましょう」(神﨑先生)
学校推薦型選抜(公募推薦・指定校推薦)とは?一般選抜や総合型選抜との違いや試験内容を解説!
大学入試の面接での志望理由の答え方は?ポイントや注意点を紹介
興味のあることから気軽にボランティア活動に挑戦しよう
事務的な部分も含めて、事前に受け入れ先団体からしっかり説明を受けて、自発的に楽しみながら活動しましょう。
ボランティアのメンバーたちは『誰かのため、何かのために活動しよう』という非常にポジティブな目標を共有しているため、ボランティア活動中は自然に協力的で明るい雰囲気になることが多いので、安心して参加してほしいですね。
ボランティア活動がほかと違って特別なのは、『誰かが困っている、何か問題があるから活動する』という大義名分が用意されていることだと思います。
『行動する立派な理由』があるので、あとはぜひ一歩をふみ出してください」(小澤さん)
地域のゴミ拾いから海外での国際協力まで、ボランティア活動は多種多様。
自分に合ったボランティア活動をみつけて、楽しい思い出を作ったり、やりがいを感じたり、たくさんのことを学んで成長しよう。
文/やまだみちこ 取材協力・監修/株式会社activo 小澤佳祐 構成/黒川安弥
※2023年12月取材時の情報になります。
※記事内のデータおよびコメントは2023年11月に高校生104名が回答したアンートによるものです。