高校生の理想の睡眠時間を解説!寝不足で成績が下がる?!受験生に最適な睡眠時間とは?

高校生にとって理想の睡眠時間は7時間。

睡眠時間が6時間をきると睡眠不足と言える。

効率よく勉強を進めるためにも、受験生は7時間睡眠を目安にするのがおすすめだ。

今回は、睡眠医療の専門家・遠藤拓郎先生に、理想の睡眠時間や寝不足になるとどんな影響があるのか、睡眠によるメリットなど詳しくお聞きした。

【今回教えてくれたのは…】

遠藤拓郎先生
遠藤拓郎先生
スリープクリニック調布 院長
スタンフォード大学 医学部 客員教授

著書『合格を勝ち取る睡眠法』(PHP新書)、『睡眠はコントロールできる』(メディアファクトリー新書)など多数。

監修を手がけた睡眠のための音楽CD『DREAMS~快眠CD』は、日本ゴールドディスク大賞 インストゥルメンタル アルバム・オブ・ザ・イヤー受賞。

高校生の理想の睡眠時間は?

高校生の理想の睡眠時間は?

※高校生はどのくらい睡眠をとるのが適切なのだろうか

高校生の理想の睡眠時間は7時間である。

研究の結果から、高校生に限らず、10代以降の全世代において理想の睡眠時間は7時間といわれている。

親子3代にわたり、90年間、睡眠研究や睡眠医療に携わる遠藤先生は
「さまざまな研究を重ねた結果から、健康な状態を保つための理想の睡眠時間は7時間だということがわかっています。
 
睡眠時間が6時間をきると睡眠不足と言えます」
と教えてくれた。

加えて、「勉強を頑張りたい」「背を伸ばしたい」という高校生にとって参考になる睡眠時間も教えてくれたので、見てみよう。

睡眠時間を削って勉強する場合でも最低6時間は寝る

「物理的に、成績を良くしたいなら睡眠時間を削って勉強するほうが成績はアップしますが、だからといって健康を損ねてしまっては意味がありません。
 
健康を維持しながら効率的に勉強をするためにも、最低でも6時間は寝てほしいですね」。

身長を伸ばしたいなら9時間睡眠

背が高くなりたいなら、9時間睡眠がおすすめです。

私の研究では、比較的人口密度が低い県で睡眠時間の長さと身長を比べた結果、睡眠時間が短い県よりも長い県のほうが、背が高い人が多い傾向にあることがわかりました。

例えば、青森県や秋田県、新潟県など、冬の夜が暗くなるのが早い東北や北陸などの地域は、早めに就寝する傾向があるので、背が高い人が多いようです」。

高校生みんなの実際の睡眠時間は?

高校生の実際の睡眠時間は約7時間。

総務省が2011年に行った起床時間と就寝時間の調査によると、高校生の平均起床時間は6時36分で平均就寝時間は23時42分。

つまり、高校生の平均睡眠時間は6時間54分=約7時間だ。

(1)平均起床時刻(平日)
  平成18年(2006年) 平成23年(2011年)
10〜14歳 6時44分 6時38分
15〜19歳 7時01分 6時54分
20〜24歳 7時53分 7時56分
25〜29歳 7時20分 7時17分
小学生(10歳以上) 6時44分 6時38分
中学生 6時45分 6時41分
高校生 6時43分 6時36分
その他の在学者 7時59分 7時55分


(2)平均就寝時刻(平日)
  平成18年(2006年) 平成23年(2011年)
10〜14歳 22時30分 22時24分
15〜19歳 23時58分 23時48分
20〜24歳 0時31分 0時31分
25〜29歳 0時05分 0時07分
小学生(10歳以上) 22時02分 21時57分
中学生 23時04分 22時55分
高校生 23時50分 23時42分
その他の在学者 0時47分 0時37分
(出典)総務省「社会生活基本調査」

参考:内閣府「子どもや若者の状況 起床時刻と就寝時刻」

理想の睡眠時間を満たしているのに眠いのはなぜ?

高校生の平均睡眠時間が約7時間ということは、十分に寝ることができていて睡眠時間に問題はないように思えるけど、実はそうではないんだって。

実際、平均7時間寝ているけど、日中に眠いと感じている人もいるのでは?

その理由を遠藤先生が詳しく教えてくれたよ。
「各年代の健康な人を対象に起床時間を調べたところ、10代・20代の女性の平日の起床時間は7時前ですが、休みの日になると午後まで寝ている人が多いことがわかりました。

休みの日に遅くまで寝ていると、平日に眠気を感じる人が多いのです。

例えば、日曜日に午後まで寝ていたら、夜になってもなかなか眠くならず、0時になっても眠くならないですよね。

日曜日の夜に寝る時間が遅くなっても月曜日の朝は早起きしなければならないので、結果的に睡眠時間が短くなります。

休日の『遅寝遅起き』の習慣を引きずったまま平日がスタートし、授業中は眠くてボーっとしてしまうので、また夜眠れなくなり、結果として『遅寝早起き』の生活を送ることになってしまうのです。

平均すると理想の睡眠時間を満たしているにもかかわらず、平日と休日とで睡眠時間に差があるため、不規則な睡眠リズムになり、『眠い』と感じる人が多くなります」。

ポイントは休みの日に起きる時間

「休みの日だからといって、何もせずに寝る生活を送るのはおすすめしません。
 
休みの日こそ早起きを心がけ、できれば遅くても8時台には起きるといいですね。
 
週末に寝すぎて平日の夜寝られないという状況にならないよう、休みの日の午前中に部活や楽しい予定を入れて、早起きをするといいですよ」。

睡眠不足になるとどうなる?

睡眠不足になるとどうなる?

※睡眠不足にはどんな影響があるんだろう?

睡眠不足による影響を、頭、体、心、発達面から考える次のようになる。
  影響
集中力や記憶力が下がり、成績が落ちる
免疫力が落ちて、病気になりやすくなる
自律神経が乱れ、情緒不安定になる
発達 成長ホルモンが出ず、背が伸びない

集中力や記憶力が下がる、病気になりやすくなる、情緒不安定になる、背が伸びないなど、深刻な状況になることも。

寝ている間に頭・体・心のメンテナンスが行われているので、睡眠不足が続くことでメンテナンスが不十分になり、体調を崩すことにつながる。

遠藤先生によると、
「寝ることは、飛行機の整備のようなもの。

飛行機は一日の飛行を終えると、夜は整備場で入念なチェックや整備、給油が行われ、翌日の飛行に備えます。

人間の体も同じように、夜寝ることで頭・体・心の一日の疲れをとり、メンテナンスをしています。

寝ないことは、整備や給油をしないまま、次の日に頭・体・心を使っているのと同じことなのです」。
成績を上げるために寝る間を惜しんで勉強をしたくなるけれど、勉強の効率を上げるためにも睡眠はとても重要なこと。

睡眠不足になるとどうなるのか、具体的な影響を先生にお聞きした。

高校生にもアンケートで睡眠不足が続いたときの状態を聞いてみたよ。

集中力や記憶力が下がる

「睡眠不足になると、眠さによって集中力が落ちるだけでなく、記憶力が下がり、成績が落ちる原因となります。
 
寝ている間に脳では記憶の整理が行われています。
 
一日生活すると、脳の短期記憶の容量がいっぱいになりますが、寝ると必要・不要な記憶が仕分けされ、必要な記憶は短期記憶の場所から脳の長期記憶の場所に移されます。
 
この整理整頓によって、短期記憶の容量に空きができるので、翌日効率よく勉強ができるのです。
 
睡眠不足になると、記憶の整理がきちんとされずに脳の中で情報が山積みになり、必要なときに必要な記憶が取り出せない状況になってしまいます」。

病気になりやすくなる

「成長ホルモンには、体の中で古くなった細胞や壊れた細胞を新しくして、体の修復を行う役割もあります。
 
成長ホルモンがきちんと出ないことで、免疫力にも影響が及んでしまいます
 
特にアトピーやぜんそくなどのアレルギー疾患が出やすくなる傾向があります」。

情緒不安定になる

睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、精神的に不安になりやすくなります。
 
情緒を安定させるためにも睡眠は大切な役割をもっているのです」。

背が伸びない

「夜寝ることで、体を成長させてくれる成長ホルモンが出ます。
 
成長ホルモンは、眠り始めた夜11時頃から午前2時頃の睡眠時間に集中的に出ているので、きちんと夜に寝て成長ホルモンを出さないと体の成長に影響が出て、背が伸びにくくなります」。

【アンケート】高校生が実感!睡眠不足による変化

高校生に睡眠不足が続くとどうなるか、生活や気持ちの変化を聞いたところ、勉強するときや授業中に眠くなり、集中力がなくなるという回答が多数!
・「勉強に集中できない。頭がまわらない」(16歳 東京都)

・「授業中に眠くなる」(15歳 岐阜県)

・「ミスが多くなる」(15歳 長崎県)

・「授業中などでケアレスミスが増え、発表などで間違えることが多くなる。授業中寝てしまうことが多くなり先生に怒られる」(15歳 千葉県)

・「すべてにおいてのパフォーマンスが落ちてしまう」(15歳 岡山県)
そのほか、体の変化としてはこんな意見があがった。
・「体がだるくなる」(16歳 石川県)

・「部活で体が動かなくなる」(15歳 大阪府)

・「疲れる」(18歳 東京都)

・「頭がズキズキする、重くなる」(17歳 山口県)

・「肌が荒れる」(17歳 大阪府)

・「気持ちが悪くなる、吐き気がする、めまい、頭痛、歩くときにフラフラする、ごはんが食べれない」(16歳 福岡県)
精神的な変化を感じる人もいた。
・「ネガティブな気持ちになり、帰りたくなる。何もしたくない気分になる」(18歳 埼玉県)

・「イライラする」(16歳 神奈川県)

・「怒りっぽくなったりとかすぐ泣いてしまうとか情緒不安定になってしまう」(17歳 愛知県)

・「些細な事が気になって気分が落ちる」(18歳 新潟県)
「眠くてしかたがなくなり、眠ることがどれだけ幸せなことなのかを実感する」(17歳 東京都)
という声もあったように、ぐっすり寝ることはとても大切で幸せなことだよね。

睡眠がきちんととれるメリットは?

睡眠がきちんととれるメリットは?

※しっかり寝るとすっきり目覚め、1日のいいスタートがきれる

睡眠をきちんととることで、体の状態を一定に保ち、頭の回転を高めることができるなど、体にも心にもメリットが多い。

睡眠によって集中力・記憶力が高まったり、すっきりと目覚めて朝から勉強がはかどったりもする。

遠藤先生に、特に受験生にとって睡眠をきちんととることの具体的なメリットを教えてもらったので、見ていこう。

高校生のみんなにも十分に睡眠時間がとれているときに感じる変化を聞いてみたよ。

集中力・記憶力を高められる

「脳は寝ている間に情報の整理をしてくれています。

インプットした情報を分類して、整列させて、脳の中の記憶の棚にきれいにしまってくれているのです。

寝ることで、習った内容を試験日までしっかりと保存して、試験当日にきちんと引き出せるようになります。

記憶力とは、保存した情報を必要なときに引き出すことができる能力のこと。

睡眠をきちんととることで記憶力が安定化し、勉強の効率がアップするのです。

そこで特におすすめなのが、夜寝る前に勉強をしてから十分に寝る勉強法です。

覚えてから睡眠をとることで、記憶が失われずに、記憶をたくさん残すことができます。

暗記をして1回寝てから暗記内容を思い出すと、応用力が付加されることもわかっているので、夜勉強したことを朝復習するのがおすすめですよ」。

瞬発力が出て朝から勉強がはかどる

「人間の頭が一番よく働くのは、寝て、気持ちよく目覚めたときです。

寝ている間、午前3時過ぎからは起きるためのエネルギーを整えるホルモンが出て、このエネルギーによって朝から元気に活動することができます。

太陽の光をたくさんあびて一日を快適に過ごすスイッチを入れ、勉強の効率の高まる朝の時間を上手に活用しましょう」。

【アンケート】高校生が実感!十分な睡眠による変化

十分な睡眠時間がとれているときに感じる変化について、高校生にもアンケートをとって聞いてみた。

勉強や学校生活のなかで感じる変化については、こんな意見があがった。
・「朝から頭が働いて勉強がはかどる」(15歳 熊本県)

・「授業に集中できる」(17歳 愛知県)

・「眠くならずにすべてにおいてやる気が出てくる」(17歳 愛知県)

・「気持ちも頭もスッキリしてテキパキ動くことができる」(16歳 兵庫県)

・「目覚めが良くて1日頭がスッキリして集中力が長引く」(17歳 兵庫県)
体へのいい影響を感じたり、元気になれたりするという声も。
・「疲れが取れやすい」(17歳 富山県)

・「体が軽い」(17歳 愛知県)

・「1日中元気に過ごせ、会話が弾む」(17歳 大分県)

・「朝から元気で朝ごはんをいっぱい食べる」(16歳 広島県)

・「肌の調子が良い」(15歳 新潟県)
気持ちの面でもポジティブになれるという意見が多かった。
・「起きたとき、とてもすがすがしい気持ちになる」(17歳 東京都)

・「心が落ち着く」(18歳 福岡県)

・「明るい気持ちになって毎日が楽しくなる」(18歳 兵庫県)

・「何でもできそうな気がする」(15歳 茨城県)

・「嫌なことがあってもどーでもよくなる」(17歳 埼玉県)

・「人にやさしくできる」(17歳 神奈川県)

・「家に帰ってから、いい1日が過ごせた!と、満足できる。いつもははかどらない勉強が楽しくなる」(16歳 兵庫県)

・「早起きは三文の徳っていう感じで時間がたくさんあるように感じる」(17歳 京都府)

教えて先生!睡眠時間についてのお悩み~Q&A~

教えて先生!睡眠時間についてのお悩み~Q&A~

※先生に睡眠時間に関する悩みや質問を聞いてみた

みんなの生活に欠かせない睡眠だからこそ、睡眠時間について悩みをもっている人も多いのでは?

ここでは、遠藤先生に高校生からの睡眠時間についてのお悩みに答えてもらったよ。

なかなか眠れないときはどうしたらいい?

「なかなか眠れないときは、お風呂に入ったり、温かいものを飲んだりして体温を上げるのが効果的です。

人間は体温が急激に下がると眠くなるので、体温を上げる工夫をして、体温が下がりやすい環境をつくるといいですよ。

また、五感が刺激されると脳が起きてしまうので、真っ暗で無音の状態にするなど五感の刺激を減らすこともおすすめです」。

6時間睡眠はやっぱりよくない?

睡眠時間を6時間以下に削るのは、よくありません。

効率よく勉強をしたいなら7時間睡眠、部活などで体をよく動かしている人や背を伸ばしたい人なら9時間睡眠が有効です」。

休日に寝だめするのはあり?

「平日の睡眠不足を補うために、休日に寝だめするのはOKです。

睡眠時間は1時間半の周期でできているので、1時間半を1つのサイクルとして土日に1サイクル(90分)もしくは2サイクル(3時間)睡眠時間を増やす方法がおすすめです。

例えば、平日6時間睡眠であれば、土日は90分増やして7.5時間睡眠にしてみましょう。

ただし、起きる時間は一定にする、つまり平日と同じ時間に起きることがポイントです。

遅く起きるのではなく、布団に入る時間を早めてください」。

22時に寝るといい効果があるって本当?

「22時に寝れば、十分な睡眠をとることができ、翌日眠くなりません。

成長ホルモンもたくさん出るので体も大きくなるなど、いい効果があります。

ただ、22時に寝ると夜に勉強する時間がとれないので、授業中にしっかり勉強しましょう」。

受験生必見!最適な睡眠時間で成績アップを目指そう!

受験生必見!最適な睡眠時間で成績アップを目指そう!

※しっかり寝れば頭の回転もスムーズに!

遠藤先生によると、成績アップを目指すためには、睡眠時間の「質」が大切なんだそう。

睡眠時間の質を上げるためには、休みの日も平日と起きる時間を変えないこと、きちんとパジャマに着替えて寝室で寝ること、深い眠りにつけるように気晴らしをすることなど、ちょっとしたコツがある。

高校生にも睡眠の質を上げたり、十分な睡眠時間を確保したりするために工夫していることを聞いたので、参考にしてほしい。

平日も休日も同じ時間に起きる

「私の調査によると、世代別にみて睡眠の質がよくないのは、10代・20代です。

その理由は、休みの日に長く寝すぎて平日の睡眠時間が短い、という不規則な睡眠リズムにあります。

不規則なリズムで寝ていると睡眠の質が悪くなるのです。

受験の追い込み時期やテスト前は、睡眠時間を削って勉強をする人も多いでしょう。

寝る時間を削って一時的に睡眠不足になった分、休日に多く寝て睡眠不足を解消することも必要ですが、その場合、睡眠のリズムを崩さないように起きる時間は一定にすることが重要です。

寝る時間を早めて、朝は平日と同じ時間に起きるようにしてください。

人間の体は夜明け前から起きる準備を始め、エネルギーをつくり出しています。

朝起きて活動をスタートさせないと、そのエネルギーが消費できず、長時間寝たとしても体がだるく感じたり、頭痛がしたり、活力が出てこなかったりするのです。

体がつくり出した、朝から元気に活動できるエネルギーをきちんと利用することで、すっきりと目覚め、いい一日のスタートをきることができます」。

パジャマに着替えて寝室で寝る

「高校生は若くて睡眠力が高いため、いつでもどこでも寝られるという人が多くいます。

いつでもどこでも寝られる分、スウェットのままソファや床で寝てしまうという話もよく耳にします。

ですが、質のいい睡眠のためには、パジャマに着替えて、寝室で寝ることが大切です。

パジャマは体温を放出するなど、熱がこもらず快適に寝られるような工夫がされていますので、きちんとパジャマに着替えて布団やベッドで寝るようにしましょう」。

気晴らしをする

寝ることは心のメンテナンスにもつながっています。

浅い眠りのときに心のメンテナンスが行われているので、ストレスがたまるとメンテナンスに時間がかかるため、浅い眠りの時間が多くなり、途中で目が覚めるなど深く眠れない原因になることも。

そのため、気晴らしをすることも大切です。

受験前は気晴らしの時間さえもったいなく感じるかもしれませんが、お風呂に入りながら好きな動画や音楽を聴く、お風呂から出て涼んでいるときにゲームをするなど、2つのことを同時に行って効率よく、少しでもストレスを解消していきましょう」。

受験前日やテスト前日はいつもと同じ時間に寝る

「受験の前日だからといって特別なことをしたくなるかもしれませんが、体は生活リズムに合わせるようにできているので、生活リズムを変えると調子が崩れる原因になります。

夕飯やお風呂などの時間や寝るまでの手順など、いつもと同じようにして、いつもと同じ時間に布団に入ることで、気持ちも落ち着き、寝やすくなります」。

【アンケート】高校生に聞いた!睡眠の質を上げる方法

みんなは睡眠の質を上げたり、十分な睡眠時間を確保したりするために、どんなことを実践しているんだろう?

高校生のアンケートでは、リラックスして寝られるように『寝る前に何かを行う』という声が多かった。

睡眠の質を上げるために、みんなさまざまな方法で気持ちを落ち着けているみたい。
・「寝る前にストレッチ」(17歳 静岡県)

・「寝る前に好きなことをしてストレス発散をしてから眠るようにしている」(16歳 宮城県)

・「ホットアイマスクつける」(17歳 埼玉県)

・「温かい飲み物を飲む」(18歳 山梨県)

・「寝る前に小説」(16歳 大阪府)

・「連想睡眠法を行っている」(15歳 岡山県)

・「大きな深呼吸」(16歳 静岡県)

・「楽しみなことを考えて寝る」(15歳 栃木県)

・「ぬいぐるみを抱いて寝ている」(15歳 京都府)
リラックスするために、何かを聞きながら寝る人も多い。
・「睡眠用の音楽を聞いて寝る」(17歳 富山県)

・「寝るときにお気に入りのBGMをかける」(18歳 静岡県)

・「ASMRを聴きながら、無駄なことは考えずに体全体の力を抜いて目を瞑る」(16歳 広島県)
部屋など寝る環境に気をつけている人も。
・「部屋を真っ暗にする」(17歳 埼玉県)

・「部屋を徐々に暗くする」(16歳 愛知県)

・「部屋の温度を快適にしておく」(16歳 栃木県)

・「マットレスや枕を変えた」(16歳 岩手県)

・「抱き枕を使う」(16歳 滋賀県)
寝る前にスマホの利用を控えるという声も多く見られ、スマホを見ないようにさまざまな工夫をしているみたい。
・「寝る30分前にはスマホを見ない」(15歳 熊本県)

・「寝る予定の1時間前にはスマホの使用を禁止する」(17歳 東京都)

・「スマホをベッドから離れたところに置く」(16歳 福岡県)

・「携帯をマナーモードみたいにして通知が来ないようにする」(18歳 神奈川県)
生活スタイルに気をつけている人もいた。
・「カフェインは午前中にしか取らない」(18歳 愛知県)

・「3食しっかりごはんを食べて、健康的な食事を意識している」(18歳 埼玉県)

・「その日のうちに終わらせなければいけないものは早めに終わらせておく」(17歳 神奈川県)

・「家に帰ってから無駄なことはせずに寝る」(16歳 京都府)

・「宿題は夜やらず学校でやる。また見たいドラマとかはお風呂に浸かりながらとか、なるべくながらで作業している!」(17歳 愛知県)

・「入浴する」(15歳 群馬県)

・「寝る前に筋トレをしている。筋トレを行って風呂に入ると自然と眠気が来るのでそれを使って早く寝るようにしている」(18歳 青森県)
寝る時間や起きる時間を意識している人も多かった。
・「寝る時間と起きる時間を決めている」(18歳 埼玉県)

・「早寝早起き」 (16歳 岩手県)

・「勉強は朝するようにして、夜は早く寝る」(16歳 群馬県)

・「テスト前でも勉強やばいときでも7時間睡眠を心がけている」(18歳 兵庫県)

・「1日最低8時間の睡眠をとるように意識している」(15歳 岡山県)

・「必ず6時間は睡眠をとるようにしている」(16歳 千葉県)
寝る時間の理想は7時間だけれど、個人差はあるので、
・「いろんな寝る時間を試してみる」(17歳 鹿児島県)
という意見のように、自分にとってすっきり目覚められる睡眠リズムをみつけてみよう。

睡眠を大切にすることは、時間を大切にすること

睡眠を大切にすることは、時間を大切にすること

※自分の睡眠を見直すことで時間を有効に使うノウハウを身につけることができる

最後に先生がこんな話をしてくれた。
「どんな人にも平等に与えられているのが時間で、一日の24時間のなかで一番大きな部分を占めるのが睡眠です。

睡眠を大切にする習慣をつけることで、時間を大切にするノウハウが自然と身につきます。

受験期は、時間を有効に使うノウハウを身につけられる絶好のチャンスとも言えます。

生涯にわたって役立つこの重要なノウハウを身につけられれば、人生に大きな意味をもたらすでしょう」。
心も体も元気に過ごすために欠かせないのが質のいい睡眠。

理想の睡眠時間を目安にしながら、先生が教えてくれた情報を参考に効率よく勉強を進めていこう!

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睡眠について深く知るには「睡眠学」を体系的に学ぶ必要がある。

「睡眠学」は主に3つの領域の学問から構成されている。

まずは治療に直結する「睡眠医学」、さらに社会経済問題からみた「睡眠社会学」、また睡眠の役割やメカニズムを研究する「睡眠科学」だ。

※出典:日本睡眠学会

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 取材・文/ミューズ・コミュニティー 監修/遠藤拓郎 構成/寺崎彩乃(本誌)

※2023年10月取材時の情報になります。
※本記事内のコメントは2023年10月高校生200名への調査によるものです。
※本記事内の「寝る」という表記は、学術的には「眠る」が正しいですが、高校生に伝わりやすくするため「寝る」という表記を使用しています。