うちの学校はなぜあそこへ? 全国修学旅行研究協会に聞いてみた
修学旅行と言えば、高校生活の中でも楽しみなイベントのひとつ!
でも、その“行き先”によって、かなりテンションが違ってくるもの。修学旅行の行き先って、どうやって決められているんだろう?
そこで、全国の修学旅行について研究・調査をしている「全国修学旅行研究協会」の石原輝紀さんにお話を聞くことに!
■修学旅行の目的やテーマによって行き先は選ばれている!
「修学旅行には各学校ごとに“目的”や“テーマ”があり、それに合わせて行き先が決められます。例えば、『平和について学んでほしい』と考えている学校は、沖縄、長崎、広島を。『歴史や伝統文化を学んでほしい』という学校は、歴史的な建造物が多い京都や奈良を選ぶ場合が多いですね。また、災害への意識を深めるために福島や宮城、岩手など東北地方を行き先に選ぶ学校もあります」
修学旅行の行き先には、先生たちの「こんなことを学んでほしい」という思いが込められているんだ!
■都道府県ごとに、修学旅行の予算、日数が決められている
また、予算や日数によっても、行き先が絞られるそう。
「実は、都道府県ごとに修学旅行の予算や日数、実施学年を定めた『国内修学旅行実施基準概要』という規定があり、公立高校はこれに沿って行き先を決めなくてはいけないんです。例えば、東京都の普通科高校の実施基準は、日数が『96時間以内』(4日間)、費用は国内で一人あたり『7万9800円以内』となっています」
学校だけじゃなく、都道府県での規定もあるなんて知らなかった! 決められた予算と日数内で、目的に合った場所を探していくと、自然と行き先が限定されていくってことか…。
さらに、マリンスポーツや、伝統文化の体験、農業体験など、“普段できない体験をさせる”ことも修学旅行の大きなねらいになっているとのこと。それらの条件をクリアし、多くの高校に選ばれている人気の旅行先は、というと…?
1位 沖縄 (26%)
2位 近畿 (19%)
3位 関東 (15%)
4位 北海道 (12%)
5位 甲信越 (7%)
約4分の1の学校が、沖縄を選択しているという結果に!
「『沖縄』は、ひめゆりの塔など平和学習ができる施設があるのはもちろん、マリンスポーツや、琉球ガラス作りなど、いろいろな体験ができるのも選ばれるポイントです。また、2位の『近畿』は、主に京都・奈良ですね。歴史的な建造物が多く、写経や座禅、和菓子作りなどの体験学習の多さに加え、新幹線で行ける交通の便の良さも人気の理由でしょう」
実は、いろいろな理由によって決められている修学旅行の行き先。自分の学校の行き先が決まった理由を考えてみるのもおもしろいかも?