勉強中の夜食、何食べる?大学生&管理栄養士に聞いたおすすめ夜食!
みんなは夜勉強していて小腹がすいてきたときどうしてる?夜食を食べると太るかも…でも食べないとおなかがすいて勉強に集中できない…!なんて悩みも!
そこで、大学生208人に受験生時代の夜食事情を聞いてみた!
さらに、学校栄養士として給食の献立作りや食育授業に取り組む松丸奨さんから、「太りにくい」「健康的」などみんなの希望に合いそうなおすすめ夜食も紹介してもらったよ!
松丸奨さん
管理栄養士、栄養教諭免許所持。東京都文京区内小学校に勤務。専門学校卒業後、栄養士として千葉県内の市立病院で5年間勤務し、2009年より現職。2013年に開催された第8回全国学校給食甲子園で初の男性栄養士による優勝をはたす。著書・監修書に『そうだったのか! 給食クイズ100』シリーズ(フレーベル館)、『日本一の給食メシ~栄養満点3ステップ簡単レシピ100~』(光文社新書)など。
目次
先輩たちは、夜食選びで何を重視していた?
まずは、どれくらいの人たちが夜食を食べていたのか、また、夜食選びで何を重視していたのか見てみよう。
夜食を食べている人は約4割!

受験生時代に夜食を「よく食べていた」という人は10.6%、「たまに食べていた」という人は29.3%。
約4割の高校生が夜食を食べていたという結果に!
夜食で重視するのは、「手軽で簡単」「眠くならない」「太らない」

そこで、夜食を食べるとき重視していたことを聞いたよ。
最も多かったのは、「手軽で簡単なこと」で40.5%。次に、「眠くならないこと」(29.7%)、「太らないこと」(23.6%)が続いた。
勉強の合間だから手軽に、眠気を催さず、カロリー控めというのが理想のようだ。
先輩のおすすめ夜食 TOP10
では、具体的にどんなものを食べていたんだろう?先輩たちにおすすめの夜食を聞いてみた。回答をくれたのは148人(複数回答可)。
そのなかのTOP10を紹介するよ。

1位 チョコレート 35票
「手軽に糖分がとれる」「ひとつ食べるだけで気分転換できる」
「『リベラ』を食べていた。甘いし、ほかのチョコレートと比べてカロリーが低い」
「『キットカット』がおすすめ。糖分が取れるし、よく噛む必要があるので満足感が高い」
2位 おにぎり 27票
「自分で作れて手軽に食べられるから。味も豊富でいろいろ作れる」「エネルギーになる」
「片手で食べられる」
3位 カップラーメン、ラーメン 11票
「はやい やすい うまい」「温かいし3分でできる。時短にすぐれています」
「手軽に食べられておいしい」
3位 スープ 11票
「温かくて落ち着く。胃に負担がかからない」 「マルちゃんのワンタンスープなら、安くておいしく、お腹にもそこそこたまる」「『クノール(R)スープDELI(R)』はカロリーもそんなに高くなく、おいしく、腹持ちが良い」
5位 カロリーメイト 10票
「食べるのに時間がかからないし栄養がある」「手軽だしお腹がふくれる」
「調理不要で必要な栄養素を得られる」
6位 パン(食パン、菓子パン) 9票
「片手で食べられる」「腹持ちがいい」
7位 ゼリー 8票
「甘くてブドウ糖を取ることができるうえに、カロリーが高くない」「気軽に食べられる」

8位 ラムネ 7票
「ブドウ糖でできており、脳のエネルギーになる」「甘い、手が汚れない。なめながらだと口の中で長続きする」
9位 ごはんもの 6票
「お茶漬け。腸にやさしい」「卵かけごはん。すぐできて、栄養もあるし、おいしい」
「納豆ごはん。おいしく、健康に良い」
「雑炊。消化がよく食べやすい」
9位 バナナ 6票
「糖分がとれて、なおかつカロリーが低く、食物繊維がお腹の調子も整えてくれる」「ゆっくり食べるとお腹にたまるし、糖分もしっかり取れる」
9位 グミ 6票
「かむことで眠気をさますことも、空腹を満たすこともできる」「腹持ちがいい」
管理栄養士・松丸さんに聞いた、夜食選びのポイント
栄養や健康面を考えると、どんな夜食を選ぶといいんだろう?ここからは、管理栄養士の松丸さんからのアドバイスを紹介するよ。
栄養面に優れ、「手軽で簡単」「眠くならない」「太らない」などの希望もカバーする食べ物はあるかな?
夜食選びの注意点は?
「夜食選びは、量よりも質・効果を重視するといい」と松丸さんはアドバイスをくれた。どういうことだろう?
ただ、食後は体内で消化活動が行われるため、胃腸を休ませてあげることがとても大切です。
消化中に眠りに入ると胃腸が休まらず、深い睡眠や体力の回復、脳のリフレッシュにつながらなくなってしまうのです。
それは、日中の勉強効率の低下にもつながります。従って、夜食をとる場合は、消化の良いものを選ぶのが必須となります。
そして、お腹を満たすことよりも、集中力アップや気分のリフレッシュにつながるものを選ぶ。
つまりは、量より質・効果を重視するということなんです」(松丸さん)
おすすめの夜食は?
そんな松丸さんがおすすめする夜食は、「手軽さを求めるなら『バナナ』か『プリン』、もう少しボリューム感のあるものを食べたい場合は『大豆製品』」とのこと。その理由を聞いてみた!

おすすめ夜食① バナナ
「手が汚れず、食べやすく、消化も早い、と三拍子そろっているバナナ。果糖やショ糖、ブドウ糖などさまざまな糖分が含まれていて脳のエネルギーとなるうえ、腸にも良い効果をもたらします」(松丸さん)
おすすめ夜食② プリン
「食べやすいうえに小さくても満足感を得られやすい味であり、1つだけ食べることで気分を切り替えやすいです。プリンにも、脳のエネルギーとなる糖分が含まれています」(松丸さん)
おすすめ夜食③ 大豆製品
「大豆を使用した食材(蒸し大豆、煎り大豆、黒豆、きなこ、豆腐、湯葉、納豆など)は高タンパク・低脂肪で栄養価もすぐれています。神経細胞を活性化させるドーパミンやセロトニンの分泌を促すアミノ酸も含まれています。
特におすすめなのが、節分などでまく煎り大豆です。
気軽に食べられるうえに、高タンパク・低脂肪、さらにポリポリの食感が集中力を高めてくれます。
夜中にスナック菓子を食べたくなってしまう人は、煎り大豆に置き換えると良いですよ。
また、冷や奴や湯豆腐なら低カロリーで簡単に用意することができるし、余った味噌汁に豆腐や納豆を入れるのも良いですね。
煮豆などを冷蔵庫に作り置きしておくのも良いと思います」(松丸さん)
先輩おすすめの夜食をどう思う?
次に、先輩のおすすめ夜食ランキングに出てきた品目について松丸さんの意見を聞いたよ。夜食としてGoodなものと、注意が必要なものはどれだろう?
【Good!な夜食】
「大豆タンパク質メインで作られており、低カロリー。そして、かみ応えが脳を活性化させます。片手で持って食べられるのが手軽です」
●バナナ
「前述したとおり、手が汚れず、食べやすく、消化も早い。即エネルギーとなる優等生です」
●りんご
「低カロリーで、消化にも良く、食物繊維も含まれていてGood。食感もあるので集中力アップに活躍します。また、精神を安定させる働きのあるセロトニンの分泌も促されるので、気分を落ち着かせることもできます」
●クリーム玄米ブラン
「玄米を使用しており栄養価のバランスも考えられています。食感が刺激となるのも良いですね。ただし、1パックに4枚入っており、一度に全部食べると高カロリーになってしまうので量に注意」
●ゼリー
「低カロリーでさわやか。簡単に気軽に食べられるのも良いですね。ナタデココなど食感のあるものが含まれているとさらに良いでしょう」
●ガム
「かむことで脳に刺激がくるのでおすすめです。食欲を刺激しないようにシュガーレスにして、ミント系の味を選べば香りで集中が促されます」
●あめ
「夜食を食べなくて済むなら、あめは非常に効果的。メントール配合タイプなどは集中力を高めるのにも良いでしょう」
●ヨーグルト
「消化が良く、食べ応えもあるので満足度が高い一品です。できるだけ砂糖控えめで、『オイコス』のようなしっとりタイプのものだと満足感が高いでしょう」
【要注意!な夜食】
「先輩のおすすめ夜食で1位となったチョコレートですが、脳に素早く働きかけるブドウ糖や、集中力を高めるポリフェノールなどが含まれており、勉強の合間に食べるものとしては非常に優秀です。
ただ、おいしいチョコレートはカロリーが非常に高く、ついつい食べ過ぎてしまうもの。毎晩1枚や1箱食べてしまえば確実にカロリーオーバーとなります。加えて、歯のすき間に残りやすいので、虫歯リスクも上がります。食べるなら、夜食としてではなく日中にしましょう」
●炭水化物
「消化に時間がかかるので避けたほうがいいですね。カツ丼やカップラーメンなどのがっつり系は消化が悪く胃がもたれてしまいます。おにぎりやパンなども、朝昼晩の食事としては良いですが、夜食としては避けたいところです」
●サラダチキン
「ぱっと見良さそうですが、塩分が非常に高いので、分解に力を要し負担になります。また、塩気が余計に食欲を刺激してしまうので、『スナック菓子やチョコレートも食べようかな』と食べ過ぎにつながるリスクもあります」
●カップスープ
「お湯を注ぐだけですが、食べるのに時間がかかるのと、ほっと落ち着けるようなおいしさが逆に過度のリラックス状態を促し集中力が散漫になる可能性があるので、自分との相性を確認しましょう。また、カロリーだけを見ず、塩分や消化に影響があるかや、食べるのにかかる時間などを考えるといいですね」
●エナジードリンク、栄養ドリンク
「ランキングには入っていませんが、カフェインが多く含まれているので寝付きが悪くなり、次の日に響いてしまうのでおすすめしません」
松丸さんおすすめの夜食レシピ
「消化が良い」「集中力アップや気分のリフレッシュにつながる」などの夜食のポイントを押さえたレシピとして、松丸さんが管理栄養士試験の勉強をしていたときの夜食を教えてくれたよ。「炭酸水にレモンを搾り、そこにミントも加えます。シュワシュワして良い香りがするんです。
柑橘系の香りは、集中力をアップさせるのに効果的です。特にレモンの香りはアロマテラピーで使用されることもあり、集中力や気分のリフレッシュに効果的と言われています。疲労回復効果のあるクエン酸も含まれているので、水分補給の際にはレモン水を活用するのが効果的。
私の場合、カットしたレモンもそばに置いて、香りを嗅ぎながら勉強していました」
●豆腐
「夜に小腹が空いたら、豆腐にごまドレッシングをかけて、バジルやパクチーをトッピング。香りも良いしおいしくなります。
ミントやバジル、パクチーにはリラックス効果やリフレッシュ効果があるので、取り入れていきたい食材です。豆腐以外にも、卵(目玉焼きなど)やトマトにトッピングするのもおすすめです。
ちなみに、豆腐、卵、トマトはアレンジトッピングとして加えると満足度が高まる食材でもあります。カップスープにザク切りしたトマトを入れたり、味噌汁や中華スープに卵や豆腐を入れたりすると、おいしさが増します」
●煎り大豆
「あとは煎り大豆の袋を置いておいて、ポリポリ食べながら参考書を読んでいました」
大豆製品や果物などをうまくとりいれられると、手軽に栄養面に優れ、眠くならず太らない夜食になりそうだね。
もしかすると、今回出てきた「体にいいもの」「勉強に効果的なもの」と、自分が「食べたいもの」が異なるかもしれない。
そんなときは、体にいいものを食べる比率を少し多めにして、たまに「食べたいもの」を食べるのがいいのかも。
我慢をしすぎないように夜食を選んでいこう!