「音楽DLは違法?」高校生主催のディベート大会で議論

2月3日の日曜日、「日本高校生学会」なる高校生団体が、高校生のディベート大会を開催した。

 

日本高校生学会とは、2010年に高校生が立ち上げ、今年で4代目となる高校生の手で運営されている団体だ。さまざまな学校に通う高校生が集まり、2カ月に1回程度、ディスカッション大会や公園清掃ボランティアなどのイベントを開催している。

 

2月に開催されたディベート大会は約1時間半のプログラムで、前半は「音楽ダウンロードは違法か?」をテーマに肯定と否定に分かれてディベートを実施。後半はミニョネット号事件(19世紀に難破したイギリス船籍ミニョネット号で起こった殺人事件)をテーマに、生き延びるために人命を犠牲にすることの是非についてのディスカッション。どの高校生も真剣な表情で考え、時には笑いも交えつつ、熱く意見を闘わせていた。

 

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集まったのは首都圏のさまざまな学校に通う高校生40人弱。初めて参加する高校生も少なくない。学校の枠を超えてつながろうとする彼らには、それぞれの思いがある。

 

「学校には海外交流や留学の制度があるんですが、私はそうした外国の人と交流する前に、日本をもっと知りたい、同じ日本人の意見をもっと聞いてみたいんです。他の高校の人たちがどんなことを考えているのか、知りたくて参加しました」(リサ)

 

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「うちの学校は女子校なんですが、保守的っていうか、おとなしい子が多いんですよね。もっといろんな人の意見を聞いたり、自分の意見もハッキリ言えるようになったらいいなと思っていて、それにはまず自分から!とやってきました」(マアサ)

 

「自分の高校以外にも、もっといろんなことを考えているオモシロイ人がいるんじゃないかな、と参加するようになりました。今、いろんなイベントを通じてできた仲間と一緒に、老人ホームのお年寄りに笑顔を届けられるような活動を企画中です」(カツキ)

 

代表を務める国際基督教大学高校3年の山田真輝さんは、友人の紹介で高1の時に初めてこの会のイベントに参加したという。

 

「最初に参加したのは、お互いの夢を語り合うイベントでした。そこでみんなの夢の大きさや現実性に圧倒されたことが刺激になり、自分の夢についてもっと具体的に考えるようになりました。今の夢は『地方の急激な少子高齢化や若者の農業離れなどの問題を、コミュニティの力を利用して解決したい』というもの。こんなふうに夢を語り合い、発展させられる場が日本高校生学会だと思います」(山田さん)

 

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今、このように学校を横断して活動する高校生の団体が少なくない。高校生の立場から政治や社会を考える機会をつくる団体、東日本大震災復興支援に立ち上がりボランティア活動を行う団体、日本文化のすばらしさを発信していこうとする団体…。大人に頼らず自ら団結して活動する高校生に頼もしさを感じる。